「韓国のスマートフォンを日本でも使いたい」
海外製の端末を日本で使用することは可能ではありますが、その際に法的な部分やルールに関してあらかじめ知っておくべきことがいくつかあります。
ここではそれらについて話していきます。
携帯電話は「電波法」に従って使用する義務がある
※1 海外製のスマートフォンを日本に持ち込んで使用するのを推奨するものではありません。
※2 外国製端末の使用は自己責任で行ってください。
※3 不具合が生じたとしても責任は一切負いかねます。
※韓国製端末と日本の通信回線に関しては以下の記事を参考にしてみてください。
好き勝手に電波を使ってはいけない法律がある
海外製スマホを日本で使う前に知っておかなければいけないのが「電波法」です。
電波法とは簡単に言うと「好き勝手に電波を使ってはいけない」という法律で、電波を発する機器はルールに則って適切に使う必要があり、スマホも例外ではありません。
もし航空機や救急、消防などの無線を邪魔したら、大変なことになるのは想像できますよね。
むやみやたらに電波を使えないというのは理解できると思います。
日本では「技適マーク」のあるものだけ使用可能
日本の携帯電話は日本の電波法に従って使用する義務があるとは言っても、電波がどうだとか細かいことを気にするのは通信会社の仕事です。
利用者は基本的に「端末を使うだけ」です。
ただし「技適マーク」があるものに限られます。
日本の技術基準に適合していることを証明するマークで、これがあれば安心して使えるということになります。
スマートフォンの技適マークを確認する方法
スマートフォンの技適マークを調べる方法はいくつかあります。
バッテリが外れるタイプのものは、電池を外して中を見てみましょう。
あるいは技適マークを画面に表示できる端末もあり、バッテリを外せない機種は次の方法で確認できます。
iPhone:設定→一般→認証
android:設定→端末情報→認証
こんな感じで自分の端末を確認してみましょう。
電波法の改正で海外製端末も「条件付き」で使える
海外から持ち込んだスマホが日本でも使えるようになった
外国人観光客の増加を見据えてか、電波法の一部が改正されました。
海外から訪日観光客等が持ち込む無線設備の利用の円滑化を図るため、訪日観光客等が日本国内に持ち込む携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等について、電波法に定める技術基準に相当する技術基準に適合する等の条件を満たす場合に、日本国内での利用を可能とする規定の整備が行われました。
-総務省電波利用ホームページ-
海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用
これにより海外製のスマホが日本でも「条件つき」で使えるようになりました。
韓国スマホも日本で使用できるということですね。
海外製のスマートフォンが使えるのはどういうケース?
外国製の端末といえども日本にいる時は日本のルールに従うことになるわけですが、海外スマホを日本で使うための条件は次の通りです。
日本の技術基準に相当する技術基準(国際標準)に適合するものであり、海外から持ち込んだ者が国際ローミング又は日本国内の携帯電話事業者・BWA事業者のSIMカードにより使用するもの。
-総務省電波利用ホームページ-
難しいことが書いてありますが、ざっくりと言えば次のような感じでしょうか。
2.国際ローミングもしくは日本のSIMカードで使用すること
ここでいう「ローミング」とは、海外で契約した携帯が一時的に日本の通信回線を借りることです。
日本のsimカードで使用というのは、日本で回線契約をすることですね。
つまり国際基準をクリアしたスマートフォンを日本の電波で使う分にはOKということになります。
wi-fiやBluetoothはずっと使えない?
通話やLTEなどを使ったデータ通信ではなく、wi-fiやBluetoothを使用する場合は条件が異なります。
日本の技術基準に相当する技術基準(国際標準)に適合するものであり、かつ、2.4GHz帯、5.2GHz帯、5.3GHz帯及び5.6GHz帯の周波数の電波を使用する小電力データ通信システムの無線局(Wi-Fi端末及びBluetooth端末)が対象となります。
なお、訪日観光客等の入国の日から90日以内に限って利用可能です。-総務省電波利用ホームページ-
海外端末でも90日以内ならwi-fiやBluetoothが使えるようです。
外国人観光客が日本でもスマホを問題なく使えるようにするためだと思います。
日本に相当する技術基準(国際基準)って?
手持ちの海外製端末が国際基準を満たしているか確認する
海外製の端末を日本で使うための指標になる「日本に相当する技術基準」って、何か漠然としていますが、iPhoneを例に考えてみます。
iPhoneで技適マークを表示させると、世界各国の認証マークが出てきます。
iPhoneに表示される認証マーク
認証マークはアメリカやヨーロッパ、アジアなど様々です。
こういったマークがある、あるいは世界中(特に欧米)で販売されている機種なら「国際基準を満たしている」と判断してもいいのではないかと思います。
認証マークが確認できたら、あとは日本の通信会社と契約したsimカードを用意しましょう。
simを契約すれば終わりじゃない「APNの設定」
持ち帰った韓国スマホで日本のsimカードを無事に契約できたとしても、それでOKというわけではありません。
APNという「初期設定」をしないと通信ができないからです。
ドコモなどの大手の通信会社を通して正規で購入した携帯電話であれば、APNは自動で設定されます。
しかし海外製の端末に格安simを使う場合などは自分で設定を行う必要がある上、端末が正常に動作する保証はありません。
スマートフォンは基本的にその国で使用することを前提に作られているので、不安な人は日本の認証マークがあるものを使いましょう。
日本に持ち帰った韓国スマホは新しい機種を購入するまでの「間に合わせ」として使用するのが一番なのではないでしょうか。
日本では日本製のスマホを使う方が何かと便利だと思いますが、ご自身の状況に合わせて判断してください。