韓国の語学学校では、2~3級クラスで習うことが多い間接話法。
韓国語学習の核心とも言える部分で、これができないと「中級の壁は越えられない」と言っても過言ではありません。
今回はそんな間接話法の基本について話していきます。
間接話法と直接話法の違いを知っておこう
伝聞と引用って?
「伝聞」あるいは「引用」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

そんなところですが、人から聞いた話を伝えるだけけじゃないですよね。

「ニュースで『○○』だって、言ってたよ」とか、こういう話はよくするし。
つまり伝聞とは、他から手に入れた情報を第3者に伝えるということになります。

引用とは「誰かが『言ったこと』などを自分の話に取り入れること」を言いいます。
人が言ったことを話すのなら、伝聞と同じじゃないのかと思うかもしれませんが、次のような場合はどうでしょうか?
・彼は「消費税を一律で下げるべきだ」と言いましたが、私は品目に応じて税率を変えるべきだと思います。
・毎日親に「勉強しろ」って言われるけど、遊びに行きたい。
こういう文なら話を第3者に伝えるというよりは、他人の発言を引っぱってきてるだけですね。

伝聞と引用のイメージはつかめたでしょうか。
間接話法と直接話法って?
伝聞や引用は、あくまでも他からの情報や発言などを伝えるものです。
そのため「~って言ってた」のような言い方をすることが多くなりますが、この時に「かぎかっこ」を使うかが重要になります。
そして「かぎかっこ」を使えば直接話法、使わない場合を間接話法といいます。
友達がおいしいって言ってたよ。
(間接話法)
友達が「おいしい」って言ってたよ。
(直接話法)
どちらもよく使いますね。
これらは韓国語にもあり、かつ使用頻度も高いので、重要な文法になります。
ここで解説するのは間接話法についてなので、韓国語の直接話法が気になる人は「直接話法と引用」を参考にしてください。
韓国語の間接話法の基本形は「-고 하다」
間接話法は-고 하다が基本になり、そこにどんな言葉が入るのかによって、形が変化していきます。

私はキム・ヘミといいます
例えば人の名前が前に入る場合は、-라고 하다のようになります。
変化のパターンは大きく3つあり、-고 하다の前に入る言葉が「名詞・動詞・形容詞」のどれかによって変わります。
過去形や未来系など、時制によっても変化はしますが、まずはこの3種類を覚えましょう。
3種類の間接話法の使い分け
名詞には「-라고/이라고 하다」
名詞と間接話法を使う場合は、-라고 하다で表現します。
이건 자동차라고 해요.
これは自動車といいます
(パッチムのない名詞)
이건 김밥이라고 해요.
これはキムパプといいます
(パッチムのある名詞)
組み合わさる名詞にパッチムがある場合は、-이라고になります。
「間接話法=伝聞や引用」と思いがちですが、名詞と組み合わせる時は自己紹介のような文もあるで注意が必要です。
例えば次のようなケース。
이건 비빔밥이라고 합니다.
これはビビンバといいます
이건 비빔밥이라고 합니다.
これはビビンバと言うそうです
同じ文でも「ビビンバといいます」と「ビビンバと言うそうです」ではまったくニュアンスが違います。
自己紹介をしているのに「私は○○と言うそうです」ではおかしくなるように、どんなニュアンスかは、場面に合わせて的確に判断しましょう。
ところで間接話法では、하다の代わりに듣다など、他の言葉を使うこともあります。

彼氏が野球選手だと聞きました

あそこは人がよく集まる所だと聞きました
こういう変化したパターンも、積極的に練習するといいでしょう。

彼じゃないって聞いたよ
また名詞を否定する「~ではありません」を間接話法にする場合は-이/가 아니다を使うので、아니라고になります。
動詞には「-ㄴ다고/-는다고 하다」
動詞の間接話法では、語幹に-ㄴ다고 하다を組み合わせます。
집까지 택시 타고 간다고 해요.
家までタクシーに乗って帰るそうです
(パッチムのない動詞)
저녁에는 라면을 먹는다고 해요.
夕飯はラーメンを食べるって
(パッチムがある動詞)
パッチムがない動詞:-ㄴ다고 하다
パッチムがある動詞:-는다고 하다
-ㄴ다고や-는다고を「動詞の語幹」につけて使いますが、語幹というのは、辞書に載っている基本形から「다」を抜いた部分です。
例えば입다なら「입」の部分が語幹で、これにパッチムがあるので「입는다고」になります。

