目上の人との会話で必要になる尊敬語。

相手を持ち上げるイメージが強いですが、尊敬語は主語を上げる表現をいいます。

韓国語の尊敬語には-시を使って対象となる人の動作や状態を持ち上げる方法と尊敬語の語彙を使う方法の2つがあります。

「-시」を使った尊敬語

動詞に「-시」をつける

動詞に-시を付けて、持ち上げるべき人の「動作」を尊敬語にします。

相手を持ち上げる場合

어디 가시는 거예요?
どこかお出かけですか?
장 보러 마트까지 갔다오려고.
買い出しにマートまで行くところ

가다に-시をつけて「가시다」とすることで、話相手を持ち上げています。

第三者を持ち上げる場合

선생님이 안 보이시네, 오늘은 안 나오시나?
先生がいないけど、今日は来ないのかな?
오늘은 늦게 오신대요.
今日は遅れて来るって

오다に-시をつけて「오시다」とすることで、先生を持ち上げています。

보이시다や나오시다も同様ですね。

しかし先生が話し相手ではないように、持ち上げる対象と話し相手が一致しないこともあります。

形容詞に「-시」をつける

形容詞に-시をつけて、その人の「状態」を尊敬語にします。

요즘 많이 바쁘신가 봐요.
最近お忙しいようですね
주말에 이사하는 바람에 정신이 없어요.
週末に引っ越しするせいでバタバタだよ

바쁘다を「바쁘시다」にすることで、相手の忙しいという状態を持ち上げています。

이제 괜찮으세요?
もう大丈夫ですか?
덕분에 많이 좋아졌습니다.
おかげさまで、だいぶ良くなりました

こちらも相手の体調といった「状態」を尊敬表現にしています。

このように動詞や形容詞を尊敬語にする場合は、それぞれの語幹に「-시」を付けます。

「-세요」と「-십니다」の違い

-세요は「-시」を使った尊敬語を-요で表現したものです。

지금은 서울에 사세요?
今はソウルにお住まいですか?
이거를 한번 읽어 보세요.
これを一度お読みください

-시+-어요で「-셔요」だったのが、発音が変化して「-세요」で定着しました。

부모님은 어디에 사십니까?
ご両親はどちらにお住まいですか?
적어도 세 번 이상 읽어 보십시오.
少なくとも3回以上お読みください

一方で-ㅂ니다体を語尾に使えば、このようになります。

尊敬語の語彙と種類

「-님」をつけるのは定番

対象となる人を持ち上げるために使われる特別な言葉が、尊敬の語彙です。

代表的なものは役職や地位などの後ろに付ける-님です。

役職や地位などに-님を付ける

:お客様
고객:顧客
선생:先生
과장:課長
사장:社長
대통령:大統領

お客を意味する손に-님が付いたのが「손님」です。

자주 이용해 주시는 특별한 손님은 ‘단골’이라고 불립니다.
頻繁にご利用いただく特別なお客様は「常連」と呼ばれています

-님は尊敬の語彙の中では、一番簡単ではないでしょうか。

大統領と-님

今でこそ태동령님が使われますが、昔は大統領のことを각하と呼んでいました。

각하께서 기다리고 계십니다.
(大統領)閣下がお待ちです

「大統領閣下」だったのです。

映画やドラマ以外ではなかなか見ない言葉になりましたが、個人的には「閣下」の方がカッコいい感じがします。

尊敬の助詞を使った表現「께서、께」

께서や께といった「尊敬の助詞」を使う方法もあります。

께:~に
께서:~が
께서는:~は

尊敬の助詞は、님と一緒になることが多いです。

사장님께서는 11시에 오실 겁니다.
社長は11時に来られます
이걸 김과장님 전해주시겠습니까?
これをキム課長に渡していただけますか?

「~に」や「~が」といった助詞を尊敬格にして使うだけなのですが、尊敬語の語彙の中では、一番使う機会が少ないかもしれません。

尊敬の名詞は通常の名詞と入れ替えるだけでOK!

