韓国語を学んでいる人が間違えやすいのが「助詞の使い方」です。
いつどのような時に、どの助詞を使えばよいのか、迷ってしまう人は多いと思います。
そこで今回は、韓国語の助詞の基本的な使い分けをまとめてみました。
韓国語の「~が」
主語に使うことが多い「-이/가」
主語に使われることが多い助詞で、日本語の「~が」に相当します。
ここはチゲが本当においしいんです
もうガス欠です
組み合わさる名詞に対して、パッチムのあるなしで-이/-가を使い分けましょう。
「-이/가」に見えても違うケース
助詞-이/가にのように見えながらも使い方が全く異なるケースもあります。
幼い時の夢は消防士になることでした
되다と一緒に使う-이/가がそうです。
あるいは呼び捨てのような言い方として、名前に-이が付くこともあります。
ヨンシルが見当たらないけどどこ行ったの?
これは接辞とよばれるもので、言いやすくするために-이が入ると思えばいいです。
名前に-이が付くことでパッチムがない状態と同じようになり、-가や-는などの助詞を使うことができます。
主語が団体の場合は「-에서」
「団体」が主語になる場合、助詞に-에서を使うこともあります。
会社が補償金を支給してくれるそうですよ
学校で面接をするって聞きました
日本語も団体が主語の場合に「~で」を使うことがあるのと同じですね。
とは言っても、必ず-에서を使わなくてはいけないというものでもありません。
尊敬語の場合は「-께서」
-이/가を敬語で使いたい時は-께서になります。
さっき教授がいい話をされました
ただ日常会話で-께서を使う場面は少ないと思います。
というのも特別に持ち上げなければならない相手でもない限り、使う必要がないからです。
課長はどちらへ行かれたんですか?
-님が付いているだけでも尊敬語としては十分なので、よほどの人でない限り-께서を使わなくても問題ありません。
韓国語の「~は」
「-은/는」も使用頻度が高い助詞
日本語の「~は」に相当する助詞が-은/는です。
これは済州島で採れたみかんです
秋の雪嶽山は登山を楽しむ人たちであふれかえります
日本語とほぼ同じような感覚で使うことができます。
ただし日本語では「~は」を使うのに、韓国語では-은/는を使わない時があります。
より自然に助詞を使いこなすためには、-이/가と-은/는の使い分けも知っておくといいでしょう。
尊敬語の場合は「-께서는」
-은/는を敬語で使う時は-께서는となります。
社長は外出中です
これも-께서と同じく特別に尊敬している人に対してのみで十分なので、普段は使わなくても構いません。
もちろん個人的にリスペクトしている人がいるなら-께서는を使ってもOKです。
韓国語の「~に」
時間や場所には「-에」
「~に」には-에を使い、終着点となる場所や時間を表します。
今週からプサンに出張に行きます
明日は午後2時半に来てください
弟は10年前からアメリカにいます
パッチムの有無も関係なくそのまま使えるのでシンプルです。
ちなみに目的地を示す場合に限り、-에の代わりに-로を使うこともできます。
来月インドに旅行に行きます
この場合-로の前に入るのは「場所」になります。
人に対して使う場合
人に対して使う「~に」は-에게になります。
父からそういう話を聞きました
これをあの人に渡してもらえる?
こちらもパッチムの有無は関係ありませんが、文脈によっては「~から」のような文になります。
時間や場所には-에、人には-에게と覚えましょう。
人に対してのみ使える「-한테」
人に対してのみ、-에게の代わりに-한테を用いることもできます。
彼からプレゼントもらいました
お母さんにあげるプレゼントを探しにデパートに行きます
-한테は口語に用いられ、-에게は文語での使用がメインになります。
ちなみに-한테や-에게を尊敬語にしたい場合は、-께にしましょう。
乗り物に乗る場合は「-을/를」
乗り物などに使う「~に」には-을/를を使います。
ソウルから高速バスに乗って来ました
汽車に乗らないと時間がかかるよ
乗り物の-을/를はそのまま覚えましょう。
韓国語の「~で」
場所を表す「-에서」
場所を表す「~で」には-에서を使います。
カフェでコーヒー飲みながら勉強しています
小さい時学校で食べたあの味です
場所は小さいエリアから大きい地域まで様々です。
根拠を表す時にも使う「-에서」
話のネタや材料といった情報の根拠を表す時にも-에서を使うことがあります。
ブログでおいしい店だって出てたよ
銅メダル取ったって、ニュースで見たよ
日本語でも「新聞で読んだ、テレビで見た」といった言い方はするので、似ているのではないでしょうか。
金額の基準や料金を支払う時の目安の「-에」
金額の基準を話す時に「~で」と言ったりしますが、この時に使うのが-에です。
高級ホテルに泊まるなら一泊でいくら程度必要ですか?