夕方に通り雨が降るようです

ジソンさんが来週から日本に行くんだって

健康のために毎日ニンニクを食べるそうです
これも-ㄴ다고 하다の「하다」を듣다などに変えて使っても構いません。
前後の文型も変化させながら、いろんな文を作ってみましょう。
形容詞は「-다고 하다」
形容詞の間接話法は、名詞や動詞よりも使い方が簡単かもしれません。

今は在庫がないって

明日は暑いそうです

明日は今日より寒いって聞きました
形容詞ではパッチムのあるなしに関わらず、すべて-다고 하다となります。
動詞のように複雑に変化はしないので、辞書に載っている基本形に「-고 하다」をつければいいだけです。
ただし動詞として使うこともある語彙には注意が必要です。

道が混んでて30分程度遅れるそうですよ
例えば늦다を動詞として使うのであれば、늦는다고となります。
平叙文と時制による間接話法の使い分け
平叙文や疑問文など、文の種類でも文型は変わる
間接話法は平叙文や疑問文あるいは勧誘文といった文の種類によっても、文型が変化します。
平叙文とは通常の「です・ます」の文のことで、これも過去形や未来形などの時制に合わせて使い分けていきます。
ここでは平常文の間接話法について解説していくので、疑問文や命令文などは以下の記事を参考にしてください。
過去形との組み合わせは「-았/었다고」
過去形の文は、通常どのように書きますか?

その-았/-었の後ろに「-다고 하다」をつけます。
過去形と間接話法
品詞 | 文型 |
---|---|
形容詞 | -았/었다고 |
動詞 | |
名詞 | -이었다고 -이/가 아니었다고 |
例えば갔어요なら「갔다고 해요」となります。
공부했어요なら「공부했다고 해요」や「공부했다고 합니다」ですね。

先週の汝矣島は人が多かったそうですよ

忙しくて勉強できなかったと聞きました

今回のTOEICはすごい難しい試験だったと聞いますよ
それぞれの品詞にも注意しながら、過去形を使って文を作ってみましょう。
未来形は「-겠다고」
未来系も過去形と使い方が似ていて、-겠に「-다고 하다」をつけます。
つまり「먹겠다고 해요」や「먹겠다고 합니다」のようになるということですね。

週末の汝矣島は人が多いだろうって

今回のプレゼンはキム代理がやるって言ってますね
名詞には이다や아니다を使うので、아니겠다고なら「~ではないだろう」というニュアンスですね。
「것」が入るときには注意する
もし「-ㄹ 것이다」に間接話法を用いると、どうなるでしょうか?

週末から天気が良くなると予想されます

来週から天気は寒くなると予想されます
-ㄹ 것이다などの것は依存名詞なので「-라고」を使いますが、것と거どちらを使うのか、パッチムの有無で文型が変わってきます。
라고と다고を間違えない
대통령은 내년에는 코로나 사태가 진정될 것이라고 말했습니다.
大統領は来年にはコロナ禍が収束するだろうとコメントしました(ㅇ)
대통령은 내년에는 코로나 사태가 진정될 것이다고 말했습니다.
大統領は来年にはコロナ禍が収束するだろうとコメントしました(×)
-라고と-다고を間違えないよう気を付けよう
것が入る文で、-라고と-다고を間違えやすくなるので、注意しましょう。
「-래요」や「-대요」などの短縮形を使うこともある
間接話法には「短縮形」といって、-다고 하다や-라고 하다を短くした形で使うこともあります。
・-라고 하다
-라고 해 = -래
-라고 해요 = -래요
-라고 합니다 = -랍니다
・-다고 하다
-다고 해 = -대
-다고 해요 = -대요
-다고 합니다 = -답니다
깁밥이라고 해요 = 김밥이래요
먹었다고 합니다 = 먹었답니다

今日の平壌は寒くないそうです

明日の朝はマイナス10まで下がるだろうって

ソウルの気温は26度まで上がるでだろうって
短縮のルール自体は難しくなくても、聞いてすぐに判断できるようになる必要はあります。
間接話法を全部マスターしようと思ったら、それなりの時間がかかります。
少しづつ読み返したりして、練習していきましょう。