名詞にも尊敬語として別の言葉があれば、それを用います。

어서 오세요. 성함이 어떻게 되세요?
いらっしゃいませ。お名前をおうかがいします
최지현이에요.
チェ・ジヒョンです
최지현 손님 이 쪽으로 오세요.
チェ・ジヒョン様、こちらにどうぞ

이름を尊敬語の성함に言い換える以外、特に変わることはありません。

ちなみに「山田様」のような呼び方をしたい場合は、〇〇손님/〇〇고객님と言えばOKです。

尊敬の名詞の例

通常の単語 尊敬語
이름 성함
나이 연세
식사 진지
치아
말씀
그 사람 그 분
아들 아드님
따님

「持ち上げる人=話し相手」とは限らないので、尊敬の代名詞(그 분)もあります。

尊敬の動詞や形容詞が一番ややこしい?

動詞や形容詞にも、尊敬の語彙はあります。

식후 30분마다 약 챙겨 드시고요.
食後は30分以内にお薬を飲んでくださいね
우리 아빠는 내가 어렸을 때 돌아가셨습니다.
うちの父は私が小さい時に亡くなりました

動詞や形容詞に-시をつけて持ち上げる代わりに尊敬の語彙を使うわけですが、代表的なものは以下になります。

尊敬の用言の例

通常の単語 尊敬語
먹다 드시다
잡수시다
죽다 돌아가시다
자다 주무시다
아프다 편찮으시다
아프시다
있다
(人、もの)
계시다
(人のみ)

있다には「いる」と「ある」の2つの意味がありますが、계시다は「いる」の場合にしか使えません。

아프시다と편찮으시다の違い

아프다の尊敬語は편찮으시다ですが、-시をつけて아프시다にする場合もあります。

これらはどのように使い分ければいいでしょうか。

할머니가 편찮으시다고요?
おばあちゃんの具合が悪いって?

「おばあちゃんの具合がよくない」という文ですが、この場合はおばあちゃんが主語なので편찮으시다で、おばあちゃん自身を持ち上げます。

(할머니,) 어디가 아프세요?
おばあちゃん,どこが痛いですか?

「頭がいたい、足が痛い」のように体の一部が主語になっている場合は、おばあちゃんを間接的に持ち上げるので、아프시다となります。

1つの文に尊敬語がいくつも含まれる時

持ち上げる人が複数の時は?

持ち上げるべき対象になる人物が一人とは限りません。

할머니가 입원하셔 가지고 할아버지가 매일 병원에 가세요.
祖母が入院して、祖父は毎日病院に行っています

尊敬の対象となる人が複数出た時は、すべての人を持ち上げる必要があります。

そのため祖父と祖母の動作「入院する、病院に行く」の、両方に-시がついています。

一人で複数の動作を行う場合は?

一人がいくつもの動作を行うなど、主語一つに対して動詞や形容詞が複数の場合はどうでしょうか。

1.아빠가 요리를 좋아해서 우리 집에서는 아빠가 요리하세요.
父が料理好きで、わが家では父が料理をします (基本)

2.아빠가 요리를 좋아하셔서 우리 집에서는 아빠가 요리하세요.
父が料理好きで、わが家では父が料理をします (ㅇ)

3.아빠가 요리를 좋아하셔서 우리 집에서는 아빠가 요리해요.
父が料理好きで、わが家では父が料理をします (×)

3番の文だけ「×」になっていますが、これは主語が同じなら最後に来る用言を持ち上げるという原則があるからです。

文中の動詞や形容詞はどれも父のことを言っているので、すべて敬語にしてもしなくても構わないですが、最後だけは敬語にしないといけません。

もし尊敬語の使い方で迷ったら

どれを尊敬語にすればいいのか、どれはそのままでもよいのか迷ってしまった時。

そんな時はみんな尊敬語に変えてします

持ち上げるべき人が何人いようと、みんな敬語にしちゃいましょう。

これでとりあえず、失礼はなくなります。

まとめ

1.尊敬語の使い方
動詞、形容詞に시をつける
尊敬語の語彙を使う

2.尊敬の語彙の例
名詞(님、성함、연세など)
助詞(께、께서など)
動詞(드시다、주무시다など)
形容詞(편찮으시다など)

少し難しいところもあるかもしれませんが、少しづつ覚えていきましょう。