韓国語能力試験などの語学試験を受ける人にとって避けて通れないのが「作文」です。
韓国語で長文を書かなければいけないわけですが、原稿用紙の使い方を知っているかで試験結果が左右されることも。
せっかくいい文章を書いても用紙を正しく使えなければ、減点されてしまうからですね。
そこで韓国の原稿用紙の使い方を日本の用紙と比較しながら解説していきます。
題名や名前を記入する
一番上に文の種類を書く
原稿用紙を使う時にまずやることは「ジャンル」を書くことです。
感想文・説明文・エッセイなど、文章にもいろんなタイプがありますが、書くものがどんな文なのかを明記します。
ジャンルは1行目に記入しますが、書かなくてよい場合もあり、その時は空欄にしておきます。
日本語にはない用紙の使い方ですね。
題名・タイトルは中央に
題名は2行目の中央に書きます。
この際に文字数をちゃんと数えることが大事です。
分かち書きも数に含まれるため、その分を計算してタイトルが中央にくるようにしましょう。
また題名に記号を使うのは好ましくありません。
SNSやブログとは違うので、?や!などの記号は書かないように気を付けましょう。
所属や名前は2マス残して
題名を書いたら、その下に所属や名前を記入します。
ポイントは右側2マスを空欄にしておくことです。
所属の書き方に特別なルールはないので、2行に分けて学校やクラスなどを書いてもいいし、1行にまとめても問題ありません。
学校の授業や課題などで作文を書くのであれば、学校名をわざわざ記入する必要はないでしょう。
ここでは題名の下に1行空けて所属を記入していますが、空けずに3行目から書いても構いません。
書く人の好みにもよりますが、もし様式を指定されたのであれば、その通りに書きましょう。
日本語で題名などを書くなら
日本語の場合は1行目に題名を書き、ジャンルなどは記入しません。
また名前の右側は1マスしか空けないのも、韓国とは違う部分ですね。
ちなみに韓国語でも日本語でも、試験問題の作文では題名を書かずに本文から書き始めることがあると思います。
その場合はこの後の「本文の書く際のルール」を参考にしてみてください。
本文を書く時のルール
名前の下を1行空けて書き出す
本文は名前の下を1行空けて書き始めます。
※空けなくてよい場合もあります
この時に一番左のマスは使用せず、2マス目からスタートします。
最初の1マス目を使わないのは日本語も同じですね。
ただし日本語の場合は名前のすぐ下の行から書き始めます。
これも韓国語と日本語の用紙の使い方の違いとして覚えておきましょう。
「分かち書き」が列の最初に来る時
韓国語にあって日本語にないものと言えば、分かち書き(띄어쓰기)です。
基本的には「分かち書きも1マス」として書いていけばいいわけですが、これが行の最初に来た時は注意が必要です。
こういう場合は1マス空けることなく書いていきます。
うっかりマスを空けてしまうことがないよう気を付けましょう。
段落が変わる時も1マス空ける
一つの話のまとまりが終わった時に段落が変わることはよくあります。
段落が切り替わる時も、始まりは1マス空けて書き出しましょう。
段落の変更で最初の1マスを空けるのは日本語も同じですね。
これは特に難しくはないと思います。
会話文は次の段落に1マス空けて
文中に会話文が入る時は左側を1マス空けて新しい行に書きます。
この時会話文が長くなっても、左側は常に空けておくのがポイントです。
これは「話のやり取り」を書いたものであることが、すぐにわかるようにするためです。
一方で日本語の場合は会話文の書き方が少し違います。
会話文を新しい行から書いていくのは同じですが、左側のマスを空ける必要はありません。
ややこしくなりそうですが、区別しておきたいところですね。
ちなみに日本語では会話文を表す時に「かぎ括弧」を使いますが、韓国語ではダブルクォーテーション(” “)を使います。
句読点や括弧の使い方
句読点(, .)の次は空けない
韓国語で使う句読点は마침표(ピリオド)と쉼표(カンマ)の2つです。
※온표、온점ともいいます
これらは「記号1つに対してマス1つ」を使います。
韓国語には分かち書きがあるので、ピリオドやカンマの次は1マス空けなきゃいけないと思うかもしれませんが、続けて書いて構いません。
また日本語でも句読点の後に1マスを空けるといったことはしません。
韓国語と日本語、どちらも同じ感覚で書ける文章記号だといえます。
ただし「!や?」などの後は1マス空けて書きましょう。
句読点が行の最初に来るときは?
作文を書いていると、句読点が「行の先頭」に来てしまうこともあるでしょう。
こういう時は記号(ピリオド、カンマ)を前の行の最後に書く必要があります。
ピリオドやカンマを先頭にして文が始まることはないということです。
これは日本語の句読点でも同じことが言えます。
句読点は新しい行に書かかず、前の行の最後に入れます。
「括弧の始まり」が行の最後に来るときは?
日本語の「かぎ括弧」に相当する記号として、韓国語ではシングルクォーテーション(‘ ‘)も使います。
文中の言葉を強調するといった役割があるわけですが、そうした記号の「始まり」が行の最後に来た場合は、次の行から書いていきます。
うっかり行の最後に書いてしまわないよう注意が必要です。
ところでシングルクォーテーションを「かぎかっこ」に置き換えて考えた場合、日本語でも同じことが言えます。
要するに「開き括弧」の類を行の最後には書かないということですね。
閉じ括弧: 」、 』、>、) 等
ちなみにダブルクォーテーションとシングルクォーテーションは文中での役割が異なります。
句読点と括弧を一緒に使う時
会話文の表示に使うダブルクォーテーション(” ” )も締めくくりの部分の扱いは大事です。
会話文の最後はピリオドとダブルクォーテーションを同じマスに書き込みます。
ただし「!や?」などの記号はダブルクォーテーションとは別のマスを使います。
また日本語の場合も句点と閉じかっこは同じマスに入れます。
!や?の使い方もよく似ていますね。
ただし日本語では会話文の終わりに「閉じ括弧」しか使わないこともあります。
アルファベットや数字、その他の記号
数字、アルファベットは2文字ずつが基本
数字やアルファベットには2文字で1マスを使うのが基本です。
ただし大文字のアルファベット、あるいは小文字でも1文字しかない場合には1マスを割り当てます。
小文字、数字:半角文字
このような感覚でとらえると覚えやすいのではないかと思います。
ところで数字やアルファベットの書き方は日本語でも同じです。
これらは世界共通と言えるかもしれないですね。
数学記号なども1文字に1マス
数式を書く場合、記号1つにマス1つが原則です。
ただし省略などを表す記号(…)はマス1つに点を3つ入れたものを2つ、合計6個の点を記入します。
韓国語と日本語で書き方にほぼ違いはないと言えます。
記号の書き方はこのくらい覚えておけば大丈夫でしょう。
ただ作文問題などで数学の記号を原稿用紙に書くとしても、「%」くらいしかなさそうな気はします。
試験問題の作文は本文から書く場合も多く、日本語の作文に近い感覚で取り組めると思います。
用紙の使い方をマスターして、作文でも高得点を目指してください。