日本語と韓国語は似ている言語と言われています。
しかし「助詞の使い方」など異なる部分もあり、特に-이/가(~が)と-은/는(~は)の区別は、学習者を悩ませると思います。
そこで今回は、2つのうちどちらを使えばいいか、文のニュアンスや使い方について解説していきます。
どうしてややこしくなるの?
同じ意味の文でも「助詞が違うケース」がある
-이/가と-은/는がややこしくなるのは、同じ意味の文でも日本語と韓国語では、異なる助詞を使うがケースがあるからです。
助詞が同じ場合

私の名前はキム・サムスンです

これは色鉛筆です
日本語の「~は」という文に対し、韓国語でも「-은/는」を使う場合、日本語から韓国語に直訳したとしても、ちゃんとした文になります。
助詞が異なる場合

ここはどこですか?

あの人は誰ですか?
「~は」という文に対して、韓国語で「-이/가」を使う場合、「~が」と訳せば文がおかしくなります。
これがややこしくなるパターンではないでしょうか。
助詞が違っても意味は通じる
もし韓国語で「-이/가」を使うべきところに「-은/는」を使うと、どうなるのでしょうか。
「-이/가」を使うと

それは何ですか?
「-은/는」を使ううと

それは何ですか?
これだけを見れば、大した差はないように見えます。
助詞が違っても、意味が通じないということはないんですね。
だからこそ助詞の違いがわかりにくくなります。
助詞の使い分けのポイントは「順番」
新しい情報には「-이/가」、追加の内容には「-은/는」
助詞「-이/가」と「-은/는」は、基本的に使う順番が決まっています。
最初に-이/가で、次に-은/는
-이/가は初めて見聞きする情報(新情報)を表し、-은/는はすでに出た話題を詳しく説明します。

私は妹がいます
여동생은 의대를 다녀요.
妹は医大に通ってます
妹がいるというのが新事実で、助詞が「-이/가」になっていますね。
そして妹について詳しく説明するために「-은/는」が使われています。
どこまでが新事実か?自己紹介の表現
自己紹介の場面で、名前を明かすのは新事実を提供することではないのか?と思う人もいるかもしれません。

よろしく。私はキム・ソナです
このようなケースでは、初対面であっても「相手の顔を見ることが新事実」になり、名前はその詳しい説明という位置づけになります。
要は顔と名前を一致させるということですね。
そのため、私は(저는~)という文になります。
みんなのヒーローや正義の味方の正体は?
新情報や新しい事実を伝える時は、助詞に「-이/가」を使うと言いました。
ということは…

私がサンタだ!
このように、隠していた自分の正体を明かす(新事実を教える)ような場合なら、-가/이を使うことになります。
助詞の違いと文の内容
「-이/가」から「-은/는」が自然な文の流れ
-이/가:新情報(0から1)
-은/는:補足(1から2, 3…)
これが、助詞の使い方における基本的な流れです。

あれがマチュピチュです
마츠피츠는 아름다워요.
マチュピチュは美しいです
こうすれば「あれがマチュピチュで、マチュピチュは美しい」というシンプルな流れの文ができます。
-은/는は「共通の認識」を表す
「-이/가」によって出てきた新情報や事実について説明をするのが、-은/는の役割です。
となると「-은/는」を使った時点で、お互いすでに知っていること・古い情報ということになります。

ヘミはどこか出かけたの?

ヘミはスーパーに行ったよ
互いに知っている人など、共通の話題について話すときは「-은/는」を使うことになります。
したがって、その話題について「お互いにある程度知っている、共通の知識を持っていること」が前提になるということも覚えておきましょう。
助詞が変わると文の流れやニュアンスが変わる?
では助詞の使い方が変わると、文の流れや意味はどのように変わるのでしょうか?

天気が良くないです
-이/가は「新事実」を表すだけなので、今日の天気について伝えるだけですね。

天気は良くないです
ところが-은/는には「補足」のニュアンスがあるので、文に何かしらの「含み」が出てきます。
雨は降ってるけど寒くはないとか、他の内容があることを示唆する文章になってしまいます。
迷った時はどうする?
とりあえず「-이/가」を使ってみる
-이/가と-은/는のうち、どちらを入れればいいのか迷った時はどうすればいいでしょうか。
そんな時は、とりあえず「-이/가」を入れてみましょう。

キムチが辛くないです
キムチは唐辛子をふんだんに使っており、辛いことは誰もが知っている事実です。
しかし食べたものが辛くなければ、「キムチが辛くなかった」という新しい事実(新情報)の発見です。
「-은/는」に入れ替えてみる
ここで「-이/가」の代わりに「-은/는」を入れると…

キムチは辛くないです
「キムチは辛い食べ物ではない」ことを、誰でも知っているということになります。
あるいは「特定のキムチ」についてみんなで話をしていて、それが辛くはないと言っているのかもしれません。
ややこしくなった時は「お互いにどこまで知っているのか」を意識しつつ、-이/가を入れてみて、違うようなら-은/는を使いましょう。
まとめ
1.-이/가は新事実、新しいネタ(0→1)
2.-은/는はすでに出た話題(古いネタ)を説明(1→2,3…)
3.-은/는が入ると文に「含み」が出る
4. 迷ったら、まず-이/가を入れてみる
慣れれば助詞の間違いはなくなっていくので、どんどん使いましょう。