間接話法の基本文型について解説していきます。
韓国の語学学校では初級から中級クラスで習うことが多い間接話法ですが、韓国語学習の核心とも言える部分です。
これができないと中級の壁は越えられないと言っても過言ではありません。
間接話法と直接話法の違いを知っておこう
伝聞や引用に用いられるのが間接話法
まずは伝聞や引用について簡単に押さえておきましょう。
伝聞とは他からの情報や話を第3者に伝えることをいいます。
・天気予報で「明日は晴れる」って言ってました
・ミンギさんが日本語を教えてほしいそうです
こういう話がそうですね。
そして引用とは誰かが言ったことや情報などを自分の話に取り入れることを言いいます。
人が言ったことを話すのなら伝聞と引用は同じじゃないのと思うかもしれませんが、次のような場合。
・ミンギが明日は雨が降るって言ってるけど、私は雨は降らないと思います。
・毎日親に「勉強しろ」って言われるけど、遊びに行きたい。
こういう話なら情報を第3者に伝えるというよりは、他人の発言を引っぱってきてるだけですね。
まさに引っぱってくるから「引用」となるわけです。
間接話法と直接話法って?
伝聞や引用では「~と言ってた」のような言い方をすることが多くなりますが、この時に「かぎかっこ」を使うかがポイントになります。
友達がおいしいって言ってたよ。
(間接話法)
友達が「おいしい」って言ってたよ。
(直接話法)
かぎかっこを使えば直接話法、使わなければ間接話法となり、基本的な考え方は韓国語も同じです。
ちなみに韓国語の直接話法が気になる人は以下のページを参考にしてください。
韓国語の間接話法の基本形は「-고 하다」
間接話法は-고 하다が基本形になり、そこにどんな言葉が入るのかによって使い方が変化していきます。
基本パターンは大きく三つあり、組み合わせる言葉が「名詞、動詞、形容詞」のどれかによって文型が変わります。
過去形や未来系などによっても変化はしますが、まずはこの3種類を覚えましょう。
3種類の間接話法の使い分け
名詞には「-라고/이라고 하다」
間接話法を名詞と使う場合は-라고 하다で表現します。
名詞 + -(이)라고 하다
녹차 + -라고 = 녹차라고 하다
선풍기 + -라고 = 선풍기라고 하다
김상우 + -라고 = 김상우라고 하다
소금 + -이라고 = 소금이라고 하다
흑설탕 + -이라고 = 흑설탕이라고 하다
이민경 + -이라고 = 이민경이라고 하다
組み合わさる名詞にパッチムがなければ、-라고になります。
私はキム・ヘミと申します
それは韓国語で青梗菜と言います
パッチムがある名詞との組み合わせには、-이라고になります
この料理はカムジャタンといいます
あれはビビンバと言うんです
ところで名詞との組み合わせでは自己紹介のような文もあります。
自己紹介の「私は○○と申します」も間接話法の一つであるわけです。
動詞には「-ㄴ다고/는다고 하다」
動詞の間接話法には-ㄴ다고や-는다고を動詞の語幹につけて使います。
動詞 + -ㄴ다고/는다고 하다
가다 + -ㄴ다고 = 간다고 하다
오다 + -ㄴ다고 = 온다고 하다
공부하다 + -ㄴ다고 = 공부한다고 하다
먹다 + -는다고 = 먹는다고 하다
묻다 + -는다고 = 묻는다고 하다
참다 + -는다고 = 참는다고 하다
組み合わさる動詞の語幹にパッチムがなければ、-ㄴ다고 하다になります。
バスに乗って家に帰ると言ってます
(가다)
夕方に通り雨が降るようです
(오다)
語幹にパッチムがある動詞との組み合わせには、-는다고 하다になります。
健康のために毎日ニンニクを食べるそうです
(먹다)
出勤する時は毎日違う服を着るんだそうです
(입다)
間接話法の基本文型の中では動詞による使い分けが最も難しいかもしれません。
ちなみに-ㄴ다や-는다の部分は한다体です。
한다体が苦手な人は合わせて文型の復習もしてみましょう。
形容詞は「-다고 하다」
形容詞ではパッチムのあるなしに関わらず、すべて-다고 하다となります。
形容詞 + -다고 하다
있다 + -다고 = 있다고 하다
없다 + -다고 = 없다고 하다
덥다 + -다고 = 덥다고 하다
動詞のように複雑に変化はしないので、辞書に載っている基本形に-고 하다をつければいいだけです。
今は在庫がないそうです
(없다)
明日は今日よりも気温が上がって暑いそうです
(덥다)
ただし動詞として使うこともある語彙には注意が必要です。
道が混んでて30分程度遅れるそうですよ
(늦다)
適度に水をあげれば、室内照明でもよく育つそうです
(크다)
例えば늦다を動詞として使うのであれば、늦는다고になるなど、文型は他の動詞と同じようになります。
短縮や語彙の入れ替えなどもできる
「-래요」や「-대요」などの短縮形を使うこともある
間接話法には短縮形といって、-다고 하다や-라고 하다を「短くした形」で使うこともあります。
間接話法の短縮形
-라고 하다
-라고 해 = -래
-라고 해요 = -래요
-라고 합니다 = -랍니다
-다고 하다
-다고 해 = -대
-다고 해요 = -대요
-다고 합니다 = -답니다
깁밥이라고 해요 = 김밥이래요
먹는다고 합니다 = 먹는답니다
短縮のルール自体は難しくなくても、聞いてすぐに判断できるようになる必要はあります。
二人は年の差があるけど、彼女が年上らしいよ
ジソンさんが来週から日本に行くみたいだよ
近くに空港があるので少しうるさいそうです
否定文を間接話法にしながら、それを短縮するとちょっと複雑になるかもしれません。
듣다など他の言葉を使うこともある
間接話法では하다の代わりに、듣다などの他の言葉を使うこともあります。
彼氏が野球選手だと聞きました
あそこは人がよく集まる所だと聞きました
韓国語を勉強している人が増えていると聞きました
こういう変形パターンも積極的に練習するといいでしょう。
間接話法を全部マスターしようと思ったら、それなりの時間がかかります。
少しづつ読み返したりしながら、練習していきましょう。