目上の人との会話で必要になる尊敬語。

相手を持ち上げるイメージが強いですが、尊敬語は主語を持ち上げる表現をいいます。

韓国語の尊敬語には-시を使って対象となる人の動作や状態を持ち上げる方法と尊敬語の語彙を使う方法の2つがあります。

「-시」を使った尊敬語

動詞に「-시」をつける

動詞に-시を付けて、持ち上げるべき人の「動作」を尊敬語にします。

어머니는 매일 책을 읽으세요.
母は毎日本をお読みになります

-시が付くことで語尾が変わったりするわけですが、話相手を持ち上げることもあれば、第三者に尊敬語を使うこともあります。

相手を持ち上げる場合

어디 가시는 거예요?
どこかお出かけですか?
장 보러 마트 좀 갔다오려고.
買い出しにちょっとマートまでね

ここでは가다に-시をつけることで、話相手を持ち上げているのがわかると思います。

第三者を持ち上げる場合

선생님이 안 보이시네, 오늘은 안 나오시나?
先生がいないけど、今日は来ないのかな?
선생님은 늦게 오신대요.
先生は遅れて来るって

話の場に先生がいないように、持ち上げる対象と話し相手が一致しないこともあります。

形容詞に「-시」をつける

形容詞に-시をつけて、その人の「状態」を尊敬語にします。

요즘 많이 바쁘신가 봐요.
最近お忙しいようですね
정말 괜찮으신 겁니까?
本当に大丈夫なんですか?

바쁘다や괜찮다は状態を表す言葉ですが、これを尊敬語にすることで、対象となる人を持ち上げます。

動詞や形容詞に-시を使う方法は以下のページも参考にしてください。

「-세요」と「-십니다」の違いは?

-세요は-시を使った尊敬語を「-요」で表現したものです。

지금은 서울에 사세요?
今はソウルにお住まいですか?
이거를 한 번 읽어 보세요.
これを一度お読みください

-시に-어요で-셔요だったのが、発音が変化して「-세요」で定着しました。

そして-시を-ㅂ니다にすると、以下ようになります。

부모님은 어디에 사십니까?
ご両親はどちらにお住まいですか?
적어도 세 번 이상 읽어 보십시오.
少なくとも3回以上お読みください

-세요と십니다は文に合わせた語尾をいつでも使い分けられるようになりましょう。

尊敬語の語彙と種類

「-님」をつけるのは定番

対象となる人を持ち上げるために使われる特別な言葉が尊敬の語彙です。

代表的なものは役職や地位などの後ろに付ける-님です。

役職や地位などに-님を付ける

:お客様
고객:顧客
선생:先生
과장:課長
사장:社長
대통령:大統領

お客を意味する손に-님が付いたのが「손님」です

-님は尊敬の語彙の中では一番簡単ではないでしょうか。

자주 이용해 주시는 특별한 손님은 ‘단골’이라고 불립니다.
頻繁にご利用いただいてる特別なお客様は「常連」と呼ばれています

また今でこそ태동령님が使われますが、昔は大統領のことを각하と呼んでいました。

각하께서 기다리고 계십니다.
(大統領)閣下がお待ちです

「大統領閣下」だったのです。

映画やドラマ以外ではなかなか見ない言葉になりましたが、個人的には閣下の方がカッコいい感じがします。

尊敬の助詞を使った表現「께서、께」

尊敬の助詞を使う方法もあります。

:~に
께서:~が
께서는:~は

尊敬の助詞は-님と一緒になることが多いです。

사장님께서는 11시에 오실 겁니다.
社長は11時に来られます
이걸 김과장님 전해주시겠습니까?
これをキム課長に渡していただけますか?

-이/가や-은/는を尊敬格にするだけですが、尊敬語としては-님や-시でも十分なので、使う機会は多くはないでしょう。

尊敬の名詞は通常の名詞と入れ替えるだけでOK!

名詞にも尊敬語として別の言葉があれば、それを用います。

성함이 어떻게 되세요?
お名前をおうかがいします
김효진입니다.
キム・ヒョジンです

이름を尊敬語の성함に言い換える以外、特に変わることはありません。

ちなみに「山田様」のような言い方をしたい場合は〇〇손님/〇〇고객님と言えばOKです。

尊敬の名詞の例

通常の単語 尊敬語
이름 성함
나이 연세*
식사 진지*
생일 생신*
치아
말씀
그 사람 그 분
아들 아드님
따님

話し相手を持ち上げるとは限らないので、그 분のような使い方もあります。

また생신など一部(*)の語彙は年配の人にしか使わない傾向があります。

尊敬の動詞や形容詞が一番ややこしい?

動詞や形容詞にも尊敬の語彙はあります。

식후 30분마다 약 챙겨 드시고요.
食後は30分以内にお薬を飲んでくださいね
우리 아빠는 내가 어렸을 때 돌아가셨습니다.
父は私が小さい時に亡くなりました

動詞や形容詞に-시をつけて持ち上げる代わりに尊敬の語彙を使うわけですが、代表的なものは以下になります。

尊敬の用言の例

通常の単語 尊敬語
먹다 드시다
잡수시다
죽다 돌아가시다
자다 주무시다
아프다 편찮으시다
아프시다
있다
(人、もの)
계시다
(人のみ)

있다には「いる」と「ある」の2つの意味がありますが、계시다は「いる」の場合にしか使えません。

아프시다と편찮으시다の違い

아프다の尊敬語は편찮으시다ですが、-시をつけて아프시다にする場合もあります。

할아버지가 편찮으시다고요?
おじいさんの具合が悪いって?

この場合はおじいさんが主語なので、편찮으시다でおじいさん自身を持ち上げます。

할아버지, 어디가 아프세요?
おじいさん、どこが痛いですか?

痛い個所を尋ねるような時は「頭が痛い、足が痛む」のように体の一部が主語になります。

するとおじいさんを間接的に持ち上げることになるので아프시다となります。

1つの文に尊敬語がいくつも含まれる時

持ち上げる人が複数の時は?

持ち上げるべき対象になる人物が一人とは限りません。

할머니가 입원하셔 가지고 할아버지가 매일 병원에 가세요.
祖母が入院して、祖父は毎日病院に行っています

尊敬の対象となる人が複数出た時は、すべての人を持ち上げる必要があります。

そのため祖父と祖母の動作「入院する、病院に行く」の両方に-시がついています。

一人で複数の動作を行う場合は?

一人がいくつもの動作を行うなど、主語一つに対して動詞や形容詞が複数の場合はどうでしょうか。

1.아빠가 요리를 좋아해서 우리 집에서는 아빠가 요리하세요.
父が料理好きで、わが家では父が料理をします (基本)

2.아빠가 요리를 좋아하셔서 우리 집에서는 아빠가 요리하세요.
父が料理好きで、わが家では父が料理をします (ㅇ)

3.아빠가 요리를 좋아하셔서 우리 집에서는 아빠가 요리해요.
父が料理好きで、わが家では父が料理をします (×)

3番の文だけ「×」になっていますが、これは主語が同じなら最後に来る用言を持ち上げるという原則があるからです。

文中の動詞や形容詞はどれも父のことを言っているので、すべて敬語にしてもしなくても構わないですが、最後だけは敬語にしないといけません。

どれを尊敬語にすればいいか迷ってしまった時は、持ち上げるべき人が何人いようとすべて尊敬語にしちゃいましょう。

これでとりあえず失礼はなくなります!