過去の出来事やその時の気持ちなどを思い出して話する-더라。
そこに過去形が組み合わさると、どのようなニュアンスになるのでしょうか。
今回は-더라と-았/었더라の違いや使い分けを解説していきます。
過去の客観的な事実を思い出すけど?
-더라に「-았/었」が付くと『完了』になる
まず-더라の文法があいまいな人は、復習も兼ねて-더라の記事から読んでみてください。
-더라は過去の誰かの行動やその場の状況などを話すことがありますが、これに-았/었を付けたのが-있/었더라です。
-았/었더라は「すでに終わったこと、完了したこと」を思い出すというのが特徴です。

朝起きたら、雨が降っていたんです
(未完了)
-더라の文では「自分が見た時には、まだ雨が降っていた」という話をしています。

朝起きたら、雨が降ったようでした
(完了)
ところが왔더라は「地面が濡れているのを見て『雨が降った』のがわかった」というニュアンス。
つまり「自分が見た時点で、すでに雨は止んでいた」という意味になります。
完了なら主語が2人称でもOK
-더라で他人の行動や様子について話す場合、第三者が主語になるという原則がありました。
しかし-았/었더라は「すでに完了していること」を思い出すので、話相手(2人称)を主語にすることもできます。

あの時、お前は熱心に勉強していたな (ㅇ)

あの時、俺は熱心に勉強していたな (×)
ただし自分が主語の場合には使えません。
過去の自分の行動について話すなら、普通に過去形を使いましょう。
過去に思ったことや感じたことにも「完了」がある?
-더라と-았/었더라で変わる印象
-더라は「自分が感じたことや思ったこと」を話す時にも使います。

あそこの肉まんすごいおいしかったよ
맛있더라であれば、今もおいしいだろうという意味になります。

あそこの肉まんすごいおいしかったんです
しかし맛있었더라なら、あの時はおいしかったけど、今は違うかもしれないという話になります。
-더라と-았었더라は、過去と現在で比べて変わったところがあるか注目してみると、区別がしやすくなると思います。
-았/었더라は一度途切れた感じが強い
-더라と違って-았/었더라は、何かが一度途切れるようなイメージが強いです。

最近のソウルは-10℃まで下がってすごい寒いんです
暑さ寒さは季節ごとに繰り返しますが、冬であれば当分は寒さが続くかもしれないというニュアンスが含まれます。

去年のソウルは-20℃まで下がった日もあってすごい寒かったです
-았/었더라は完了なので、春が来て寒い季節は完全に終わった印象になります。
ただし「寒波によって最近は寒い」といったように数日の単位で見ることもあれば、冬が終わったかどうか「季節」として考えたりなど、見方によって-더라と-았/었더라どちらを使うかは人によります。
-았/었더라と間接話法の文
間接話法と完了/未完了の文
-더라は間接話法と組み合わせることも多いですが、-았/었더라についても同じです。

沖縄は海がすごい綺麗だって言ってたなあ

済州島は海の水がすごい綺麗だったと言ってたなあ
どちらも海が綺麗だという話を聞いたことを思い出していますが、-더라と-았/었더라ではニュアンスが違います。
예쁘다고 하더라:今もまだ海は綺麗である
예뻤다고 하더라:もう海は綺麗ではないかも?
途切れるイメージが強い表現によって、伝わり方に差が出るという例です。
完了の伝聞はどんな時に使う?
完了の伝聞も現在と比べて明らかに変わった部分があるかに注目してみましょう。

様々な木が生い茂り、景色が美しかったと言ってました
昔は景色が美しかったという話を聞いたわけですが、今はどうなっているのかわかりません。

おじいちゃんは若かった頃、美男子だったって言ってました
こちらも「おじいちゃんは若い頃かっこよかった」という話を回想しています。
-았/었더라は比較するポイントを決めて、そこから何かしらの差や違いがあるかに注目するといいでしょう。
まとめ
1.-더라は未完了
「まだ続いていること」を思い出す
2.-았/었더라は完了
「すでに終わっていること」を思い出す
3.-았/었더라と間接話法
現在と比べて変化があるかに注目
他の文法と組み合わさると、さらに使い方が難しくなりますが、徐々に練習してみましょう