話せるようになるためには、読み書きよりも「話すこと」に重点を置いて練習をすることが大事です。

しかし、ただやればいいというわけでもなく、その内容にも気を配っていく必要があります。

会話力をつけていくために「気をつけるべきこと」を押さえておきましょう。

基礎文法を身につけ、表現力を高めていくために必要なことは?

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語学の勉強で「やってはいけないこと」は、もう大丈夫ですね?
無駄なことに時間を使わない。
書いてばかりいないで声を出す。
そうですね。
そしてもう一つは何でしたか?
難易度を無視した文法や語彙の勉強を避けるんですよね?
理解できないまま終わる可能性が高いですからね。
ところで、話せるようになるために「やるべきこと」というのは何でしょうか?
それをこれから、具体的に説明していきますね。

自分が使いそうなものを練習する

「語学を学ぶ原則その2」
自分が使いそうな表現を優先する
自分が使いそうな表現を…
優先する?
ここで、ポイントになるのが「内から外」です。
内から外…?
全く見当もつきません…
これは練習をする時の話ですが、まず「自分のこと」を表現するんです。

こんな感じのイメージですね。

例えば「-예요/이에요」という文法を練習するとします。
-예요/이에요を使って、自分のことを話してみてください。

-예요/이에요ですか…
저는 회사원이에요.
私は会社員です

こんな感じでいいんですか?

はい。
では、今度は家族のことを話してください。
아빠는 쉰여섯 살이에요.
お父さんは56歳です

本当にこれでいいんでしょうか?

自分のこと、次に家族や友達、そして学校や職場のこと…
人が行動範囲を広げていくように、表現の範囲も少しづつ拡大させていくんです。
子供が外で新しい言葉を覚えてくるのに似ているんでしょうか?
近いものはありますね。
そして、実はこれ「実際に使いそうな表現か」を判断する目安にもなるんです。
どういうことなんでしょうか?
例えば日常会話の場でも、みんな似たような話を同じようにはしないですよね?
人それぞれ、趣味や好みも違いますから。
人によって話すことは変わるわけですが、要はみんなよく使う文法や語彙もすべて異なるということです。

だから、まずは「自分のこと」に当てはめて考えてみるんです。

自分に当てはめると言われても…
この文法を使って家族や友達と話せるか、学校や会社の話ができるかといった感じで、自分の行動と重ねてみましょう。
そうすれば何かしら出てくるはずです。
それが、自分にとっての使えそうな表現ってことなんですね!
こうして自分に合った表現を選別して、優先的に勉強していくんです。
これは単語でも同じですよ。
単語帳を使う場合のことですか?
単語帳はレベルに合わせて語彙がまとめられたものが多いですが、それを本の順番通りに覚えようとしてもつまらないと思いませんか?
とりあえず暗記しようってだけで、すぐに忘れてしまうことも多いですね。
自分と関わりがないものも多いからです。
興味ないものばかりなので、そもそも頭にも入らない。
試験勉強がつまらないのと似ていますね。
好きで始めた語学なのに、実際に使う可能性が低く、しかも興味のない単語を一生懸命覚えようとする…
これで楽しく勉強するなんて無理があるわけで、これもやってはいけない勉強法だといえます。
今まで毎日単語帳見てましたけど、無駄だったのでしょうか?
知識が無駄になることはないですが、単語のみをただ暗記するならやめた方がいいですね。
試験前の追い込みとして、集中的に単語を覚えるのであればいいと思いますが。

ただ、それが日課のようになってしまったら、面白くないでしょう…
語学は苦行ではないんですから。

そうですね…
あの、実際に使いそうな表現って話をもう少し、詳しく教えていただけませんか?
もちろん、この話はこれで終わりではないですよ。

教科書の基本表現と語彙を増やす勉強

実際に使いそうな表現にも「段階」があります。

覚えるべき表現の優先順位

1.誰でも使いそうな共通の表現

2.自分や周りの人が使いそうな表現

3.あわり使わないような表現

まずは1の表現を徹底して覚えましょう。
これは基本中の基本になります。
誰でも使いそうな表現ですね。
例えば、이거 주세요(これください)とかは、誰でも使いますよね。
こういうのは、無条件に覚えてください。
誰でも使うということは、大抵の教科書には載っている表現と考えてもいいんでしょうか?
そうですね。
教科書はたくさんの人が見ることを前提に作られていますから、どんな人でも使いそうな、基本的な表現が優先的に書かれています。
ということは、教科書に書かれているものを、そのまま覚えればいいんでしょうか?
最初はそれで問題ありません。
だとしても、自分に合った表現というのは、どうやって選ぶんでしょうか?
教科書の表現は最低限の基本になるので、それをベースに部分的に変えていくんです。
例えば「私は野球が好きです」という例文が、教科書に載っていたとします。

教科書の表現を変えて練習

①저는 야구를 좋아해요.
私は野球が好きです

自分の場合に当てはめてみる
↓↓↓

②저는 축구를 좋아해요.
私はサッカーが好きです

自分は野球よりも、サッカーの方が好きという人もいますよね?
私はバレーボールが好きですね。
その場合は「저는 배구를 좋아해요」のように文を変えるわけです。
でも自分のことだけを話すとは限らないですよね?
行動や人間関係の範囲を広げても、部分的に変えるという基本は同じなので、友達のことを話すとしたらどうなりますか?
友達はバスケが好きですね。
その場合、文をどのように変えればいいかわかりますよね?
そうですね。
これだけでも、いい練習になりそうですね。
こんな感じで表現を広げていきながら、自分に必要な言葉を覚えていくわけです。
他にも、韓国語は「数え数字」で年齢を表現しますけど、それで両親の歳を話してみるとか。

