못で「~できない」という不可能を表現する場合、하다動詞と使うことはできません。
ところが、ちょっと工夫するだけで、これを可能にする方法があります。
そこで今回は、못を使った否定文について、その特長や応用など解説していきます。
못の短い否定文の特徴
動詞と一緒に使うのが基本
動詞の前に못をつけるだけで、「~できない」という文を作ることができます。

現金が足りなくて買えません

足がすごい痛くて、これ以上歩けません
組み合わさるのは「動詞のみ」が基本です。
하다動詞には使えない
하다動詞の前には、못を置くことはできません。

まだ帰れないよ (×)

時間がなくて勉強できないよ (×)
こういう場合は、-지 못하다で表現することになります。
形容詞には使えない
形容詞にも「못の否定文」は使えません。

ヨンヒはかわいくない (×)

今日は寒くない (×)
ただし一部の形容詞では、-지 못하다と一緒に使うことができます。
長い否定文「-지 못하다」の特徴
短い否定文では使えない単語もOK
못の短い否定文では使えない하다動詞も、-지 못하다なら表現が可能です。

最近は時間がなくて勉強できません

午後7時までは帰れないよ
ここまでは、못の否定文の基本的な使い方です。
-지 못하다を形容詞に使うパターンとは?
形容詞を「-지 못하다」と使うというのは、どんなケースでしょうか。
期待に対して「結果」が好ましいものではない場合には、形容詞でも-지 못하다を使うことがあります。

子供が賢くないんです

果物が新鮮じゃないですね

今日は天気がよくないな
バカな子供を望む親はいませんし、野菜や果物は新鮮な方がいいに決まっています。
天気が悪いのは通常なら、안の否定文を使うと思います。
しかし「バーベキューを計画していた」など、その日の天候に期待していたのにがっかりとなれば、形容詞に못の否定文を使うことができます。
못を形容詞に使った例
못を形容詞に使った例として、こういうのもあります。
下線部の過去形としてふさわしくないものを選びなさい。
問題文の一部に「-지 못하다」が使われているようなケースです。
正しく書かれているべきなのに、そうでないものがあるというニュアンスです。
試験を受ける時に、問題用紙にこのような書き方があるか探してみるのもいいでしょう。
하다動詞は分解すると短い否定文に使える
하다動詞を分離して、その間に못を入れると「短い否定文」として使うことが可能になります。

まだ決定できません

まっすぐな性格でウソをつけません
こうすれば「못 하다」として表現することができます。
短い表現は口語で使われる傾向が強いため、못の否定文でもこのような使い方はよく見られます。
못の否定文を間接話法と使う
短い否定文を間接話法にする
「못」を間接話法で使う場合の文型も押さえておきましょう。
못 + 間接話法
動詞(パッチムなし)
・못 가다 + -ㄴ다고 하다
= 못 간다고 해요
= 못 간대요
動詞(パッチムあり)
・못 먹다 + -는다고 하다
= 못 먹는다고 합니다
= 못 먹는답니다
動詞の前に못を置くだけ!

スヨン自転車に乗れないそうです

予防接種を受けたので明日まで入浴できないそうです
-다고 하다の前に못を置き、あとは「間接話法の基本的な使い方」に沿って、短縮などを行えばOKです。
長い否定文を間接話法にする
長い못の否定文を間接話法で使うとこうなります。
-지 못하다 + 間接話法
・사지 못하다 + -ㄴ다고 하다
= 사지 못한다고 해요
= 사지 못해요
・쓰지 못하다 + -는다고 하다
= 쓰지 못한다고 합니다
= 쓰지 못한답니다

契約上、会社は責任を問えないようです

急に仕事が入って、友達に会えなかったそうです
-지 못하다を「パッチムがない動詞の間接話法」に合わせて変えれば大丈夫です。
まとめ
1.못を하다動詞と使うなら分離しよう
2.形容詞+-지 못하다は、結果が期待以下の時
3.못を間接話法と使う時は、動詞のパターンを応用しよう
否定文を間接話法と一緒に使えるようになると、表現できることが増えるので、作文などでも有利になります。
안の否定文と合わせて、どんどん使ってみてください。