「パン、コーヒー、ケーキ、バス」
こうした外来語は日本語と韓国語では発音の異なるものが多く、苦手意識を持っている人は多いです。
そこで日本語でよく使う外来語(カタカナ)をハングルに変換するポイントを解説していきます。
韓国語で外来語を表記するパターン(母音編)
カタカナをハングルに変換するポイントとして「母音」に重点を置いて解説します。
「ア」を「ㅐ」にする
カタカナで表記している言葉を韓国語に変える時のパターンとして、まずは「ア→ㅐ」を覚えましょう。
これは「a」を「エ」のように発音する単語で、次のようなものです。
アップル:애플
ハム:햄
ハンバーガー:햄버거
ジャズ:재즈
タクシー:택시
ハンバーガーを햄버거と発音するのはこの典型的な例ですね。
より英語(本来の音)に近い発音で表記しようとするためにこうなります。
日本語は「ア」ですが英語では「エ」のような感じになるので、ハングルでは「ㅏ」のような口を開け方をする「ㅐ」になると覚えておくといいでしょう。
「エ」を「ㅔ」にする
次のパターンは「エ→ㅔ」です。
これは「e」を「エ」とほぼ文字通りに発音する場合です。
ホテル:호텔
エンジン:엔진
テニス:테니스
デスク:데스크
メモリ:메모리
日本語と韓国語で発音が似ているので覚えやすいと思います。
英語の「a」と「e」はどちらも「エ」に近い発音ですが、日本語で表記する場合は「ア」と「エ」に分かれます。
つまりカタカナで「ア」と「エ」どちらなのかを見れば、「ㅐ」と「ㅔ」が区別できるということです。
「アー」は「ㅓ」になる
「アー」と伸ばす長音はハングルでは「ㅓ」になることが多いです。
ワールド:월드
ワード:워드
ターミナル:터니널
タワー:타워
メーター:미터
ハンバーガー:햄버거
「ハンバーガー」やmicrosoftの文書編集ソフト「word」などがこのパターンです。
ただこれは発音が「ˈəː」の場合なので「アー」と伸ばす音がすべて「ㅓ」になるわけではないんです。
あくまで目安の一つと考えてください。
a(エー)は「에이」
「エー」と伸ばす音は「에이」にしましょう。
スケート:스케이트
テープ:테이프
ケーブル:케이블
ステーキ:스테이크
ケース:케이스
エース:에이스
ハートのAは「에이스」になるということですね。
これは比較的覚えやすいと思います。
実は「エー」と伸ばす音すべてが「에이」となるわけではないんです。
skate:스케이트
tape:테이프
cable:케이블
stake:스테이크
case:케이스
ace:에이스
meter:미터
メーターが「미터」になるのは「a」じゃなくて「e」だからです。
つまり英語では「a」が入る言葉が「에이」になります。
「エ」だけど「イ」?
では「メーター」が미터になるのは、「e」を「イ」で発音するケースです。
meter:미터
green:그린
business:비즈니스
sea:시
KOREA:코리아
カタカナでは「エ」もしくは「イ」になるので、ちょっと覚えにくいかもしれません。
KOREAの「e」が「イ」になるのは音が似てるので簡単ですが、ビジネス(business)のようなケースはそのまま覚えるしかないでしょう。
韓国語で外来語を表記するパターン(子音編)
ここからは「子音」に重点を置いたポイントです。
「~イング」には「ㅇパッチム」
カタカナで「~イング」となる言葉には「ㅇパッチム」を使いましょう。
ファンミーティング:팬미팅
合コン:미팅
ハンティング:헌팅
モーニングセット:모닝세트
これは「-ing」とかの英単語のことですが、-ngの部分が「ㅇパッチム」になります。
「-ng」で終わる単語をㅇパッチムで表すケースには地名もあります。
例えば香港「hong kong→홍콩」がそうですね。
「ファ行」には「ㅍ」
「ファ行」の言葉には「ㅍ」を使いましょう。
正確には「f」に「ㅍ」を使う場合ですが、次のようなケースです。
ファイティング:파이팅
ファンタスティック:판타스틱
フィーリング:필링
フィギュアスケート:피겨스케이트
カフェ:카페
こんな感じで「ㅍ」を使えばいいわけですが、환타(ファンタ)のような例外もあります。
ㅍじゃなく「ㅎ」を使うのは、より英語の発音に近づけるためです。
ただ화이팅(ファイティン)のような言い方をする場合もあり、ケースバイケースです。
「ッシュ」は시になる
「ッシュ」には「시」です。
これは「sh」で終わる単語のことです。
フィッシュ:피시
