韓国語で目的語を表す助詞といえば-을/를です。

-을/를は他動詞と一緒に使われ「~を」と訳すことが多いですが、すべての-을/를が「~を」になるわけではありません。

そこで-을/를がどのような場面で使われるのかを解説していきます。

하다を使う語彙はほぼ「~を」に訳せる

하다動詞を分離して使う

-을/를を「~を」に訳せるケースで代表的なものは하다動詞を分離した時です。

전 주말에 자주 요리 해요.
週末は私が料理をします
아침마다 청소와 빨래 해요.
毎朝、掃除と洗濯をします
기말고사가 다가오고 있어서 계속 공부 했어요.
期末試験が近づいているので、ずっと勉強しました

動作や行動そのものを表す時で、何をするのかを表現します。

もちろん하다を分離せず「요리하다、공부하다、청소하다」のように使っても意味は通じます。

하다と一緒に使う名詞に対して「-을/를」を用いる

하다動詞ではないけれども似たような使い方ができるケースです。

설거지하면 씻을 거예요.
洗い物を終えたら風呂に入ろうと思います
자격증시험이 끝나면 게임 하고 싶어요.
資格試験が終わったらゲームがしたいです
저는 일주일에 세 번 공원에서 달리기 해요.
僕は1週間に3回、公園でランニングをします

こうした名詞は하다と一緒に用いることが多いので、大抵は「~をする」という文になります。

하다を使わないけど「~を」に訳せる

動作の対象を表す言葉に「-을/를」を使う

하다を使うわけではないものの目的語になることが多い言葉はたくさんあります。

기념행사로 나무 심었어요.
記念行事で木を植えました
점심시간에 밥 먹고 커피 마셨습니다.
昼休みにごはん食べてコーヒーを飲みました
고기와 두부 넣어서 찌개를 만들었어요.
お肉と豆腐を入れて、チゲを作りました

日本語でも「○○を~する」という文になるので、わかりやすいパターンではないかと思います。

使い方が決まっているケース

慣用句のように使い方が決まっているものもあります。

저는 보통 12시 쯤 자요.
私は大抵12時ごろ寝ます
어젯밤에 이상한 꿨거든요.
昨日の晩、変な夢を見たんです
상우씨는 잘 추고 노래도 잘해요.
サンウさんはダンスができて歌も上手いです
잠을 자다:眠りにつく
꿈을 꾸다:夢を見る
춤을 추다:踊りを踊る

ちょっと訳しにくいものもありますが、いずれも-을/를を使う構文になっていることがわかると思います。

基準点や出発点を示す

基準点や出発点などについて話す時にも-을/를が使われます。

부산 출발해 서울로 올라갑니다.
釜山を出発して、ソウルに行きます
12시 기준으로 할증요금이 적용돼요.
12時を基準に割増し料金が適用されます
5년전에 고향 떠나 서울로 올라왔습니다.
5年前に故郷を離れてソウルにやってきました

「~を出発して」や「~を基準に」などは日本語にそのまま訳せるので、覚えやすいのではないかと思います。

「~を」に訳せないが、助詞を間違えても比較的通じる文

動作の対象でも「~を」に訳せないケース

動作の対象を表す場合でも次のようなケースでは日本語と助詞が異なります。

왜 여자친구가 화냈는지 그는 이유 모르고 있어요.
なぜ彼女が怒ったのか、彼は理由がわからないでいます
방학은 친구 만나고 여행도 갈 거예요.
休みは友達に会って、旅行にも行きます
발음연습은 선생님이 하는 따라 하면서 해 보세요.
発音練習は先生に続いてやってみてください

日本語にすると「~に」や「~が」になるケースですね。

逆に韓国人が日本語で話す時もこれらは間違えやすくなります。

場所や目的地を指す場合

가다/오다/다니다など移動を意味する言葉と使う時は-을/를が「行き先」を表したりします。

시장 가서 반찬을 사왔거든요.
市場に行っておかずを買ってきたんです
회사 다니면서 영어를 공부해요.
会社に通いながら英語の勉強をしています
학교 갈 때 항상 음악을 들어요.
学校に行く時いつも音楽を聞きます

-을/를を「~を」に訳せない文は日本語で考えると難しくなってくるでしょう。

行動に数字が関わると助詞がなくなる?

行動に「数字に関する表現」が加わる時も注意しましょう。

아침에 딸기 열  먹었습니다.
朝にいちごを10個食べました
시계가 3분 빨리 가네요.
時計が3分進んでますね
운동장에 가서 10킬로미터 달렸습니다.
グラウンドに行って10km走りました

日本語では助詞が省略されたりもします。

ただ全体としては日本語と似たような文になるので、助詞を多少間違えても通じるでしょう。

日本語で考えるのが難しいケース

そこに「何をしに行くのか」を表す

「~しに行く」のような文で、目的地ではなく「何をするのか」を表します。

친구와 설악산에 등산 가려고 합니다.
友達と雪嶽山に山登りに行こうと思います
낚시 가려면 아침 일찍 가는 게 좋다고 해요.
釣りに行くなら、朝早く行くのが良いそうですよ
훈련 가면 며칠 동안 연락이 안 됩니다.
訓練に行けば数日間連絡が取れなくなります

これも-을/를の難しいパターンではないでしょうか。

「何をするのか」がはっきりしなくなる場合もある

「~しに行く」と訳すのが難しい文になると、さらに難易度が上がります。

여의도에 불꽃놀이 갔어요.
汝矣島に花火大会に行きました
한번 만큼 해외여행 보고 싶어요.
一度くらいは海外旅行に行ってみたいです
은경씨는 여름휴가 갔습니다.
ウンギョンさんは夏季休暇を取りました

花火大会や海外旅行ならそこで何をするのかある程度わかる気もしますが、休暇などになるとちょっと難しいかもしてません。

休暇の場合「地元に帰省するのか、別荘などで静養するのか、遊びに行くのか」など、細かいことはともかく、長期の休みを利用して出かけると考えるといいでしょう。

材料や手段などを表す場合

材料や道具、手段などに「何を使うのか」話をする時も-을/를が使われます。

이 붉은 치마로 만듭니다.
この赤い布地をスカートにします
명동까지는 지하철 갈아타면서 가요.
明洞までは地下鉄に乗りかえながら行きます

‘버스를 타다’のように交通手段に-을/를を使うことがあるのは知っている人も多いかもしれません。

자가용 가지고 여행을 다니는 것도 재미있을 거예요.
自家用車で旅行して回るのも楽しいと思います

こうなると「~を」に訳するのは無理がありますね。

こういう表現のせいで-을/를が難しいのではないかと思います。

-을/를はこういうものだと思って慣れるしかありません。

場面に対してどういう言い方をするのかをイメージしながら練習してみましょう。

繰り返すことで自然に適切な助詞を選択できるようになっていきます。