「~しなさい」
「~しましょう」
「~しませんか?」
命令や勧誘の文というと、なにか難しい文法を使いそうなイメージはないでしょうか?
ところが難しい言葉を使わなくても、これらを簡単に表現できる方法があります。
「-요」を用いた文はオールマイティ
「-요」の文型と語尾
簡単に命令や勧誘の表現をする方法とは「-요」を使うことです。
すなわち「-아요/어요」の文法を用いるということですが、하다を例に見てみましょう。
하다を「-아요/어요」にすると?
平叙文 | 疑問文 | 命令文 | 請誘文 |
---|---|---|---|
해요 | 해요 | 해요 | 해요 |
해 | 해 | 해 | 해 |
※感嘆文は事実上ないと考えてよい
実は「-아요/어요」の文では、疑問文も命令文も「みんな同じ形」になります。
そのため「語尾を上げれば疑問文」という具合に、イントネーションや発音の仕方を変えることで、ニュアンスを区別していきます。
また、-요を取り除いた文型は반말(ため口)と呼ばれますが、これも発音や抑揚を変えながら使い分けていきます。
「-요」を使った命令文
-아요/어요を使って命令文を表現すると、こんな感じになります。

계산은 상우씨가 해요.
会計はサンウさんがしてね

민경씨가 노래를 불러요.
ミンギョンさんが歌を歌ってよ

빨리 청소해.
はやく掃除しろ
見た目は平叙文とほぼ同じですが、これだけで命令文の出来上がりです。
ただ、タメ口の方が命令をしている感が強いかもしれません。
「-요」を使った勧誘文
-아요/어요で、勧誘文も表してみましょう。

저녁은 같이 먹어요.
夕食は一緒に食べようよ

내일은 서울역에서 만나요.
明日はソウル駅で会いましょう

얼른 밥 먹으러 가요.
はやくご飯食べに行こうよ
こちらも平叙文と文型はさほど変わりません。
ちなみにタメ口の場合は、この後に出てくる「-자」を使うことの方が多いかもしれません。
「-ㅂ니다」で命令や勧誘の表現をする
「-ㅂ니다」の文型と語尾
「-ㅂ니다/습니다」を使った場合は、文によって語尾が変化します。
こちらも、하다を例に見てみましょう。
하다を「-ㅂ니다/습니다」にすると?
平叙文 | 疑問文 | 命令文 | 請誘文 | 感嘆文 |
---|---|---|---|---|
합니다 | 합니까 | 하십시오 | 하십시다 | 합니다 |
하오 | 하오 | 하시오 하오 |
합시다 | 하오 |
하네 | 하나 하는가 |
하게 | 하세 | 하네 하는구먼 |
한다 | 하느냐 하냐 |
해라 | 하자 | 하는구나 |
-ㅂ니다/습니다を疑問文にしたのが「-ㅂ니까/습니까」ですね。
語尾の種類がたくさんありますが、上が丁寧な表現で、下がタメ口のようなぞんざいな語尾になります。
このうち、使用頻度の高い語尾を優先して覚えましょう。
「-십시오」を使った命令文
「-ㅂ니다/습니다」を命令文にすると、-십시오になります。

109번 버스를 타십시오.
109番のバスにお乗りください

여기서 쓰레기를 버리지 마십시오.
ここにごみを捨てないでください
平叙文と全く違う文型ですね。
ただ、普段の会話では「-십시오」よりも「-세요」を使うことの方が多いでしょう。
「-ㅂ시다」を使った勧誘文
「-ㅂ니다/습니다」を勧誘文にすれば、-ㅂ시다です。

나하고 사귑시다.
俺と付き合いましょう

길거리에서 담배를 피우지 맙시다.
道端でたばこは吸うのはやめましょう
場合によっては、あまり使わない語彙もありますが、使い方としてはこんな感じです。

삼겹살을 먹으러 가자.
サムギョプサルを食べに行こう

우리 치킨 먹자.
チキン食べようよ
タメ口には「-자」を使うので、このような言い方になります。
先生に「갑시다」は失礼になる?
「갑시다」は尊敬語ではない
韓国語学院などで、学生が先生に「一緒にごはん食べに行きましょう」と誘いたい時、どう言えばいいでしょうか?

같이 식사하러 갑시다.
一緒にご飯食べに行きましょう(×)
「같이 갑시다」と言いたくなるかもしれませんが、実は先生に対して「갑시다」と言うのは失礼な表現になります。
先ほどの表を見るとわかりますが、갑시다は一番丁寧な表現ではありません。
先生にはどう言えばいいの?
가다を尊敬の請誘表現にすると、가십시다が一応は正しいのですが、実際に使うことはまずありません。
こういう時には、疑問文などがよく使われます。

같이 가시겠어요?
一緒に行きませんか?

같이 가실래요?
一緒に行きませんか?
あるいは、次のような言い方をしても構いません。

같이 가시죠.
一緒に行きましょう
가시죠は「参りましょう」のような感じですが、これも目上の人に用いてOKです。
これらは、こういうものだと思ってそのまま覚えてしまいましょう。
語学学校の先生は、外国人の韓国語のレベルを熟知しているので問題はありませんが、一般の韓国人と話す時は、少し気をつけた方がいいかもしれません。
まとめ
1.「-요」は文の種類に関わらず語尾は同じ
2.「-ㅂ니다」の語尾は文によって変化
疑問文:-ㅂ니까
命令文:-십시오
勧誘文:-ㅂ시다
3.目上の人に「-ㅂ시다」は使わない
言葉遣いは人間関係(距離感)にも左右されるので、正解はありません。
ケースバイケースで、うまく使い分けてください。