毎月の支出の中でもかなりの割合を占めるのが家賃です。
韓国の家賃は入居システムや部屋をどのように使うかによって、いろんな呼び方があります。
ここでは家賃に関する表現や韓国の住居事情などを紹介していきます。
「家賃」の韓国語は?
基本は「집세」でOK!
賃貸で利用している住居に対してかかる費用、いわゆる家賃のことを집세(집貰)といいます。
세(貰)は何かを貸してもらう時に支払う対価、つまり「使用料やレンタル料」のことです。
집세には전세と월세があり、それぞれ費用の支払い方が違います。
韓国の家賃の支払い方
전세(傳貰)
高額の「保証金」を預ける代わりに、毎月の家賃が発生しないシステム。
保証金は契約満了時に戻ってくるが、その額は数億ウォンなど高額になることも珍しくない。
월세(月貰)
保証金の額を低くしつつ、毎月一定額の家賃を支払う仕組みで、こちらも退去時に保証金は返ってくる。
保証金の額は数千万ウォンなど、전세にくらべるとだいぶ低くなる。
ここまではある程度知っている人も多いのではないかと思います。
住居にかかる費用には「집값」もある
住居にかかる費用を指す言葉には집값というのもあります。
文字通り家や部屋の値段を表し、売買による不動産価格も含まれます。
ソウルの地価がまた上がったって
じゃあ家の値段も上がりそうだね
基本的には購入のイメージが強いですが、賃貸の住居に집값を使っても間違いではありません。
建物や使用目的によって表現が変わることもある
ワンルーム・下宿・コシウォンといえば「방값」
집값があるのなら、방값もあります。
방값とは一部屋の値段のことで、ワンルーム・下宿・コシウォンなどの家賃を意味します。
そこは家賃はいくらですか?
管理費を含めて1か月に50万ウォンです
집값が売買のニュアンスなら、방값は賃貸です。
外国人留学生が韓国で部屋を探す時はワンルームや下宿、あるいはコシウォンになると思うので방값はぜひ覚えておきましょう。
お店や事務所など「業務用」として建物や部屋を借りる時は?
建物や部屋を借りるのが住居としてではなく、事務所や店舗など「事業目的」の場合もあるでしょう。
事業用として借りた場合は임대료(賃貸料)と呼ぶことが多いです。
うちの事務所も来年から家賃が上がります
お店の賃貸料をちゃんと支払えるか心配だって
飲食店などの経営者がお店の家賃について話す時も임대료になります。
임대료:事業で使用する
「賃貸」の漢字語を使うのは業務用の時なんですね。
家賃や保証金などの部屋情報はどのように表示されている?
家賃や保証金の額といった部屋情報は次のように表示されていることが多いです。
家賃や保証金の額の表示例
① | ② | ③ |
월세 3000/45만 |
월세 1000/50만 |
전세 5억 |
①월셋집で入居には3000万ウォンの保証金と月45万ウォンの家賃が必要。
②월셋집で保証金1000万ウォンに対して、月の家賃は50万ウォン。
③전셋집なので月の家賃はからないが、保証金に5億ウォンという大金が必要。
一般的には保証金の額が上がるほど、月の家賃は低くなる傾向にあります。
韓国の賃貸のシステムと特長
高い保証金の代わりに「敷金、礼金、保証人」は必要ない?
韓国でワンルームなどを借りる場合、日本と違うのは高い保証金です。
そのかわり面倒な手数料や礼金などは必要なく、お金さえ払えば誰でも入居でき、学生か社会人かというのは関係ありません。
ただ高額の保証金を用意するのは簡単なことではありません。
そのため親がそのお金を出したり、銀行で保証金のための融資の相談窓口を利用するケースもあります。
自動で契約が更新されず、条件が変わることもある
日本で賃貸契約をする場合は事前に審査があるものの、一度入居すると契約は自動更新で、家賃などの条件もそのままです。
しかし韓国の場合、契約は自動更新ではありません。
毎回契約内容を見直すので、更新時には家賃や保証金の額が上がる等、条件が変わることも珍しくありません。
契約を更新できなければ他の部屋を探さなければいけなくなるので、このあたりは日韓の賃貸契約の良し悪しが分かれるところでしょう。
部屋の清掃は自分で行う
日本では入居時に「敷金」を支払い、退去時はそこから清掃費用などを差し引いた金額が戻ってきます。
ところが韓国では清掃は入居者が行うので、新しい部屋に入居が決まったら、引っ越し前に自分で清掃業者を呼ぶことになります。
清掃費用は10万ウォン前後くらいでしょうか。
しかし最近は物件のオーナーが清掃業者を呼び、次の入居者が引っ越してくる前に清掃を行うケースも増えてきています。
その場合は退去時に清掃費用をいくらか支払うことになります。
韓国の飲食店がすぐになくなる理由って?
韓国の賃貸は保証金さえ払えば誰でも入居できる反面、その保証金をどうやって工面するかという問題があります。
地価の上昇によって保証金が上がるなど、契約更新時に条件が変わると事業者は事務所や店舗の維持が難しくなることもあります。
事業をうまく回していきながら、こうした問題にも対処していかなければならないので、経営環境はより厳しいと言えます。
韓国で頻繁にお店が移転したり、飲食店がすぐになくなるのは、こうした問題による影響も大きいのではないかと思います。
ソウル市内の同じ場所でずっと営業している飲食店は経営者がかなり優秀な気がします。