フラッシュ:플래시
スマッシュ:스매쉬
「フラッシュ」などのような「ッシュ」が付く言葉のほとんどは「시」をつければOKです。
また시の代わりに「쉬」を使う人もいたりしますが、시か쉬で発音すれば問題ないでしょう。
「ド」で終わる言葉は드
「ド」で終わる単語はほぼ「드」になるというパターンもあります。
マクドナルド:맥도날드
ハーバード:하바드
サンドイッチ:샌드위치
サンドが「샌드」になったりと、日本語からはイメージしにくいかもしれません。
これは英単語の子音だけの部分に「으」を当てはめることで起こります。
Donald Trump:도널드 트럼프
Mcdonalds:맥도날드
Harvard:하바드
Sandwich:샌드위치
例えばハーバード(Harvard)をハングルに置き換えた時、最後のdは母音と一緒ではありません。
だからTrumpのtやpにも「으」が付くことで트럼프になるわけです。
同じようにmilkもkに「으」がついて밀크です。
小さい「ッ」が入る言葉
「ップ」はㅂパッチム
小さい「ッ」が入る言葉にはいくつかのパターンがあります。
一つは「ップ」はㅂパッチムになるというものです。
トップ:탑
マップ:맵
ラップ:랩
K-pop:케이팝
英語の「p」で終わる部分をㅂパッチムにするだけなので、さほど難しくはないとは思います。
「ック・ッグ」はㄱパッチム
二つ目は「ック・ッグ」にㄱパッチムというパターンです。
ハンドバッグ:핸드백
ビッグマック:빅맥
パック:팩
これは「k」や「g」で終わる単語をㄱパッチムにするものです。
ドッグとかマックとか、何となく覚えられそうではないでしょうか。
「ット」はㅅパッチム
三つ目は「ット」の単語はㅅパッチムで終わるケースです。
ショット:샷
ヘルメット:헬멧
ホット:핫
よく一気飲みのことを「ワンショット」と言いますが、これも원샷です。
커트もよく見かけますよね?
「ット」の中にはcutのように、ㅅパッチムと트のどちらでも通じるものがあります。
レイアウト:레이아웃/레이아우트
アウトライン:아웃라인/아우트라인
アウトレット:아웃렛/아우트레트
カット:컷/커트
アウト:아웃
ㅅパッチムで締めくくる場合と트で終わるケース、どちらでもよい言葉はたくさんある
アウトは「아웃」と言う人が多いです。
しかしマットレスを「매트레스」とは言っても、맷레스と言う人はまずいないです。
こういうのは使い方の傾向を押さえておくといいでしょう。
「ル」がつく言葉は発音が難しくなる?
先頭以外の「ル」にはㄹパッチム
カタカナの「ル」にはㄹパッチムです。
ミルク:밀크
ボール:볼
ホール:홀
ボールやミルクなど、一部の「ル」がㄹパッチムなっていますね。
これは英単語の中に「Ⅼ」の子音のみが入っている場合にこうなります。
ただ雰囲気で何となく覚えられそうなパターンではないでしょうか。
「L+母音」にはㄹが2つ続く
これは日本人が一番苦労する外来語かもしれません。
「L+母音」になっている英単語はㄹが2つ続きます。
galaxy:갤럭시
pilot:파일럿
salad:샐러드
ㄹパッチム+ㄹになる
子音L+母音の場合、パッチムと次の音でㄹが2回続くことになる
ブラックホールも「black hole=블랙홀」とパッチムを含めて発音するので、ㄹが苦手な人はしっかり練習をしておきたいところですね。
逆に言うと、パッチムにㄹがある英単語はLであるということでもあります。
外来語をうまく発音するポイント
長音は伸ばさない?
韓国語に本来は「長音」もありますが、外来語を発音する時のポイントとして、長音をのばさないというのがあります。
ハーブ:허브
ジュース:주스
コーヒー:커피
コンピューター:컴퓨터
長音を伸ばさない感覚には慣れが必要ですが、これだけでもだいぶ印象は変わると思います。
先頭の平音や激音を濃音で読む
他に先頭の平音や激音を濃音で発音するケースもあります。
버스→뻐스
사인→싸인
카페→까페
사이다→싸이다
自分の発音のままにハングルを打ち込む韓国人は多いので、カカオトークやライン、検索エンジンなどでこういった文字はよく見られます。
そのため사이다を「싸이다」で検索しても出てきます。
韓国人も全員こうだというわけではありませんが、こういう傾向があることも知っておきましょう。
ここで紹介したものを押さえておくだけでも、韓国語の外来語の読み書きはかなり楽になるのではないかと思います。
パターンの数も多いので、少しづつ覚えていきましょう。