「しらばっくれるな」
「とぼけるな」
これらは一見難しい言葉を使いそうな気がしますが、実は初級で習う単語でも表現できたりします。
そこで「しらばっくれる、とぼける」の韓国語には、どんなものがあるのかを紹介していきたいと思います。
しらばっくれる、知らんぷりする
知らないふりをする「모른 척하다」
しらばっくれるとは「知っているのに知らないふりをする」という意味ですが、これを表現できる初級の単語とは、모르다です。

しらばっくれてないで、正直に言って

とぼけてないで、怒らないうちに話しなさい
-ㄴ/는 척하다は「~のふりをする」という意味で使われる文法です。
これと모르다を組み合わせて、모른 척하다にするわけです。
「見て見ぬふり」というニュアンスもある
모른 척하다には「見て見ぬふりをする」という意味もあります。

困っている人を見ると、ほっとけないんだよ

吹き出もの、そのままにしないで

見て見ぬふりはやめて、ちゃんと現実を直視して
ただこうなると「しらばっくれる」とは、まったく違うニュアンスの文になります。
“모른 척하다”をどのような意味で使うかは、その時の状況によって変わってきます。
ごまかしたり、お茶を濁したりする
関係ないことをしてはぐらかす「딴청을 피우다、딴청을 부리다」
他にも似たようなニュアンスの表現はあります。
딴청을 피우다/딴전을 부리다などでも「しらばっくれる、とぼける」という意味になります。

全部わかってるくせにとぼけないで

しらばっくれてないで、早く答えてよ
딴청/딴전とは「全く関係ない行動や言動」のことを言います。
つまり聞かれたことにきちんと答えず、質問とは関係ない行動をとることではぐらかすようなイメージです。
関係のないことをして、時間が過ぎるのを待つ?
딴전と딴청はいずれも標準語として認められているので、どちらを使っても構いません。

さぼってないで、早く課題でもしなよ

授業時間にずっと関係ないことばかりしたり、最初から机に突っ伏して寝てる子もいます
授業中に話を聞かず関係ないことをしながら、適当に時間が過ぎるのを待っているような時にも使えます。

政府はとぼけてないで、国民にきちんと説明する義務があります
あるいはその場しのぎでいい加減なことを言いながら、やるべきことをしない人に使ってもいいでしょう。
とぼけたり、シラをきる
慣用句として使われる「시치미를 떼다」
「とぼける、シラをきる」の韓国語には、ある行動や出来事が由来になった慣用句もあります。

それをあなたが知らないわけなじゃん、とぼけないで

シラを切ってないで、ちゃんと言いなさい
시치미를 떼다には「シラをきる」というような意味があります。
시치미를 떼다の由来は?
かつて鷹を使った猟が盛んだった頃、村には鷹を飼っている家がたくさんありました。
鷹の足には시치미と呼ばれる名札が付いており、これで飼い主を区別していたわけですが、鷹が主人の家ではなく、他人の家に入っていってしまうことがありました。
この時、鷹をもとの飼い主に返してあげるべきところを、鷹の足に付いている名札(他人の名前が書かれたもの)を外して、自分の名札に付け替える人がいました。
そこから”시치미를 떼다”と言うようになったそうです。
こうして疑われても「俺は何も知らない」と、シラを切っていたわけですね。
日本語でも「しらばっくれる、とぼける、シラを切る」など、表現はいくつもありますが、韓国語でもいろいろ使い分けてみましょう。