-ㄹ 수 있다/없다は一般的に「可能、不可能」の意味として広く知られています。
ところがこの文法には他のニュアンスもあり、いつも同じ使い方をするとは限りません。
そこで-ㄹ 수 있다/없다を可能、不可能以外の意味で使うケースを解説していきます。
許可や禁止の表現
「-ㄹ 수 있다」で許可を意味する
-ㄹ 수 있다には許可(~してもよい)のニュアンスがあります。
信号が青なら渡れます
信号が青ならが渡ることができる、つまり「青なら渡ってもよい」という意味です。
予めチケットを購入された場合に限り、中にお入りいただけます
文面は「入ることができる」とありますが、事前のチケット購入者のみ入場が許されるというニュアンスです。
「~できます」と言いながらもニュアンスが基本通りではないことがわかると思います。
禁止を意味する場合は「-ㄹ 수 없다」
逆に否定文にして使えば、禁止(~してはいけない)の意味になります。
すみませんがここは交通規制区域ですので通行できません
~できませんという文ですが、禁止のニュアンスなので「通るな」という話をしています。
マスクなしで公共交通機関を利用することはできません
こちらも「~できません」という言い方をしているだけで、マスクがなければ公共交通機関を利用するなという意味ですね。
このようにして禁止のニュアンスを表現することができます。
疑問文はさらにニュアンスが変わる?
-ㄹ 수 있다/없다を疑問文で使えば、相手の承諾を求めることになります。
この服ちょっと着てみてもいいですか?
その本ちょっとお借りできませんか?
-ㄹ 수 없다:~してだめ
こうした使い方に慣れていくためにはどんな場面で話をしているのかをきちんと把握することが大事になります。
可能性を意味する表現
「~することもありえる」というニュアンス
-ㄹ 수 있다/없다は可能性を意味する場合もあります。
雨が降るかもしれないから傘を持っていきなよ
ほんとに降るかな?
もしかしてってこともあるから持って行けと言ってるの
可能性の文では「~することもありえる、ありえない」というニュアンスになります。
つまり「雨が降ることもありえる」という意味ですね。
「可能性」なら形容詞にも使える
-ㄹ 수 있다/없다は動詞と使うのが基本ですが、可能性の意味であれば形容詞と使うこともできます。
その日は私が忙しいかもしれないです
それは絶対にありえないことですよ
それがありえるかどうかを話をしているので、このような使い方も可能になります。
可能性の「度合い」はどのくらいか
肯定文なら何%だろうと「ありえる」
-ㄹ 수 있다/없다で可能性を表現した時、その度合いはどのくらいになるのでしょうか。
到着時間が遅くなることもありえます
明日は朝から雪が降るかもしれないそうですね
「遅い時間に着く可能性もある」
「雪が降ることもありえる」
肯定文はあくまで「かもしれない」というニュアンスの話です。
したがって確率が高いか低いかは関係なく、可能性があるならOKになります。
否定文なら0%「絶対ありえない」
否定文なら「絶対にありえない」という意味になります。
我が国で大地震は絶対に起こりません
ここまで台風が来ることはないよ
「大地震が起こるなんてありえない」
「台風が来ることはあるはずがない」
-ㄹ 수 없다が意味する可能性は0%です。
-ㄹ 수 없다:可能性が全くない
こういう部分にも注目すると、より内容を把握しやすくなるでしょう。
確率が0%でない限り雨は降る?
ところで天気予報の「降水確率」がどのように算出されているかご存知でしょうか?
降水確率は過去の統計から、似たような気象パターンで雨が降った例はどのくらいあるかをもとに割り出します。
例えば90%の降水確率なら、過去十回のうち九回は雨が降ったということになります。
また降水量が1mmでも「雨が降った」として判定されるのもポイントです。
つまり確率が0%でない限り、雨が降ることはあり得る(비가 올 수 있다)のです。
-ㄹ 수 있다/없다は文の流れやニュアンスにも注目しながら使ってみましょう。