韓国のタクシーは日本と比べて運賃も安く、便利な交通手段の一つです。

ところが「不当な料金を請求されるのではないか」といった不安から、利用をためらう人がいるのも事実です。

運賃が適正かどうかを判断するためには、タクシーの料金システムがどのようになっているかを知っておくことが大切です。

タクシーの料金体系

基本料金は2kmで3800ウォン

기본요금(基本料金)は地域によって異なりますが、目安としては3800ウォンです。

地域別基本料金

地域 基本料金
ソウル市 3800ウォン
京畿道 3800ウォン
仁川市 3800ウォン
釜山市 3300ウォン
大邱市 3300ウォン
光州市 3300ウォン

ソウル市内や首都圏のタクシーであれば、2kmまでは基本料金が適用されます。

一般タクシー運賃の計算方法

タクシー運賃は基本料金の区間「3800ウォン/2km」をこえると、走行距離もしくは時間に応じた金額が加算されていきます。

a. 100ウォン/132m
b. 100ウォン/31秒
※地域によっても若干の違いがあります。

132m走るごとに100ウォンづつ料金が上がっていきますが、車の速度が「時速15km以下」の時は31秒ごとに100ウォンが加算されます。

ちなみに2kmがどのくらいの距離かというと、ソウル駅から明洞駅まで(およそ1.85km)と考えればいいでしょう。

模範・大型タクシーの運賃

模範タクシー(모범택시)や大型タクシーは料金体系が異なり、3kmまで6500ウォンと基本料金の区間が長くなっていて、それをこえると以下の基準で料金が加算されていきます。

a. 200ウォン/151m
b. 200ウォン/36秒

模範タクシーは減少傾向にあり、90年代後半には4500台以上あったのが、2010年代には半分以下になっています。

運賃が高いということもあり、みんなあまり利用しないのが現状です。

たとえ観光地でも利用する機会はないかもしれません。

深夜料金のシステム

 深夜料金で運賃はどのくらい変わる?

深夜料金は할증(割増)と言い、通常の料金に20%が加算されます。

通常料金 深夜料金
3800ウォン 4600ウォン
8000ウォン 9600ウォン
12000ウォン 14400ウォン

昼と夜とでは料金にこのくらいの差が出るということですね。

ただし模範タクシーと大型タクシーに深夜料金はありません。

運賃が割増しになる時間帯

深夜料金は0時~4時の間のみ適用になります。

例えば「11時55分にタクシーに乗車、0時07分に降車」した場合、0時以降の7分間に走行した分が割増し料金として計算されることになります。

あるいは「3時53分にタクシーに乗り、4時10分に降りた」場合、4時までの7分間を深夜料金として扱います。

すべて割増しで計算するとそれだけ運賃が高くなりますが、実際にはそんなことはないということです。

深夜以外にも運賃が上がる要因はある

 タクシーの営業エリア外まで走ると料金は割増しになる

割増し料金は夜間だけではありません。

タクシーには通常お客を乗せることができる区域が決まっていて、基本区域をこえてエリア外まで走る場合にも運賃に+20%の料金が加算されます。

例えばソウルで営業するタクシーが仁川までお客を乗せた場合、ソウル市を出てから目的地に到着するまでの間は「+20%の料金」となります。

逆に仁川のタクシーがソウルまでお客を乗せた場合も、ソウル市内を走行する間は2割増しの運賃になります。

夜間のエリア外までの利用はさらに注意

仮に午前1時ごろ(0時~4時の間)、営業エリア外までタクシーを利用すると「夜間料金の20%」も加わります。

営業区間外20%+夜間料金20%=40%

つまり料金が四割増しになるということですね。

通常料金 4割増し
8000ウォン 11200ウォン
12000ウォン 16800ウォン
17000ウォン 23800ウォン

営業区域の内と外では運賃の計算が変わるので、実際は4割増しとまではいかなくても、金額がかなり高くなるのがわかります。

有料道路を利用するとその分も取られる

高速道路などの有料道路を通った場合、その分の料金も運賃に加算されます。

ただし有料道路の通行は「乗客の了承を取るのが原則」なので、勝手に高速道路に入っていくことはないとは思います。

もし深夜に高速道路を使って営業エリア外まで走ったとなれば、タクシー代がそれなりの額になるのは想像がつくかと思います。 

タクシー業界では運転手の待遇改善案の一つとして「基本料金の値上げ」も検討されています。

今後は料金がどんどん高くなっていく可能性はあるかもしれません。