目上の人との会話で使うことが多く、自分を下げることで相対的に相手を持ち上げるというイメージが強い謙譲語。

謙譲語は主語になる人物やその動作を下げる表現をいい、謙譲の語彙を使って表します。

「主語を下げる」とはどういうこと?

自分を下げて「相手」を持ち上げる

自分を下げることで相手を上げる、謙譲語のよくある使い方です。

자리 준비가 다 되면 불러 드리겠습니다.
席の準備ができたらお呼びいたします
네, 알겠습니다.
わかりました

주다を「드리다」のような語彙に変えることで自分を下げ、結果的に相手を持ち上げています。

相手を下げて「第三者」を持ち上げる

第三者を持ち上げるために自分や話し相手を下げることもあります。

월급이 들어오면 어떻게 거야?
給料入ったらどうするの?
핸드폰 바꿀까 싶은데.
携帯変えようかと思ってるけど
그러지 말고 부모님께 선물이나 드려.
そんなことしないで両親にプレゼントでもしなよ

ここでは話相手を下げることで「相手の両親」を持ち上げています。

謙譲語にはこういうケースがあるのも一応知っておくといいでしょう。

謙譲語の動詞の使い方と特徴

謙譲語の動詞は数が少ない

謙譲語の動詞は種類がたくさんあるわけではありません。

謙譲語の動詞の例

通常の言葉 謙譲語
주다
(あげる)
드리다
묻다
(たずねる)
여쭙다
여쭈다
보다
만나다
(会う)
뵙다
뵈다
안내하다(案内する)
데리다(連れてく)
돕다(手伝う)
모시다

드리다はそのまま用いることもあれば、도와드리다のようにして使うこともあります。

결제는 어떻게 도와 드릴까요?
お支払方法はいかがいたしますか?
여쭙고 싶은 게 있어서 전화 드렸습니다.
ちょっとお尋ねしたいことがあってお電話いたしました
영상으로는 이 요리의 냄새까지 전해 드릴 수 없는 게 아쉽네요.
映像ではこの料理の匂いまでお伝えできないのが残念ですね

また모시다はニュアンスが一つだけではありません。

・お見送りする
・お連れする
・ご案内する

一つの言葉でいくつかの場面に使えるので、知っておくと便利な言葉になります。

「-겠」と一緒に使うことが多い

謙譲語は-겠と一緒に使うことも多いです。

공항까지 제가 모시겠습니다.
空港まで私がお送りいたします
다음 시간에 뵙겠습니다.
次の時間に会いましょう
스케줄이 확실해지면 바로 알려드리겠습니다.
スケジュールがはっきりしたらすぐお知らせいたします

드리다と-겠の組み合わせは定番のパターンですが、-겠にも謙譲のニュアンスは含まれています。

そのため一緒に使えば、より丁寧な文になります。

謙譲語の名詞はなじみのものが多い

数が少ないので覚えやすい

謙譲語の名詞もよく使うものは多くありません。

謙譲語の名詞の例

通常の言葉 謙譲語
우리 저희
말씀

ほとんどが自然に覚えている単語だと思います。

안내 말씀드립니다.
ご案内申し上げます

ちなみに말씀は尊敬語と謙譲語の両方に用いられます。

말씀하시다:おっしゃる(尊敬語)
말씀드리다:申し上げる(謙譲語)

どちらなのかを間違えないように気を付けましょう。

我が国は「우리 나라」

「我々、私たち」を意味する우리の謙譲語は저희です。

저희 회사는 반도체 분야에서 높은 기술력을 자랑하고 있습니다.
わが社は半導体分野で高い技術力を誇っています

したがって企業であれば「저희 회사」のように表現します。

우리 나라는 자원이 풍부하지 않습니다.
わが国は資源が豊富ではありません
저희 나라는 자원이 풍부하지 않습니다.
わが国は資源が豊富ではありません (×)

しかし国の場合は「저희 나라」とは言いません。

これは国同士に優劣をつけることはないからです。
※外交上の力関係は別の話です

したがって我が国は우리 나라となります。

謙譲語は尊敬語に比べて覚えやすいと思うので、いろいろ練習してみましょう。