「材料を煮てたら焦げてしまった」
「野菜を切っていたらケガした」
-다가は何かをしていた状態から状況が変化した時によく使われます。
会話でも頻繁に出てくるのですが、その使用頻度に対してよくわからないという人も多いです。
基本的な意味と使い方は?
-다가は「未完了からの変化」
ある動作や状況が中断し、そこから次の行動などが始まることを意味します。
ものごとが最後まで進んでいないので「未完了からの変化」ということになります。
スーパーに行く途中で、友達に会ったよ
道の途中で友達に会うので、スーパーにはたどり着いていません。
先週末外出した時に財布を無くしました
外出は自宅を出てから帰宅するまでです。
出先で財布をなくしたとしても、その時点ではまだ外出は終わっていないということになります。
映画の最中に寝ちゃいました
映画の途中で眠ってしまったら、言うまでもないですね。
-았/었다가は「完了からの変化」
-다가を過去形と組み合わせて使うと、ものごとが最後まで進んでから次の状況になるというニュアンスになります。
つまり「完了からの変化」を意味します。
午前中に住民センターに行って、午後は遊びに行くつもりです
学校に行く途中ではなく、行って授業を受け、遊ぶのはそれからです。
宿を予約したけど、急に用事ができてキャンセルしました
一度は宿を手配(予約完了)したけど、後から取り消しました。
何日か置いてから食べるとさらにおいしくなるよ
数日間の時間を置いて、それから食べるとおいしくなるというのもやはり完了です。
-다가はどんな場面で使われる?
原因や理由などを表すこともある
-다가や-았/었다가には後ろに来る内容の原因を表すこともあります。
ミンスは無理して働いたせいで倒れたよ
無理してずっと仕事をしていたら倒れたので、-다가(未完了)が使われています。
スピードの出しすぎて事故を起こしてしまったそうです
スピードをどんどん出して走ってたら事故ったという文に細かい説明は必要ないでしょう。
病院に行って出勤時間に遅れても無断遅刻になるんですか?
通院のため遅刻したわけですが、診察を終えてから学校や会社に行くので、-았/었다가(完了)になっています。
2つ以上の動作を交互に繰り返す
-다가は2つ以上の状況が何度も入れ替わる時にも使われます。
バスが故障したのか進んだり止まったりしてるよ
人は泣いたり笑ったりを繰り返しながら生きてるんです
恋人はいたりいなかったりです
走ったり止まったり、泣いたり笑ったりといった表現を見れば、そこまで難しい使い方ではないと思います。
-다가を使った文の特徴や注意点
文の前後で主語が一致しなければいけない
-다가を使った表現は、-다가の前と後では主語が同じになります。
以前は外食ばかりだったけど、最近は自分で料理して食べてます (ㅇ)
主語は省略されていますが、以前と最近の自分についての話していますね。
ミンスが無理して、ヨンジュが病気になったよ (x)
ミンス自身が無理をして体を壊したのであれば話はわかります。
しかし「ミンスが無理をすること」と「ヨンジュが病気になること」は全く関係ありません。
学校に行く途中で、友達が交通事故に遭いました (x)
「私が学校に行く途中で事故に遭った」のならともかく、友達が事故に遭ったのでは文がおかしくなります。
-다가の가が省略されることがある
-다가は가が省略された状態にもなります。
包丁を使ってて手をケガしたんです
季節の変わり目だからか、寒くなったり暑くなったりします
最近は仕事で韓国と中国を行き来してるよ
「行ったり来たり」を意味する왔다 갔다もこのパターンですね。
가がなくなっても文の意味自体は変わりません。
意味を強調するために「-는」がつくこともある
-다가は意味を強めるために-는が付くこともあります。
すずめを捕まえたけど、そのまま逃がしてやりました
無理して走ってたら膝の炎症が悪化するかもしれませんよ
あなたこのままだと風邪ひくよ
雨に打たれて全身が濡れているのか、それともシャワーを浴びたのに髪をちゃんと拭いていないのか。
いずれにせよ「そのままの状態」では風邪をひく原因になるかもしれないことを-는によって強調しています。
あくまで強調するためなので、-는が無くても意味は同じです。
-다가と-았/었다가がややこしくなる理由
-다가なのに「完了」の文もある?
-다가は状況が途中で変わる未完了からの変化ですが、-다가でも完了のような意味になることがよくあります。
空が晴れていたのに急に曇ってきたよ
空が晴れていたのに急に雨が降ってきたよ
雲は突然現れるのではなく徐々にできるものなので、時間の経過につれ空が雲で覆われていきます。
晴れの状態を「ここまで」と明確に区切ることはできないので、맑다가と맑았다가のニュアンスの違いは事実上なくなるわけです。
未完了と完了の違いがなく、区別するのが難しい
未完了と完了に違いがほぼない場合、-다가と-았/었다가どちらを使ってもよくなります。
彼と3年付き合って結婚しました
彼女と2年付き合って別れました
いつの間にか付き合っている人もいれば、だんだん疎遠になって自然消滅するカップルもいるように、付き合っていた時期をはっきりと区切るのが難しい場合もあります。
アメリカで10年暮らして韓国に来ました
中国で5年暮らして、その後シンガポールに行きました
人によってはいつからいつまでを海外で暮らしていた時期と区切るのが難しい場合もあるでしょう。
こういうのは言いまわしがちょっと違うだけと考えましょう。
本人の中では「まだ続いている」と考えてみる
完了に見える文でも-다가を使うケースもあります。
辛ラーメンは麺を食べた後、ごはんを入れて食べると超美味しいんですよ
麺を全部食べてからご飯を入れるのなら먹었다가じゃないのと思うかもしれませんが、먹다가の方をよく使います。
これは麺を食べきったとしても食事そのものはまだ終わっていないので、-다가を使うと考えましょう。
-다가と-았/었다가の文は基本的にはまったく意味が違うものの、未完了と完了の区別があいまいなケースもあるせいで、使い方がわかりにくくなるのではないかと思います。
いずれも慣れは必要なので、数をこなしていきましょう。