パッチムの次に子音が来ると音同士がぶつかり、発音に変化が起こります。

激音化や濃音化はその一つですが、これらにはある程度「規則やパターン」があります。

今回は激音化や濃音化が起こるパターンについて解説していきます。

激音と激音化

激音化が起こる理由と組み合わせ

激音(ㅋㅌㅍㅊ)とは強く息を吐き出しながら発声する音のことです。

そして激音化とは平音(ㄱㄷㅂㅈ)が激音(ㅋㅌㅍㅊ)に変わることをいい、ㄱㄷㅂㅈがㅎと一緒になった時に変化が起こります。

平音(ㄱㄷㅂㅈ) + ㅎ = 激音化

ㅎパッチム + ㄱㄷㅂㅈ
좋다 → 조
않다 → 안
싫다 → 실

ㄱㄷㅂㅈパッチム + ㅎ
축하 → 추
입학 → 이
못하다 → 모

ㅎがない限り激音化は起こらない

激音になるのはㅎが「激音の特性」を持っているからですが、その特性とは「息を強く吐き出す」ことです。

つまり平音に激音の息の吐き方が加ることで「ㅋ、ㅌ、ㅍ、ㅊ」になります。

激音化の練習は連音化の練習の延長

激音化の感覚を掴むために「ㄱㄷㅂㅈ+ㅎ」の組み合わせの単語を使って練習してみましょう。

例えば축하や입학のような単語です。

축아[추]
축하[추]

ㅎの代わりにㅇを入れ、発音を比べながら発声してみる

息の吐き方の違いを意識し、パッチムから音がつながる際に平音と激音とに枝分かれしていく感覚を掴んでいきましょう。

連音化や激音がちゃんとできていないと激音化もできません。

苦手な人はまず激音の練習から始めましょう。

濃音と濃音化

濃音化の基本パターン

濃音化は文字通り「平音から濃音」に変わることを言います。

濃音化にもパターンがあり、次の条件を満たす組み合わせでは必ず濃音化が起こります。

濃音化の条件

1.パッチムに「ㄱ、ㄷ、ㅂ」を含む
2.次に来る音が「ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅅ、ㅈ」

국밥[국] クッパ
읽고[일] 読んで
잊고[읻] 忘れて
웃고[욷] 笑って
옆집[엽] 隣の家
덥개[덥] カバー
있다[읻] いる・ある

パッチムがㅅでも発音が「ㄷ」であれば、濃音化は起こります。

その他の濃音化のパターン

次の条件の時は濃音化が起こる時がありますが、100%ではありません。

こういう語彙もあるという参考にしてください。

パッチムㄴ/ㅁに「ㄱ、ㄷ、ㅅ、ㅈ」

신다[신따] 履く
앉다[인따] 座る
젊다[점따] 若い

다、감다、굶다、옮다のような受け身や使役の単語の接詞の場合は濃音化は起こりません。

パッチムㄹに「ㄷ、ㅅ、ㅈ」

갈듬[갈뜽] 葛藤
절대[절때] 絶対
말살[말쌀] 抹殺
물질[물찔] 物質
발전[발쩐] 発展/発電

漢字語の発音になります。

ただし절하다[절절하다]・허허실[허허실실]のような、同じ漢字が二度続くような組み合わせだと、濃音化は起こりません。

※허허실실=相手の弱点を非難し、優位に立とうとすること

パッチムㄼ/ㄾに「ㄱ、ㄷ、ㅅ、ㅈ」

넓다[널따] 広い
핥다[할따] なめる
훑다[훌따] 扱く
떫다[떨;따]  渋い

丸暗記するしかないでしょう。

-ㄹ/을に「ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅅ、ㅈ」

-할 거에요[할 꺼에요]
-할 수 있다[할 쑤 있다]
-할지[할찌]

連体形の-ㄹ/을の後に子音がくるパターンですが、「할 거야」を「할 꺼야」と間違えて書く韓国人も多いです。

濃音化のパターンをすべて覚えるのは不可能

濃音化のパターンを覚えて、考えながら話すというのはほぼ不可能です。

とりあえずは「パッチム+子音」の形になったら、濃音化するかもと考えましょう。

いちいち考えていたら、会話どころではありません。

発音を繰り返しながら「濃音化する単語」を体で覚えていきましょう。

予測不能の濃音化もある?

パターンに当てはまらない濃音化

濃音化が起きない条件にもかかわらず、濃音で発音している語彙もあります。

김밥[김] キ
물가[물] 物価
대가[대] 対価
장기[장] 特技

おなじみの「김밥」も濃音化が起こる原則にはまったく当てはまりません。

濃音化するかしないかで意味が変わる語彙

同じつづりでも発音によって「異なる意味」になるケースもあります。

장기[장] 特技
장기[장] 将棋

特技と将棋ではまったく違いますね。

こういう単語は普段から濃音と平音の違いをしっかりと意識しましょう。

激音化は「ㅎ」がないと起こらないので覚えやすいと思いますが、濃音化には例外も多く暗記するは困難です。

できるだけ声を出して、音そのものを体で覚ましょう。

短期間でできるものではないので、少しづつ練習してください。