「朝飯前」とは、朝起きてから朝食までの間にする一仕事から由来する言葉です。
空腹で力が入らない状態でもできる、軽い仕事や簡単な作業という意味から、難しくないもの、手間のかからないものを指す言葉として定着しました。
今回はそんな「簡単なもの」を意味する韓国語を集めて、その中から朝飯前のイメージのに合うものを勝手に選んでみました。
「簡単」を意味することわざや慣用句
무른 땅에 말뚝 박기(柔い地面に杭を打つ)
文字通りやわらかい地面に杭を打ち込みますが、地面に食い込んでいきやすいので、確かに簡単そうです。
作業としては難易度も低いので、朝食前のニュアンスに適していそうです。
しかし地面がやわらかければ、せっかく打ち込んだ杭もすぐに抜けてしまいます。
そんな場所にテントを建てた日には、せっかくのキャンプも台無しに終わりそうです。
かえって余計な仕事を増やすようなら、初めからやらない方がマシでしょう。
식은 죽 먹기(冷めたおかゆを食う)
熱くないおかゆなら、一気に口に詰め込んでも、やけどの心配はありません。
間違いなく「簡単」ですが、日本語のイメージと由来に照らし合わせて見たときにはどうか。
いくら簡単とはいっても、朝飯前とは朝食前の一仕事。
ちょっと由来から離れてしまうので却下です。
ところで冷めたおかゆとはいえ、詰め込み過ぎはよくないので、落ち着いて食べましょう。
누워서 떡 먹기(横になって餅を食う)
もともと「横になって餅を食べる」ようなことができるのは、양반(両班)などの支配階級で一般人には無理で「叶わないこと」でした。
それが時代の変化で意味も変わっていったわけですが、これも식은 죽 먹기と同じく、食べちゃうので却下ですね。
横になると食べ物がスムーズに胃に流れていかないので、そのような状態で餅を食べれば喉に詰まらせる危険が高くなるかもしれません。
横になって食べるなら、ポテトチップ程度にしましょう。
땅 짚고 헤엄치기(地に手をついて泳ぐ)
地面に手をついて泳ぐ、というより泳ぐ動作をする。
確かに簡単ですが、そんなことをして何の意味があるんでしょう?
四つん這いになってクロールの動作をしている場面を想像しても微妙です。
意味のないことをしてもしょうがないのでこれも却下!
簡単という意味のその他の表現
期待していた慣用句たちが全滅?だったので、次は単語や他の表現から「簡単」を意味する言葉を見ていきます。
쉽다(容易だ)
「簡単、容易だ」を意味する쉽다。
쉽다は確かに意味としてはいいのですが、言葉通りで発想そのものが安易です。
安易に考えたらだめだよ
それに朝食前の一仕事ではないですね。
したがって、쉽다はダメということにします。
간단하다(簡単だ)
간단하다は日本語でも「簡単」と意味もそのままです。
しかしこれも쉽다と同じく、ひねりがありません。
これはすごい簡単だね
意味としては悪くはありませんが、これもダメですね。
껌이다(ガムだ)
「ガムを噛むくらい簡単さ」という余裕ぶり。
加えて朝飯前と同じく、一言で済む完結さ!
ようやく期待していた言葉が出てきた感じがします。
そんなの私には楽勝だよ
これは「朝飯前」の候補とします。
일도 아니다(仕事でもない)
こちらもちょうどいい語彙が出てきました。
일は「仕事」を意味するので、朝飯前の一仕事としてはバッチリです。
その程度のことは、私には大したことじゃないよ
일도 아니다は直訳すれば「仕事じゃない」となるので、仕事ってほどでもないというニュアンス。
簡単という意味ともマッチしているので、これも「朝飯前」の候補にしたいと思います。
最も「朝飯前」に近いニュアンスの言葉は?
「껌」と「일도 아니다」の2つがいい線をいってます。
껌はすっきりした表現ではあるものの、完結すぎて朝飯前というよりは「楽勝」の方が合っている感じがします。
一方で일도 아니다はニュアンスとしてはベストな印象です。
일도 아니다:朝飯前
というわけで、今後はこれでいきたいと思います♪
実際にどれを使うかは個人の自由なので、適当に使ってください!