韓国語の尊敬語には「尊敬の語彙」を用いた表現があります。

例えば먹다の代わりに드시다を使うようなケースですね。

ところで있다を尊敬語にした時、계시다を使う場合とそうでな場合があります。

계시다はいつ使うのか?

目上の人が『いる』には「계시다」を使う

尊敬の語彙계시다を用いる時、使い方は있다と계시다を入れ替えるだけでOKです。

선생님이 어디 계십니까?
先生はどこにおられますか?
할아버지는 지금 쯤 병원에 계실 거예요.
おじいさんは今頃病院にいるはずです
김부장님이 어디 계시는지 알아요?
キム部長がどちらにいらっしゃるか知ってますか?

계시다に-세요や-십니다などの語尾を付けるだけです。

ただし注意すべきことは尊敬の対象が「人」の時にしか使えないということです。

つまり계시다は「いる」の尊敬語になります。

目上の人のものが『ある』には「있으시다」を使う

主語が人間ではない場合には있다に-시を付けます。

내일 5시 이후 시간이 있으세요?
明日の5時以降お時間はございますか?
포인트카드는 있으세요?
ポイントカードはごさいますか?
더 필요하신 거 있으시면 말씀하세요.
他に必要なものがございましたら仰ってください

있으시다は時間や所有物など、持ち上げるべき人と関連のあるものに使われます。

目上の人のものが「ある」には있으시다と覚えましょう。

ちなみに「ポイントカードありますか?」は韓国のレジでよく言われる一言です。

否定文にも気を配ろう

目上の人が『いない』には「안 계시다」を使う

否定文では알다/모르다のように、反対の語彙がある時はそれを使うのが原則です。

しかし계시다には反意語(없다の尊敬語)はありません。

오늘은 노과장님이 계세요?
今日はノ課長は不在ですか?
집에는 아무도 계시지 않습니다.
家には誰もおりません
이사장님은 사무실에 계실 거에요.
理事長は事務室にはいらしゃらないと思います

目上の人が「いない」ことを表現する場合は계시다を안の否定文にしましょう。

目上の人のものなどが『ない』には「없으시다」を使う

있다の反対は없다ですね。

つまりものなどが「ない」を尊敬語にする時は없다に-시を付けてあげます。

이거는 정말 필요 없으세요?
これは本当に必要ないんですか?
엄청난 태풍이 지나갔는데 아무 일이 없으셨죠?
ものすごい台風が通り過ぎたけど何ごともなかったですよね?
고객님, 수하물은 없으십니까?
お客様、お荷物はございませんか?
:계시다/안 계시다
時間やもの:있으시다/없으시다

こんな感じで覚えてしまいましょう。

ところで수하물は手荷物という意味ですが、위탁수하물(預け入れ荷物)のニュアンスで使うことが多いです。

尊敬表現と文法の組み合わせ

「-고 계시다」による尊敬表現

계시다を使って-고 있다を尊敬語にしたものが-고 게시다です。

어머니는 책을 읽고 계세요.
母は本を読んでいます
지금 뭐 하고 계세요?
今何をされてるんですか?
그게 무슨 뜻인지 알고 계십니까?
それがどういう意味かご存知ですか?

있다を계시다と入れ替えることで「~している」から「~しておられる」のようになったと思えばいいでしょう。

「-아/어 있다」と尊敬表現

-아/어 게시다も계시다を使った文法の一つです。

먼저 들어가 계세요.
先にお入りになってください
어제부터 시어머니가 집에 계십니다.
昨日からお義母さんがうちにいらしてるんです
잠시만 앉아 계십시오.
しばしの間、お座りになってください

これは-아/어 있다を계시다によって尊敬表現にしたものです。

있다を계시다にしているだけなので、難しい使い方をするわけではありません。

ただ-고 게시다と-아/어 게시다はどちらも持ち上げるべき人が主語になっていることがポイントです。

계시다を使う尊敬語のパターンを把握したら、どんどん使ってみましょう。