初級からコツコツと勉強を続けて、徐々にレベルアップしてきたものの、まだ話せない。

語学試験でもそれなりの点数が取れるようになってきたけど、ある程度自由に話せるかといえば、そうでもない。

中級者が話せるようになるために越えなければならない最後の難関。

それが「中級の壁」です。

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話せるようにならない一番の原因は何でしたか?
話すために必要な練習が足りない、いわゆる「練習不足」の状態が原因です。
だからこそ、積極的に声に出して練習していくことが必要ですが、ただやればいいというものでもありませんでした。
難易度や覚えるべきことの順番が大事なんですよね。
その基本となるのが?
教科書です。
まずは「基本となる型」をしっかりと身につけ、そこから徐々に発展させていく。
教科書をベースに、少しづつ表現を広げて行くのが王道です。

ただ、これはすでに実践している人も多いかもしれません。

それだけでは足りないんですね。
応用も必要ってことでしょうか?
そうですね。
ある程度、基本ができるようになってきた人達がぶつかる「壁」とも言えます。

教科書の勉強だけは限界がある

教科書を使った勉強は、話せるようになるための「基本」なので、これだけではどうしても限界が出てきます。
そこからは、どんな勉強が必要なんでしょうか?
その前に語学学習の原則で、自分が使いそうな表現を優先して練習するという話をしましたが、その際のポイントを覚えていますか?
まず自分のことを話せるようになってから、身の回りのことについて表現するんですよね。
内から外」という考え方で、表現を広げていきます。
しかし、応用では「下から上」にも範囲を伸ばしていきます。
「下から上」にも?
これまでは、教科書の基本をアレンジした練習はしても、文法そのものの意味や使い方までは変わりませんでした。
そうですね。
しかし、ここからはそれも変えていきます。
文法の意味や使い方を変えるんですか?
すべてではないですが、そもそも文法は意味が一つだけとは限らないんです。
同じ文法でも、ニュアンスが変わるケースがあるってことでしょうか?
教科書に載っているのは、特に重要度の高い「ベース」になるものであって、すべての意味を解説してるわけではありません。
要するに、教科書に載っていない表現を学ぶってことですか?
早い話がそうですね。
例えば、-ㄹ 수 있다/없다という文法ですが、この表現の基本的な意味は何ですか?
可能・不可能です。
では、試しにこの文法を使って、身の回りのことを話してください。
우리 엄마는 영어를 할 수 있어요.
うちの母は英語ができます
동네 슈퍼에서는 야채를 싸게 살 수 있어요.
町内のスーパーでは野菜が安く買えます
じゃあ、次の文はどういう意味になると思いますか?

관계자외는 들어갈 수 없습니다.
(                      )

どんな意味になるか考えてみよう

「関係者以外は立ち入ることができません」ってことですよね。
関係ない人は入るなってことだから…
「禁止」ですか?
禁止には通常、どんな文法を使いましたか?
「-지 마세요」です。
それが教科書に載っている基本です。
しかし、実際にはこういう言い方もするわけです。

広く深く学んでいくことで話せるようになる

教科書に載っていない、応用の使い方はどうやって勉強すればいいんでしょうか?
韓国人と会話ができる機会がたくさんある人は、彼らとの話の中から、応用表現を見つけていくこともできます。
でも留学していない人には、難しいですよね。
そこで有効なのが「メディア」です。
ドラマや映画ですね。
韓国のニュースとかも使えそうですよね。
K-POPとかを勉強に使うのであれば、この段階になってからにすべきなんです。
それで「初心者には奨めない」って言ったんですね。
ただ、ドラマや映画は少しづつ耳を鳴らしていくという意味でも、初心者のうちからどんどん見ていくのはいいことです。
ストーリーも楽しめるし、気分転換にもなりますよね。
ドラマや映画を見ていれば、気になる表現や覚えておいた方がいいかもと思える言葉が必ず出てきます。
そういった表現を積極的に練習していきましょう。
メディアを使った勉強でも、優先して覚えるべき表現はあるんでしょうか?
優先順位を決めて勉強するのもいいんですが、それだけだと「自分が興味のあることや得意なジャンル」に知識が偏ってしまいます。
じゃあ、ここからは様々な分野の表現も練習した方がいいんですね。
内から外の「さらに外」にも、範囲を広げていくイメージです。

話せるようになるかどうかは、応用や幅広い表現をどれだけ知っているかにも左右されます。
広く深く学んでいくことが必要なんですね。

応用表現は自分で探し出すしかない

韓国語でも日本語でも、実際の会話で特定の話題やジャンルしか話さないということはないですよね?
グルメや恋愛、趣味や天気、あるいは政治や経済まで…
話題はいろいろあると思います。
だから幅広く勉強していく必要があるわけですが、これが大変。
覚えるべきことがいっぱいになりますね。
ところで、使えそうだと思った表現は、すべて覚えていけばいいんでしょうか?
全部覚えなきゃって、思ってしまいますけど。
平たく言えばそうですが、勉強時間は無限ではないと思うので、さじ加減は必要ですよね。
どれだけ勉強すればいいという基準はないですから。
ジャンルが広がると、自分にとっての「使えそうな表現」を判断する基準も曖昧になる気がします。
ドラマ、映画、ウェブサイト。
勉強に活用するものに限らず、重要なのは「これは使えそう」と感じたものを、少しづつ見つけ出していかなければならないことです。
だから、習慣化して「続けられるか」が大事なんですね。
少しづつ努力していく必要はありますが、ここを乗り越えることができれば「新しい世界」が待っていますよ。
そうですね。
それから、最近は勉強の際に「翻訳機」を使う人も多いですけど、あれはおすすめしません。
翻訳機は使わない方がいいんですか?
韓国語のできない人が、観光で翻訳機を使うのとは違いますから。
自分の頭で文章を作り出せるようにならないといけません。

それに機械に頼れば、それだけ人の能力は落ちていきます。

計算機の使い過ぎで、暗算ができなくなるのと同じですね。
だからといって、주산(そろばん)をやれとは言わないですよ。
ここまで、独学で学ぶ人が「話せるようになるためにすべきこと」をメインにお話しましたけど、参考にはなりましたか?
これからどうやって勉強を進めていけばいいか、じっくり考えてみます。
独学で勉強を続けてもいいし、スクールに通うのもいいでしょう。
自分に合った方法で勉強していけばいいですよ。
また、わからないことがあったら相談させていただきたいんですが…
その時は、またいつでも来てください。