文章記号といえば、「かぎかっこ」を思い浮かべる人は多いと思います。
韓国語にも同じような役割として使われるものがあり、それがダブルクォーテーション(” “)とシングルクォーテーション(‘ ‘)です。
韓国語版「かぎかっこ」とも言えますが、これらの機能や使い方について解説していきます。
直接話法とは「かぎかっこ」を用いた文のこと
まずは直接話法と間接話法の違いをおさらいしましょう。
今日は暖かいって聞いたよ。
(間接話法)
今日は「暖かい」って聞いたよ。
(直接話法)
このように誰かの話などを引用する際に「かぎかっこ」を使うことはよくあると思います。
そして「かぎかっこ」を使った文を直接話法、そうでないものを間接話法といい、韓国語でも似たような区別の仕方をします。
오늘은 따뜻하다고 들었어요.
今日は暖かいって聞いたよ。
(間接話法)
오늘은 “따뜻해요“라고 들었어요.
今日は「暖かい」って聞いたよ。
(直接話法)
韓国語では「かぎかっこ」が“ダブルクォーテーション”になってるのがわかると思います。
セリフなどをダブルクォーテーションで囲み、そこに-라고をつけます。
ダブルクォーテーション(” “)の使い方
誰かが「言ったこと」を表す
韓国語ではダブルクォーテーションを큰따옴표と言いいます。
큰따옴표を用いた文でも、内容は引用や伝聞となります。
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彼に「試験が終わるまで電話しないでくれ」って言われたよ
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ミンスから「午後から雨が降るよ」って聞きました
第三者の話を引用していますが、-라고の後ろに듣다などを使ったりするのは間接話法と同じです。
カギかっこの有無以外は日本語とほぼ使い方が似ていると言えます。
書かれている内容を表すこともある
引用や伝聞には「書かれたことの内容」を表す場合もあります。
書かれたことと聞いてもピンとこない人は、メモや看板の中身をイメージしてみましょう。
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看板には「お代わり自由」と書いてあります
直接話法というだけあって、書いてあることがそのままダブルクォーテーションの中に入ってますね。
ただし-라고の前にパッチムがある場合は“~”이라고になります。
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机には「明日戻る」と記したメモがありました
ところでこちらは「-라」が抜けていますが、なぜでしょうか?
-ㄴ다/-는다などで終わる文をダブルクォーテーションでくくる時は、“-ㄴ다”고や“-는다”고のようになることが多いです。
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彼は「今日は運がよかった」と言いました
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ミンギに「ソウルは寒くなかった」と聞きました
ニュースの記事などでよく見かけますが、終止形で終わる文を引用すると思えばいいでしょう。
ところで小説の中の会話や雑誌インタビューのコメントなどでも、ダブルクォーテーションを使うのでしょうか。
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「金メダルおめでとうございます」
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「応援していただき、ありがとうございました」
会話文を表す場合はダブルクォーテーションだけを使います。
会話文だけだとわかりにくいかもしれませんが、小説や雑誌のような長文なら큰따옴표の使い方もイメージしやすくなります。
まとまった文章でも基本は同じ!
日本語の場合
パク記者は金メダルを手にした彼女にインタビューを試みた。
胸元の金メダルには「冬季オリンピック」と書かれている。
「金メダルおめでとうございます。今の心境はいかがですか?」
「コンディションもすごくよかったし、練習の成果が出たと思います…」
韓国語の場合
박기자는 금매달을 손에 든 그 여자에게 인터뷰를 시도했다.
가슴에 걸린 금메달에는 “동계 올림픽“이라고 써 있다.
“금매달을 축하드립니다. 지금 심경이 어떠십니까?“
“컨디션이 아주 좋았고요, 연습한 성과가 나왔던 것 같습니다…“
こうやって見ると、韓国語のダブルクォーテーションも日本語のかぎかっこと大きな違いはないことがわかると思います。
シングルクォーテーション(‘ ‘)の使い方
「強調」したい部分を囲む
韓国語ではシングルクーテション(‘ ‘)も使い、작은따옴표と呼ばれます。
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今必要なのは「知識」ではなく「実践」だ
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人生で大切なのは「愛」か「お金」か
日本語では「かぎかっこ」で強調したい部分を表すことがありますが、韓国語ではシングルクーテション(‘ ‘)になります。
シングルクーテション(‘ ‘)は「強調」や「心の声」に使われることが多いです。
「心の声」を表す時
心の声を表すというのは、直接声に出すことなく頭の中で考えていることや独り言などです。
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(あの子は一体何を考えているんだ?)
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ー本人が適当にうまくやるでしょー
小説で( )やー(ハイフン)を使って表現する部分をイメージするといいでしょう。
ダブルクォーテーションの中にシングルクーテションが入る「引用の引用」
かぎかっこには『二重のもの』もありますね。
韓国語の引用の引用
“ ‘△△‘ ~ “라고
「 『△△』~」と
「」の中に『』が入るように、(” “)の中に(‘ ‘)が入る。
韓国語ではシングルクーテション(‘ ‘)を『二重かぎかっこ』のように使い、引用の中の引用を表します。
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ミンギが「『ラジオで今日は35度まで上がる』って聞きました」って言ってました
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彼は「みなさん『終わりは始まり』という言葉を聞いたことありますか」と言いながら講義を始めた
こちらもカギ括弧や二重カギ括弧の使い方とほぼ同じですね。
原則さえちょっと押さえてしまえば、難しくはないと思います。
間接話法と比べて使う機会は少ない?かもしれませんが、直接話法も大事です。
しっかり覚えて、ぜひ使いこなしてください。