基本をベースにアレンジできることは、たくさんあります。

ところで、入れ変えるのは名詞だけじゃないんですよね?
「暑い、寒い」のような反意語を入れ替えてもいいし。
あるいは마중하러 가다(迎えに行く)배웅하러 가다(見送りに行く)のような表現を一緒に覚えてしまうという手もあります。
工夫次第でいくらでも表現は変えられますね。
これはあくまで「基本」なので、最低限すべき練習ですが、これだけでも語彙を増やしていくことは可能ですよ。

レベルが上がっても基本的なことは同じ

レベルが上がってきた時は、どういう方法で勉強していけばいいんでしょうか?
やることは基本的に変わりませんが、レベルが上がれば、さらにいろんな「変化のつけ方」ができるようになります。
例えば、時間を基準に表現を変えることもできますよね?
「時間を基準に」ですか?
過去形や未来形などの文にするんです。

過去形や未来形の文にしてみる

저는 어렸을 때 야구를 좋아했어요.
私は幼い頃、野球が好きでした

친구는 당구를 좋아할 것 같아요.
友達はビリヤードが好きだと思います

過去形で「~だった、~しました」という話にしてもいいし、未来形なら「~するつもりだ、~しそうだ」のような、予定や推測の話もできますよ。
時間に関する話なら「내일、모레、어제、엊그제」など、関連する語彙も同時に覚えられますね。
カレンダーや時計を見ながら、日付や時間を加えた文を作るといった練習をしてもいいでしょう。
ちなみに、部分的な表現の入れ替えの他にも、変化を加えていく方法はあるのでしょうか?
レベルが上がると、基本文法をいくつも組み合わせた表現が増えますよ。
複数の文法を組み合わせるって、想像できないですね。
例えば次の文には、基本文法がいくつ入ってると思いますか?

영어 잘하는 친구랑 여행 가려고 했는데 취소됐어요.
英語の得意な友達と旅行に行こうとしたけど中止になりました

3つくらいですか?
4つはあると思います。
ざっと見てもこのくらいはあります。

영어 잘하는 친구랑 여행 가려고 했는데 취소됐어요.
英語の得意な友達と旅行に行こうとしたけど中止になりました

잘하다(上手、得意)
-는(連体形)
-려고 하다(~しようと)
-았/었/였(過去形)
-는데(接続表現)
-아요/어요(終止形語尾)

全部覚える自信ないです。
この手の応用は、教科書に沿って段階的に勉強すれば慣れていきますので、心配することはないですよ。
だから「基本は教科書」なんですね。
まずは教科書の「基本」をしっかりと練習し、それができるようになってから応用です。

単語帳は役に立つ?立たない?

ちなみに単語帳を使いたい時は、どうすればいいですか?
移動間でも簡単に見れるし、単語帳を活用する方法とかはないですか?
あることにはあります。
ただ、試験前に一気に語彙を増やすといった「特別な目的」でもない限り、単語帳を使う必要はないというのが僕の考えですが、どうしてかわかりますか?
いえ、全く…
単語帳もやはり、初心者には向いてないんですよ。
初心者は単語帳を使わない方がいいんですか?
単語帳は「辞書形」といって、辞典に載っている時と同じく単語の原型が並んでいて、そこに意味が書いてありますよね?
そうですね。
これって言い変えると、辞書の言葉をカテゴリ別にピックアップして、並べ直しただけなんですよ。
そう言われるとそうかも…
ただ、語彙がジャンル別に整理されてるので、覚えたい言葉が名詞の時は便利なんです。
あ!
気づきましたか?
名詞は他の言葉と簡単に入れ替えができるから、文章をアレンジする時にいいかも。

同じジャンルの語彙はまとめて練習

例)調味料

소금을 넣고…
塩を入れて…

語彙を入れ替える
↓↓↓

설탕을 넣고…
砂糖を入れて…

文をすぐに組み替えて表現することが可能

同じジャンルや関連する語彙をまとめて覚えるのに便利。
これが単語帳のメリットです。
これだけでも、語彙を増やすことができますね。
では、何がデメリットになるんでしょうか?
単語帳は、ある程度基本的な文法がわかっていない人には難易度が上がるんですよ。
入れ替えのベースとなる文が出てこないかも…
仮に간장(醤油)という単語を見て、それを使った例文や場面が頭の中でイメージできる人にはいいんです。
その名詞をどう使うかってことですね。
醤油を加えるのか、足りないのか、買ってきてほしいのか。
会話は単語だけを話せばいいというものでもないので、何かしらの文を作りながら練習してこそ意味があるんです。

もしこれが、名詞でなく「動詞や形容詞」の場合はどうですか?

さらに難しくなりますよね。
動詞や形容詞には「活用」があるのに、原型と意味しか書かれていないものも多いですから。
でも最近は、ちょっとした例文が書かれた単語帳もありますよね。
そういうものであれば、活用形も一緒に見れるし、文法もわかっていれば、語彙を増やすのにも役立つでしょう。
ただ、ジャンルによっても語彙の難易度は変わるので、そのあたりも考慮する必要があります。
初心者が使うには、ハードルが高いんですね。
中級者がさらに上を目指すために使うのであれば、いいと思いますよ。
今までいろんな教材を買っては、すぐに諦めていましたけど、まずは教科書を一つに絞って勉強してみます。
基本に忠実に練習していくのが、話せるようになるための近道ですよ。
単語帳は、基礎が身に付いてからでも遅くはありません。

中級の壁を越えるためにすること→