口語では発音の省略や簡略化がよく起こります。

これは短く端的に言いたいことを伝えるためでもありますが、よくある発音の省略や簡略化のパターンを紹介していきます。

これを押さえておくと、略語や流行語もなどが覚えやすくなるだけでなく、聞き取りも楽になります。

-입니다によく見られる「이다」の省略

「이」の発音が無くなってしまう

会話では-이다の「이」が省略されることがあります。

저기가 내가 다니는 삽니다.
あれが私が通っている会社です
나는 세무사가 아니라 회계삽니다.
私は税理士ではなく会計士です
지도상으로는 학교의 위치는 깁니다.
地図上では学校の位置はここです
그 손에 들고 있는 게 뭡니까?
その手に持ってるのは何ですか?

パッチムのない名詞に-입니다が加わる時、이が省略されているのがわかると思います。

-입니까も-이が省かれ、-ㅂ니까になっていますね。

なぜ「이」の発音が省略されるの?

韓国語の発音には「母音衝突回避」というものがあります。

これは活用などの際に母音が2つ続くと1つは脱落するというものです。

가요→아요=가요
써요→어요=써요
꺼요→어요=꺼요

同じ母音や弱い音が省かれることによって「가다→가요、쓰다→써요」などになるわけですが、似たようなことが-이다の時にも起こります。

학교이다
학ㄱ +
이다 = 학교다

의사입니다
의ㅅ+
입니다 = 의삽니다

名詞の母音と이다がぶつかることで、-이다の「이」がなくなります

重複する母音をなくすことで発音が簡略化されるわけです。

助詞の省略や短縮

助詞を省略しても内容は通じる

会話の中では助詞が省略されることもよくあります。

이거(는) 무슨 색깔이에요?
これ何色ですか?
뭐라고 표현(을) 하기가 어렵네요.
なんとも表現しにくいですね
세탁기 내부(를) 청소하려면 어떻게 해야 해요?
洗濯機の内部掃除するにはどうすればいい?

意味さえわかれば限界まで表現を短くすることも、口語ではめずらしくありません。

できるかぎり口を動かす回数を減らすことで効率よく意思を伝えようという、口語ならではの特徴です。

短縮した助詞がパッチムに残る

助詞の省略だけでなく、短縮されるパターンもあります。

집에 저 혼자 있을 때가 많습니다.
家では僕一人でいることが多いです
(집에서는)
컴퓨 어디서 어떻게 배우셨어요?
パソコンをどこでどのように習われたんですか?
(컴퓨터를)
오늘은 집에서 자전 타고 왔습니다.
今日は家から自転車に乗ってきました
(자전거를)

-은/는や-을/를で短縮が起こると、ㄴやㄹが部分的にパッチムとして残ります。

これら助詞の省略は短縮は、こうすれば韓国人にとっては楽とだけ覚えておけば十分です。

外国人にはむずかしいこともあるケース

頭文字をとった漢字語の略は覚えやすい

教科書に出てこない、外国人が苦戦する言葉の代表と言えば、略語ではないでしょうか。

학식에서 제일 인기 많은 메뉴가 순두부예요.
学食で一番人気のメニューはスンドゥブです
(학생식당 → 학식)
공정위가 상조업체에 처음으로 영업정지 명령을 내렸습니다.
公取委が葬儀会社に初めて業務停止命令を下しました
(공정거래위원회 → 공정위)

略語で一番多いのは頭文字などを組み合わせるケースで、漢字語の一部を略した言葉などはわかりやすいと思います。

頭文字を組み合わせた略語の例

심히 부 → 열공
一生懸命勉強

다 → 먹튀
食い逃げ

전 → 버카충
バスカードチャージ

뎅+복이+대 → 오떡순
おでん+トッポギ+スンデ

경+드름+지 → 안여돼
メガネ+ニキビ+ブタ

組み合わせによっては一般の韓国人もわからない言葉はあるので、無理に覚えなくても大丈夫でしょう。

教科書にない短縮や発音の変化は雰囲気で判断

教科書にない短縮や発音の変化もあります。

이게 먼지 알아요?
これ何かわかる?
(뭔지→먼지)※二重母音が単母音に
고민하지 말고 느낌으로 골라 봐요.
悩まずに感で選んでみなよ
(그냥→걍)
직장생활이 힘들어서 그만두고 싶어요.
会社員生活が大変で辞めたいです
(너무→넘)

はやく話そうとするほどこういう傾向は出るものの、個人差はあるので必ずこうだというものではありません。

しかし教科書通りに勉強した外国人にとっては「???」となるものもあるでしょう。

カカオトークやラインのようなメッセンジャーアプリでは自分の普段の発音をそのまま文字として打ち込んでいく人も多いので、こういう言葉が出てきたりします。

中には本当に韓国語なの?と思ってしまうものもあり、いい大人が使うには微妙な言葉もあったりします。

とは言いつつも、こういう言葉を外国人が使ったら面白いかもしれません。