はやいの反意語と言えば「遅い」です。
韓国語で遅いには느리다と늦다がありますが、実は遅いという意味で使わないことがあります。
そこでこれらがどんなニュアンスで使われるのか、そのパターンを解説していきます。
느리다は빠르다の反対の意味
「時間がかかること」を意味する
느리다の遅いは所要時間が長い時に使う言葉で、これは何かをする時に平均よりも時間がかかるというニュアンスです。
パソコンの起動が遅いです
治りが思ったよりも遅いですね
私は文章を読むのが遅いです
読むのが遅いのは「時間内で読解できる文量が少ない」ということですが、一つの文章を読むのにそれだけ時間がかかることを意味します。
スピードが遅いのも本質的には同じ
느리다はスピード、速度が遅い時にも使います。
この時計はよく5分くらい遅れます
時計の針の動くスピードが遅いため、実際の時間に時計の時刻が追いついていない状況です。
アスリートは一般人に比べて脈拍が遅い傾向が多いです
渋滞のせいで車のスピードが人が走るよりも遅いです
速度が遅いというのは「同じ時間に進める距離が少ない」ということですが、言い換えると同じ距離を進むのに時間がかかるということでもあります。
感覚的な表現としての「遅い」
빠르다と同じく、느리다も「感覚的なこと」に対しても使われます。
今週は時間が経つのが遅い気がします
時間の流れが遅く(長く)感じられるというニュアンスですね。
느리다は「時間が長い」を中心に意味を考えてみましょう。
느리다を「遅い」以外の意味で使うと?
温厚な人、穏やかな性格を意味する
느리다には時間とは全く関係のない意味もあります。
姉よりも妹の方がのんびりした性格です
おっとりした穏やかな性格を表す時にも使います。
温厚な牛も怒ることがあります
中には「温厚な人ほどブチ切れると怖い」ということわざもあります。
まあ優しい人が怒るほどのことをするのもどうかとは思います。
傾斜やカーブなど道が緩やかである
緩やかな傾斜やカーブなどにも느리다は使われます。
思ったよりも傾斜がなくて楽に頂上まで登れました
緩やかに曲がる道を歩きながら楽しい時間を過ごしました
人の性格と道路はどちらも「ゆる~い」感じをイメージすると、ニュアンスがつかみやすくなると思います。
늦다は이르다の反対になる
時間的に後、基準となる時よりも遅いこと
늦다は基準となる時間よりも後を意味する言葉です。
今日はいつもより夕食の時間が30分遅いです
いつも夕食をとる時間(基準となる時間)よりも「30分遅い」という文です。
夜遅くにどうしたんですか?
みんなが出歩いたりする時よりも後の時間帯を「遅い」と言うのは日本語も同じですね。
タイミングが遅れる、ちょうどいい時期を過ぎる
늦다には「タイミングが遅い、時期を逃した」という意味もあります。
もう遅いから早く寝なよ
夜に電話でもしていたのでしょうか、話をするのにいい時間帯は過ぎてしまい、すっかり遅くなってしまいました。
治療するにはもう遅いらしいです
適切な治療のタイミングを逃したため、もう手遅れだという話をしています。
ちなみに이미 늦었어には「同じ機会は二度と来ない」というニュアンスもあります。
もう引き返すことができなかったり、取り返しのつかないことになった時などにも使える表現です。
動詞として늦다を使う「時間に遅れる、遅くなる」
늦다には動詞として使うこともあります。
ミンギは約束の時間にいつも遅れます
遅刻したり、約束の時間に遅れるといった時の「遅れる、遅くなる」ですね。
また늦다を動詞として間接話法で使う場合はパッチムのある動詞と同じように扱います。
ソヨンは用事があって1時間くらい遅くなるそうだよ
늦다は動詞として使うのか、形容詞として使うのかにも注意しましょう。
늦다はどんな時に過去形になるの?
늦다は形容詞と動詞どちらでも使う上、文によって「現在形か過去形か」も変わります。
形容詞 | 動詞 | |
---|---|---|
現在形 | 時間的に遅い | 遅れるという行動 |
過去形 | 遅くなった状況 | 遅れたという事実 |
動作の場合、約束の時間に늦었어요(遅れました)のように、そのままの意味でとらえればOKです。
しかし形容詞であれば、ある程度時間が経った状態を意味します。
늦다や느리다がどんなニュアンスで使われているかは文脈を見ながらうまく判断しましょう。