激音と濃音

「카、까、파、빠」

激音や濃音は日本人には難しい発音です。

日本語にはない音なので発音するのはもちろん、どれも同じ音に聞こえてしまうという人は多いです。

そこで激音や濃音の練習や発音を聞き取るコツについて話していきます。

激音とその練習方法

激音ってどんな音?

激音とは息を強く吐き出して発音する音のことで、韓国では격음(激音)、거센 소리などとも言います。

口の前にティッシュを垂らして発音し、ティッシュが大きくなびけばOKというあれですね。

空気が強く出ていくのが特徴で、口の前にティッシュを垂らして発音し、ティッシュがなびけば発音できているとよく言われています。

ここでは激音を練習する方法を3段階に分けてみました。

【段階1】ひたすら息を強く吐き出す

まずは「フー」っと息をはいてみてください。

目の前の埃やら何やらをすべて吹き飛ばすくらいのイメージで、しっかりと息を吐き出してください。

単に息をはくだけでOKです。

とにかく強く!息をはき出しましょう。

【段階2】強く吐き出す息に声をのせる

今度は息を吐き出しながら、そこに声をのせていきます。

ただしここでは「후と푸」のみで行います。

후(フー)
푸(プー)

この時、息を強く吐き出しながらも音を出す感覚を強く意識してください。

この感覚がわかれば、他の激音の子音も簡単にできるようになります。

【段階3】それぞれの激音で練習する

それぞれの子音で発音してみましょう。

하、파、차、타、카

どれを発音しても、息を強く吐くという意識は忘れずに。

息を強く吐き出すことがしっかりできていれば、口の前に垂らしたティッシュがなびくはずです。

息を強く吐こうとすると声がでない?

息を強く吐こうとするあまり声がでない、吐き出す息に声が乗らないという人は、声の後に息を強く吐いてみましょう。

」なら「」のあとに「」を発音するようなイメージです。

つまり「カハー」って感じですね。

それができたら、一回で発音できるように練習してみましょう。

濃音とその練習方法

「ッ」を入れたような発音

濃音とは詰まったような音が特徴で、경음(硬音)、된소리などと言います。

濃音は先頭に小さい「ッ」が入るような感覚で声を出してみましょう。

ただいきなり発声するのは難しいという人もいると思うので、まず「ナッパ」のような単語を数回繰り返した後、そこから「ナ」を抜いて「ッパ」と発音してみましょう。

、따、싸、까

これでできたら、他の音でも練習してみましょう。

【段階1】パッチムのところで発声を止める

先頭に小さい「ッ」を入れると言われても、感覚がつかめない時の方法です。

「따」を発音するものとして、まずは「다、다、다」と何回か発音してみましょう。

この時舌が前歯の裏に付いたり、離れたりを繰り返すと思うので、この動きを意識してください。

そして次に「다、다、다」と繰り返している声を途中で止めます。

声を止めると言っても、舌が前歯の裏に付いた状態(ㄷパッチムの状態)の時に止めます。

【段階2】息が詰まるような感覚を意識する

舌が前歯の裏に付いた状態だと、口の中は「空気の通り道」がふさがれていますが、この状態を維持したまま、息を吐き出そうとしてみてください。

舌が歯の裏に押し付けられることはあっても声は出ないと思います。

息を出そうとすればするほど、力が舌の周りに集中していきます。

これが濃音の「詰まった状態」です。

【段階3】一気に脱力しながら声を出す感覚をつかむ

空気の通り道が塞がれ、行きが詰まっていたところから、一気に脱力しましょう。

ずっとがまんしていた息止めが終わって、「プハー」っとなるような感じです。

ただし息を吐き出す時は、空気を前に強く吐き出すのではなく、横に逃がしてやるようなイメージで発声します。

空気を前方に強く吐くことなく声だけを出せれば、口の前にぶら下げたティッシュは動かないはずです。

平音と激音と濃音の違い

パッチムとは口が次の音を出すための形を作り、待機している状態です。

ここから息を吐き出す、つまり母音が加わることで「音声」になりますが、この時の息の吐き出し方によって「다、타、따」のように枝分かれします。

つまり、平音と激音と濃音は息の吐き出し方が異なるということです。

激音と濃音を聞き分けるポイント

激音と濃音が発音できるようになれば、自然に聞き取りもできるようになっていきますが、慣れるまでは難しかったりします。

特に激音と濃音は息の吐き出し方が中途半端になると、区別しにくくなります。

韓国人同士でも聞き返すことがあるくらいです。

聞き取りのポイントは音の高さ?

平音と激音と濃音を区別するポイントの一つは「音の高さ」で、図にするとこうなります。

激音や濃音になると音の高さが変わりますが、特に濃音の時に音が高くなります。

これをイメージするだけでも、単語や文章が聞き取りやすくなるかもしれません。

もちろん疑問文だったり全体のイントネーションなどでも発音は変わるので、必ずこうなるわけではないですが、一つの目安にはなると思います。

音の高さは目安の一つで、文字通りに発音しない単語もある

激音と濃音は息の吐き方が異なる音で、それを「高さが違う」と表現しているにすぎません。

音の強さなどを区別するための、一つの方法と考えてください。

高いから濃音だのように考えず、あくまでも音そのものをしっかり判別できるようになりましょう。

また文字通りに発音しない単語も見られ、例えば소주を「쏘주」と発音する人も多く、これだと濃音になってしまいます。

あるいは카페や사이다といった「外来語」にも、同じような傾向があります。

聞き取りは少しづつ慣れていくしかありません。

慣れないうちは難しいかもしれませんが、発音は一度変な癖がつくとなかなか直らなくなるので、初級のうちにしっかり練習しましょう。