このエリアのカラオケは平均1時間で1万ウォンくらいです
料金を支払う時の目安として、こういう言い方は必須ともいえるので、必ず覚えておきましょう。
韓国語の「~から」
時間や行動の範囲・順番には「-부터」
「〇〇から△△まで」のような表現には-부터が使われます。
1時から会議を始めます
今日は136ページから勉強します
부터は時間や動作の範囲、順番を表す場合に用います。
場所や動作の出発点・基準点・スタート地点「-에서」
ものごとの基準点や出発点には-에서/서を使いましょう。
ここから行けば遠くはないはずですよ
ソウルからプサンまでどのくらいかかりますか?
気温が10度からマイナス5度まで下がりました
-에서を短くすると-서になります。
韓国語の「~の」
省略されることも多い「-의」
日本語の「~の」に相当し、後ろにくる単語の所有、所属、属性、方向、特性などを表します。
ソウルの冬はとても寒いです
この本の内容は私には難しいです
関係ないことしてたら前の車に突っ込んだそうです
日本語と違うのは省略されることが多いことです。
「-의」の省略ができない場合
次のような場合は-의の省略ができなくなります。
의の省略ができないケース
1.数を表す時
네 개의 사과
4個のりんご
딱 하나의 희망
たった一つの希望
2.比喩的な表現
침묵의 시간
沈黙の時間
3.後ろの名詞を説明する一部分
일본의 눈이 많은 지역.
日本の雪が多い地域
범인의 뻔뻔한 태도.
犯人の図々しい態度
簡単に言うと、-의が抜けると文の意味がおかしくなってしまう場合、省略はできなくなります。
「-의」は1つの意味だけではない?
-의が使われた文ではニュアンスが複数になる場合もあります。
例えば「친구의 편지」という言葉には次のような意味が含まれています。
2.友達が書いた手紙
3.友達が持っている誰かの手紙
どういったニュアンスになるかは場面によって変わります。
こういうケースに遭遇した時は文の前後などから意味を把握しましょう。
その他の助詞「~を、~と」
目的語に使う「~を」
「~を」に相当する助詞には-을/를を使います。
キムパプを三つで2000ウォンで買いました
ワクチンを打とうと病院に電話して予約しました
会議を終えた後、帰国する予定です
いわゆる「目的語」に当たる表現です。
ただ-을/를を「~を」に訳せないケースもたくさんあります。
その場合は「-를 ~다」のようにまとまりとして表現を覚えてしまうのがいいでしょう。
複数を表す「-와/과、-하고、-랑」
複数の「~と」を表す助詞には-와/과、-하고、-랑が使われますが、使う場面が変わってきます。
-하고:口語での使用が多いもののオールマイティ
-랑:プライベートな場面で使う話し言葉
強い雨と風を伴う天候が予想されます
これとあれは値段が違います
ちょっと話があるんだけど
-와/과や-하고はニュースなどで頻繁に出てきます。
また注意しておくべきことは-랑は文語で使わないことです。
よく使う助詞の一覧
助詞 | 意味 | 例 |
---|---|---|
-이/가 | ~が | 친구가 선생님이 |
-은/는 | ~は | 친구는 선생님은 |
-와/과 -하고 -랑 |
~と | 친구와 선생님하고 친구랑 |
-을/를 | ~を | 친구를 선생님을 |
-부터 | ~から (範囲、順番) |
1시부터 1페이지부터 |
-에서 | ~から (出発点) |
학교에서 |
-에서 | ~で (場所) |
학교에서 |
-에서 | ~で (根拠) |
뉴스에서 |
-에 | ~で (基準) |
한 달에 다섯 개에 |
-에 | ~に(時間) ~に(場所) |
1시에 학교에 |
-에게 -한테 |
~に(人) | 선생님에게 친구한테 |
-을/를 | ~に(乗り物) | 버스를 지하철을 |
-의 | ~の | 친구의 |
日本語と同じ使い方をする助詞もあれば、同じ意味でも異なる助詞を使う場合もあります。
また「人、物、場所、時間」などによっても、組み合わせる助詞は変化します。
数も多いので少しづつ覚えていきましょう。