「ありがとう」と言われた時、返すべき言葉としてまず思い浮かぶのは「どういたしまして」でしょうか。
教科書に出てくるからというのが、一番の理由だと思います。
ところが実際には「どういたしまして」と言わない人が圧倒的に多いです。
そこで今回のテーマは、本当に使える韓国語の「どういたしまして」です。
韓国版「どういたしまして」は、最も役に立たない表現?
一番使わない천만에요とその由来は?
「どういたしまして」のお手本となる韓国語といえば、천만에요です。
礼にはおよびませんという意味で、模範的な表現ではありますが、周りで천만에요と言っている人を見た記憶はないし、自分も使った記憶がありません。
正直「最も役に立たない表現」と言ってもいいのではないかと思います。

金額としてもすごいですが、宝くじで「1等」の当たる確率が、ちょうど「1000万分の1」と言われています。
雷に打たれる確率も同じくらいらしいですが、どちらも想像もできないと思います。
この「想像できない感覚」が천만です。
천만에요のは超謙遜の言葉
천만は数字が大きすぎるあまり、まったく現実感がありません。
可能性がものすごく低い、想像できないことから「考えてもいなかった言葉」として천만의 말씀と言うようになります。
早い話、自分は「ありがとう」と言われるほどのことはしていないし、まったく考えてもいないという、超謙遜した表現だったわけです。
これが短くなって、천만에요になりました。
実際によく使う「どういたしまして」は?
礼儀正しく言いたいなら「별 말씀을요」
천만에요が超礼儀正しい表現だとしても、日常的に使っている人はそう多くはありません。
「そんなこと考えてもいませんでした」とか言えば、ちょっとわざとらしい感じもします。
そこで出てくるのが「별 말씀」です。

별 말씀을요.
大したことありませんよ

별 말씀을 다 하시네요.
そんなことおっしゃらなくても
별 말씀は「何をおっしゃるんですか、当然のことをしたまでです」のようなニュアンス。
目上の人に対してやビジネスの場でも使える表現としていいでしょう。
少し丁寧に言うなら「별 거 아니에요」
「별 말씀」ほどではないけど、ある程度丁寧さを残したいのであれば「별 거 아니다」が無難でしょうか。

그 정도는 별 거 아닙니다.
そのくらい大したことないですよ

이 정도 가지고 감사하다니, 별 거 아니에요.
このくらいのことでありがとうだなんて、別にいいんですよ
「大したことないですよ、別にいいんですよ」のような感じで使いたい時にピッタリです。
普通に言うなら아니에요や괜찮아요でOK!
ありがとうに対して普通に返したい時は、아니에요や괜찮아요で十分です。

おかげで仕事が早く終わったよ。ありがとう

いいんだよ
「いえいえ」のような感じで、大したことないというニュアンスを表すのは日本語と同じですね。

これ高いんじゃない?ありがとう

大丈夫だよ
このあたりが一番よく使う表現ではないかと思います。
ちょっと変わった「どういたしまして」の言葉
実は「네」で十分だったりする
友人など親しい相手に対しては、「네」で十分だったりします。

これだこれ、助かったよ

おう
「네」でも「응」でもなんでもいいですが、友達同士のちょっとしたやり取りなら、こんな感じで済ませてしまう人も多いです。
プレゼントを渡した時などに使える切り返し
プレゼントを渡した時などに使える言い方です。

実はこれ欲しかったんだよ。ありがとう

大事に使ってね
服であれば「かっこよく着て」とか、モノであれば「大事に使ってくれ」とか、渡すものに合わせて付け加える言葉を変えます。

かっこいいネクタイだね

これをして来週の発表も頑張ってね
「仕事などの場で使ってくれ」など、言い方はなんでもいいです。
プレゼントを渡す予定がある人は、ちょっと使ってみましょう。
ひねくれ者、あまのじゃくが使う表現
ありがとうと言われても、みんな「どういたしまして」のような、いい言葉で返すとは限りません。

ありがとう助かったよ

勘違いするな、お前を助けたわけじゃない
勘違いするなとか、감사하지(感謝なんてするな)のような言葉は、ひねくれ者やツンデレみたいな人にはいいかもしれないですね。
まとめ
日本語でも「どういたしまして」と言う人は少ないと思います。
韓国語でもこれが正解というものはないし、その場に合った言葉を使い分けているのが現状です。
その時の状況にあわせて、いろいろ使ってみてください。