推測や予想など「~と思う、~のようだ」といったニュアンスを持つ-것 같다の文。
-ㄴ/은など動詞や形容詞の連体形と組み合わせることで、さまざまな文に使われます。
今回は-것 같다のいろんなパターンを練習してみましょう。
過去のことについて話す時の「-ㄴ 것 같다」
すでに起こった出来事を推察する
動詞の過去連体形-ㄴ/은と組み合わせたのが、-ㄴ 것 같다です。
彼は私に関心がなくなったみたいです
さっき何か通りす過ぎた気がするんだけど
保育園に子供を迎えに行くと言ってたから、多分先に退勤したと思います
痕跡や状況証拠、人の行動などをもとに、すでに起こった出来事について話します。
そのため「~したようだ、~したみたい」といった推測の話になります。
意見や考えを表す「~な気がする、~と思う」
-ㄴ 것 같다は思っていることや感じていることを話す場合もあります。
今日に限って、化粧のノリが悪い気がするなあ
何か忘れてると思うんだけど… 何だろう?
この写真は本当によく撮れてると思うので、SNSに上げるつもりです
ただし推測と同じくはっきりと断言するわけではないので「~な気がする、~と思う」というニュアンスになります。
形容詞や名詞には「-았/었던」を使おう
形容詞や名詞を組み合わせたい時は-았/었던を使いましょう。
その時はいつもよりも忙しかったと思います
ついこの間まですごい暑かったのに、もう肌寒いですね
ここは昔工場だったようです
名詞には-이다を連体形にしながら使います。
また-았/었던を使うと、過去と現在の状態が異なっているというニュアンスになります。
形容詞や名詞で現在の話をする際の「-ㄴ 것 같다」
「現在の状況」について推測しながら話す
形容詞の-ㄴ/은と組み合わせても-ㄴ 것 같다になります。
ミンスは最近連絡が取れなくて、たぶん忙しいんだと思います
外まで人が並んでいるから、あの冷麺店は混んでいるようです
「なかなか連絡が取れない、外まで人が並んでいる」といった情報をもとに、状況や状態を推測して話していますが、ポイントは自分の目で直接確認していないことです。
合格率は1%未満っていうから、本当に難しいようです
「合格率1%未満」という話を聞いて、パスするのは難しい試験だと考えてますが、実際に受験したわけではありません。
あくまでも自分の考えや予想について話します。
名詞と使えば「~だと思う」のニュアンス
名詞には이다を使うので文形は-인 것 같다となります。
あの女性はまだ20代前半だと思います
制服を着ているのを見るに高校生だと思います
周りにいい友達もいっぱいで、私はどうやら恵まれてる人間のようです
文は「~だと思う」のようなニュアンスですね。
ただこれも自分が思っていること話すという点では、形容詞の場合と変わりはありません。
自分だけの感覚を伝えることもできる
-ㄴ 것 같다でも感じていることを伝える場合はあります。
ソヨンさんはちょっと気が強いと思います
今年の秋は昨年に比べてひんやりする気がします
歩く時に膝が少し痛む感じがするんです
他人にはわかりにくい、自分だけの感覚を伝える時にも役立ちます。
そのため「だるい感じがする、痛みを感じる」といった症状を医者に訴えたりしてもいいですね。
動詞の連体形でも現在の話はする「-는 것 같다」
直接見ていないので「推測」に基づく話になる
動詞の連体形と組み合わせた-는 것 같다にも推測のニュアンスはあります。
この部屋まで音が聞こえるようなら、雨が強く降っているようです
成績もすごい上がってるし、ミンスは最近熱心に勉強してるみたいだね
良い評価が多いのを見るとあの塾では体系的にちゃんと教えているようです
雨の音を聞いて「強く降っている」と判断したり、友人の成績が上がっているのを見て「熱心に勉強してるんだろう」と推察してみる。
あるいは周りの話や評判から「きちんと教えてくれる塾なんだろう」と考えてみたり、いずれも憶測の話になります。
話し手個人の「意見や考え」を表す
自分の考えや気持ちを表すことがあるのは-는 것 같다も同じです。
スヨンはパソコンに詳しいと思います
サムスンは本当によく食べると思う
私が見るにミンギさんは礼儀正しくて、誰にでも優しく接してると思います
内容は話し手の立場から見た主観的なものになるので、小食の人からすれば普通に食べる人でも大食いに見えることはあるかもしれません。
人に対する接し方も、どう感じるか、どう思うかはその人次第です。
未来の連体形と使う「-ㄹ 것 같다」
動詞と形容詞どちらもOK
-ㄹ/을が未来形と言われるように、これから起こるかもしれないこと、ありえそうなことを話すのが-ㄹ 것 같다の特徴です。
勉強しなかったら、お母さんが怒ると思います
空を見るかぎり、雨が降りそうです
そのバッグは僕には重そうです
-ㄹ 것 같다は動詞と形容詞どちらにも使います。
知ってそう?わかりそう?わかるかも?
-ㄹ 것 같다と一緒によく使う言葉に알다がありますが、これには2つのニュアンスがあります。
推測の話
ソヨンならヨーロッパの文化について詳しいと思います
この場合は推測の話なので、ソヨンに質問すれば「詳しく教えてくれるだろう、何かわかるかも」というニュアンスになります。
可能性のニュアンス
それが何かわかる気がする
何の話かなんとなくわかります
このパターンだと「わかりそうでわからないような、なんとなく理解できるような」といった微妙なニュアンスの話になります。
알 것 같다が使われている文では文脈からどんな話なのかをつかんでいきましょう。
「-것 같다」は他にどんな使い方がある?
比喩としての表現に用いる
ところで-것 같다は比喩のような表現にもよく用いられます。
死んだようにずっと眠っています
まだ地面が動いているような感じがします
ぐるぐる回ってるみたいにフラフラして立ってられません
※어지럽다=目まいがするような感覚、くらくら、ふらふら
比喩の文になると、連体形の部分は過去形の場合もあれば、未来形の時もあります。
また같은や같이にすると、さらに長い文になっていくので、長文を作りながら練習するのもいいでしょう。
大げさに話をアピールすることもある
-ㄹ 것 같다は話を大きくアピールするような場合にもよく用いられます。
俺は肉がないと生きていけないと思います
本当に生きていけないのではなく、そのくらいお肉が好きという意味ですね。
すごい大変で死にそうですよ
これも本当に死ぬわけではなく、そのくらい大変だという話です。
冷たい水も飲んで、やっと生き返りました
살 것 같다は我慢や苦難から解放されてほっとした時などによく使われます。
・ずっと喉が渇いてたが、やっと水を飲めた
・トイレを我慢していて、ようやく用を足した
こんな時に使ってもいいでしょう。
文型をまとめて整理すると
文型を表にまとめて整理すると以下のようになります。
動詞 | 形容詞、名詞 | |
---|---|---|
過去 | -ㄴ/은 것 같다 | -았/었던 것 같다 |
現在 | -는 것 같다 | -ㄴ/은 것 같다 |
未来 | -ㄹ/을 것 같다 | -ㄹ/을 것 같다 |
連体形ができないとこれらも難しくなるので、文型がすぐに出てこない人は連体形の復習もしましょう。
ところで-것 같다のニュアンスをみんないちいち考えながら話しているわけではありません。
慣れるまでどんどん練習していきましょう。