-ㄹ 수 있다は「~できる、できない」という意味で使われる文法です。

ところが他にも同じようなことが表現できる文法があり、それが-ㄹ 줄 알다です。

今回はもう一つの可能不可能の表現を練習してみましょう。

「-ㄹ 줄 알다」は能力やスキルの有無を表す文法

「-ㄹ 줄 알다」のニュアンス

-ㄹ 줄 알다は「特技」について話す時に用いる文法です。

特技や能力を表すとは?

파전을 만들 줄 알다
パジョンを作れます

줄には「やり方、方法」といった意味がある
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レシピを知っている、作って見せることができる

줄には「やり方、方法」といった意味があり、やり方を知っている、その能力を備えているというニュアンスになります。

「-ㄹ 줄 알다」の使い方

-ㄹ 줄 알다は動詞の語幹に付けて使います。

動詞 + -(으)ㄹ 줄 알다/모르다

가다 + -ㄹ 수 있다 = 갈 줄 알다
마시다 + -ㄹ 수 있다 = 마실 줄 알다
공부하다 + -ㄹ 수 있다 = 공부할 줄 알다

먹다 + -ㄹ 수 있다 = 먹을 줄 알다
찍다 + -ㄹ 수 있다 = 찍을 줄 알다

열다 + -ㄹ 수 있다 = 열 줄 있다
듣다 + -ㄹ 수 있다 = 들을 줄 있다
돕다 + -ㄹ 수 있다 = 도울 줄 있다

먹을 줄 알다なら「マナーや作法、どこから箸をつけて骨をどう引っぺがして…」といったことができる(知っている)という意味になります。

난 스페인어와 중국어를 할 줄 알아요.
私はスペイン語と中国語ができます
난 이걸 먹을 줄 알아요.
私これ食べれますよ

-ㄹ 줄 알다で「できること」を表します。

난 된장찌개를 만들 줄 몰라요.
私はテンジャンチゲは作れません

알다を모르다にすれば否定文になり、「~できない」のニュアンスになります。

「-ㄹ 수 있다/없다」との違いは何?

-ㄹ 수 있다/없다はあらゆるの可能・不可能の文に使える文法です。

주말에 영어스터디를 하는데 너도 올 수 있어?
週末に英語の勉強会やるんだけど来れる?
자가격리 때문에 당분간 친구를 만날 수 없어요.
自宅隔離のせいで当分友達に会えません
재료가 없는데 만들 수 없잖아.
材料がないのに、作れないんじゃん

できるできない全般の話に使えるので、能力やスケジュール、許可などなんでもOKです。

二つの文法の入れ替えができるケースは?

「-ㄹ 줄 알다」から「-ㄹ 수 있다」にすることはできる

-ㄹ 수 있다は可能・不可能すべての話に対応しているため、-ㄹ 줄 알다と入れ替えることができます。

전 피아노를 칠 줄 압니다.
僕はピアノを弾けます
저는 한자를 읽을 줄 알아요.
私は漢字が読めます
저는 김치를 담글 줄 모릅니다
私はキムチを漬けれません

こういうのは身につけた技術や知識についての話なので、-ㄹ 수 있다にしても問題はありません。

能力やスキルと関係のないものに「-ㄹ 줄 알다」は使えない

能力以外の要素や他の事情による話の場合、-ㄹ 줄 알다を使うことはできません。

내일부터 학교를 다닐 수 있습니다.
明日から学校に通えます
선편으로는 짐을 싸게 붙일 수 있습니다.
船便では荷物を安く遅れます
귤이 썩어 가지고 먹을 수 없어요.
みかんが腐ってて食べれません
다닐 수 있어요 → 다닐 줄 알아요 (×)
보낼 수 있어요 → 보낼 줄 알아요 (×)
먹을 수 있어요 → 먹을 줄 알아요 (×)

学校に行くことや船便で荷物を送るのはもちろん、食材が傷んでて食べれないのもスキルとは無関係ですね。

あるいは時間やスケジュールなども個人の能力とは関係ないので、-ㄹ 수 있다/없다を使うことになります。

二つを使い分けるには「やって見せることができるか」に注目

-ㄹ 줄 알다が使えるかどうかがわかれば、二つの文法の入れ替えが可能かどうかを判断できます。

二つの文法のニュアンス

-ㄹ 수 있다 -ㄹ 줄 알다
能力
予定 ×
可能性 ×
許可 ×

そしてその判断の目安になるのが、能力やスキルのおかげで「やって見せること」ができるかどうかです。

악보를 읽을 줄 알아요?
楽譜が読めるんですか?

楽譜が読めるなら、楽器を演奏してみせることはできますね。

버스 정류장까지 혼자 갈 줄 압니다.
バス停まで一人で行けますよ

「どの道を通り、どこで曲がり、どのように行けばいいのか」という具体的な方法がすべてわかっていれば、現地で道を案内することもできます。

일본에서는 카페에서 공부할 수 없어요.
日本ではカフェで勉強できません

カフェで勉強する姿を見せることはできるかもしれませんが、そこに能力は必要ないので-ㄹ 줄 알다/모르다は使えません。

はじめはややこしくなるかもしれませんが、慣れればすぐに判断できるようになるでしょう。

ちなみに-ㄹ 줄 알다には「~と思った」という意味もあり、能力の有無とは全く異なる表現としても使います。

迷った時は-ㄹ 수 있다/없다を使えば、とりあえず間違いはないでしょう。