이왕이면 다홍치마という言葉について、その由来や意味を解説していきます。
このことわざは現在の使い方と元の意味がかなり違ったものになっています。
そのため韓国人でも本来の意味を知らないことがあります。
이왕이면 다홍치마「どうせなら赤いスカート」とは?
どんな意味で使う言葉?
同じものなら「よりいいもの」を選ぼうという意味です。
「値段の同じ服なら素材のいいものを買おう、かわいい方にしよう」
「同じお金持ちの男性ならイケメンの方がいい」
こんな感じで、より条件のいいものを選択しようというニュアンスです。
語学学校ではことわざの由来を教えない?
語学堂や韓国語学院では、ことわざの本来の意味を教えないところもあります。
例えば「昔は同じ韓服でも赤い方がより華やかでいいとされたからだよ」などと教えたりするケースです。
しかし本来はかなり違ってて、동가홍상(同價紅裳)という四字熟語が元になっています。
紅裳とは붉은 치마(赤いチマ)のことで、赤いチマのチョゴリを着ている人を表す녹의홍상(綠衣紅裳)から来ています。
녹의홍상(綠衣紅裳)すなわち「赤いチマ」が意味するものは?
Phote: 韓服 民族衣装 チマチョゴリ
녹의홍상とは연두저고리(明るいグリーンの上着)と다홍치마(赤いチマ)を表し、この組み合わせのチョゴリを着ていた人は「若い女性」でした。
つまり녹의홍상とは未婚の若い女性を象徴する言葉で、同價紅裳(동가홍상)とは「女性は紅裳を着ている(若い)方がいい」という意味です。
早い話、当時の男性が一般的にどんな女性を好んだのかを表した言葉です。
もとの意味は差別的な言葉にもなりえるので、語学学校では詳しく教えないのでしょう。
似た意味のことわざは?
似たニュアンスを持つ韓国語
部分的に他の言葉を使ったりしますが、ことわざそのものの意味は変わりません。
기왕이면 다홍치마.
どうせなら赤いチマ
같은 값이면 다홍치마.
同じ値段なら赤いチマ
現在は本来の意味を知らない人も増えつつあり、ことわざに対するとらえ方もかなり変わってきました。
日本語などにも同じような言葉はある
同價紅裳を文章で表現したのが「이왕이면 다홍치마」ですが、日本語にも似たような言葉はあります。
女房と茄子は若いほうがいい
しかし一方で反対の言葉もあります。
女房と味噌は古いほどいい
あるいはフランスにも「女性とワインは古いほうがいい」ということわざがあり、考え方は人それぞれです。
今と昔の韓服の違い
チョゴリの色と着ている人のイメージ
赤いチマが若い女性を象徴するように、チマチョゴリの色と着ている人には関連姓があります。
청상(靑裳):青いチマ
홍상の対になる言葉が청상で、赤いチマと青いチマを着ていた人は次の通りです。
紅裳(赤いチマ)を主に着ていた人
처녀=年頃の未婚の女性
靑裳(青いチマ)を主に着ていた人
과부=未亡人
기생(妓生)、기녀(妓女)※
※日本でいう芸妓、芸子
かつては赤いチマと青いチマで、このようなイメージがありました。
また青いチマチョゴリを着ていた人でも、기생(妓生)、기녀(妓女)などと呼ばれる人たちは伝統舞踊や音楽、教養など「高度な教育」を受けた人達です。
そのため身分上は奴隷のように低いランクに位置していましたが、特別な扱いを受けていました。
新しいスタイルの「生活韓服」の登場
現代では伝統行事や結婚式など、特別なイベントや行事がない限り、韓服を着る機会はなくなってきています。
しかしそんな中、韓服を着る機会を少しでも増やそうと新しいスタイルの韓服が出てきました。
それが생활한복(生活韓服)です。
従来の韓服に洋服のカジュアルさを取り込んだもので、裾が短く動きやすくなっているのが特徴です。
通気性の良い素材を使用することで、伝統韓服に比べて着心地も良くなっています。
ことわざの中には昔の時代背景を映しているものも多く、当時のニュアンスがそのまま現代に通じるとは限りません。
今では韓服もさまざまなデザインのものが作られ、服の色と着用する人のイメージは関係ないと言えます。
韓服を着る機会がある人は自分が着たい色のものを選びましょう。