韓国の道路標示にはハングルの他に英語で書かれたものをよく見かけます。

いわゆる英語表記ですが、これには一定の規則があり、それを知っていると英語で書かれた韓国人の名前を見てハングルを予測するといったことができるようになります。

※サンプル音声がある場合、例文の横のスピーカーのマークを押すと音声が再生されます。

ハングルを英語で表記してみよう

英語表記のためのルールを定めた規則とは?

韓国語を英語で表記する場合、基本的にはハングルをローマ字に当てはめることになります。

ただし適当にやればいいというわけではなく、韓国文化観光部が発表した국어의 로마자 표기법(韓国語のローマ字表記法)というものに則って行います。

ローマ字表記にも一応決まりがあるんですね。

韓国語の「母音」のローマ字表記

ローマ字表記の方法は日本語の場合と似ていて、ハングルの母音と子音それぞれにアルファベットを当てはめ、それを組み合わせていきます。

短母音

a eo o u eu i ae e

日本語と「a,i,u,e,o」は同じだから、覚えるのは어(eo)とㅐ(ae)とㅡ(eu)の3つになります。

ㅐはㅏのように口を大きく開けるから「ae」と覚えればいいでしょう。

ㅓは後ろのアルファベットが発音のメインといえるので「eo」となります。

ㅡ(eu)もそうですね。

二重母音

ya yeo yo yu yae ye wa wo wae we oe wi ui

これら二重母音は「y」や「w」がくっつくという点を押さえておけばいいでしょう。

ㅑやㅛは日本語のヤ行のように「y」と組み合わせていることがわかると思います。

ㅙやㅞは「w」との組み合わせになっていますね。

ところでこれらが二重母音と呼ばれるのは「y」の二重母音には「i」の音が含まれるといったように中身は単母音の組み合わせだからです。

日本語なら「ヤ行」や「ワ行」は子音ですが、韓国語では母音として扱われることがポイントです。

韓国語の「子音」のローマ字表記

各子音とアルファベットの表記は次のようになります。

子音

g,k n d,t r,l m b,p s ng j ch k t p kk tt pp jj h

字組み合わせの例

밥 = ㅂ+ㅏ+ㅂ = bpp
롤 = ㄹ+ㅗ+ㄹ = rol
겪 = ㄱ+ㅕ+ㄲ = gyeokk

ㄲやㅆのような濃音はアルファベットが2つで表しますが、濃音は小さい「っ」が入るように発音するからですね。

また気を付けるのは「パッチムの子音」です。

ㄹは母音と一緒の時は「r」ですが、パッチムの時は「l」になります。

ㄷやㅂも母音と一緒の時は「dやb」ですが、パッチムの時は「tやp」になります。


ㅅ + ㅏ + ㄴ
s + a + n
= San

학교
(ㅎ + ㅏ+ㄱ) + (ㄱ + ㅛ)
(h + a + k) + (g + yo)
= Hakgyo

칼국수
(ㅋ + ㅏ + ㄹ) + (ㄱ + ㅜ + ㄱ) + (ㅅ + ㅜ)
(k + a + l) + (g + u + k) + (s + u)
= Kalguksu

こんな感じで変換するということですね

規則通りに子音と母音を組み合わせるだけではダメなケースもある

発音の変化は表記にも反映される

종로[종노]のような発音が変化する言葉は実際の発音に従って表記することになります。

종로 → 종노
(ㅈ + ㅗ + ㅇ) + (ㄴ + ㅗ)
(j + o + ng) + (n + o)
Jongno

좋다 → 조타
(ㅈ + ㅗ) + (ㅌ + ㅏ)
(j + o) + (t + a)
Jota

학력 → 항녁
(ㅎ + ㅏ + ㅇ) + (ㄴ + ㅕ + ㄱ)
(h + a + ng) + (n + yeo + k)
hang-nyeok

鼻音化や激音化なども変化した音で表記されていますね。

迷ったら実際にどう発音するかをハングルで書いてから英語にするといいでしょう。

人名や固有名詞も規則通りにはならない

発音の変化の他に人名や学校・企業といった固有名詞も表示が規則通りにいかないケースです。

わかりやすい例を挙げると、이(李)を「Lee」って書いたりなどですね。

試しに次の人名をローマ字に変換してみてください。

송중기 → ?

김연아 → ?

이장우 → ?

おそらく以下のような感じにしたのではないでしょうか。

송중기 → Song jung-gi

김연아 → Kim yeon-a

이장우 → Lee Jang-u

しかしこれでは「不正解」です。

正解はこうなります。

송중기 → Song Joong-ki

김연아 → Kim Yuna

이장우 → Lee Jang-Woo

こんなの反則でしょう。

他にはこういうのもあります。

박 → Park
최 → Choi
정 → Jeong、Chung

朴(박)がParkとか意味不明ですが、こういうのはあきらめてください!

どうして固有名詞は規則通りにならないものが多い?

後から名前の表記を変えるのは大変

人名こそみんな規則に従って表記すべきなのに、なぜバラバラなのか。

これは2000年に表記が統一される前から「박=Park」などで馴染んでる人なども多く、すでに慣れてしまった名前の表記を後から変えるのは大変だからです。

特にパスポートはすでに「Jeong」などで作ったものを後から「Chung」に変えるとなれば、ものすごい面倒ですよね。

そのためこういうのは例外として認められています。

李(이)さんは「Lee」とは限らない

ちなみに同じ李(이)でも「Lee」じゃない人はいます。

新規でパスポートを作る人が「Li」や「Ri」にすることもあるからです。

必ず「Lee」にしなきゃいけないってものでもないんです。

ちなみに人名をローマ字でどう変換するかは、次のサイトで調べることが可能です。

人名の表記はこういうものだと思ってあきらめましょう。

学校や会社は登記にも関わる

人名の他に学校や企業なども規則通りに表記しないものは多いです。

이화여자대학교 → Ewha Womans University

삼성 → Sumsung

현대 → Hyundai

이화は「Iwha」のはずなのに「E」になっていますね。

サムスンやヒュンダイもずっと前に決めてしまったものですが、企業がロゴや登記を変更するとなれば大変でしょう。

特に企業はロゴが変わっただけでイメージが変わるかもしれません。

今さら変えるわけにもいかないので、固有名詞で昔から使っている表記はそのままでもOKなんですね。

ところでこうした英語表記のルール、覚える必要はありません!

そもそも韓国語を勉強しているなら、ハングルで書けばいいんです。

ただ何らかの事情で英語で書く必要が出てきた時、こういうルールがあることを知っておくと役に立つかもしれません。