「~の中」といった表現は日本語でもよく使いますが、これらを韓国語で表そうとすると、3つの言葉が出てきます。
안と속と중ですね。
ところで語彙が3つあるということは、どれも使い方が違うということですが、안・속・중を区別するポイントを解説していきます。
はっきりしたものには「안」
目に見えるものなど
안の使い方を一言で言ってしまえば、具体的ではっきりしたものには『안』を使うということです。

열쇠는 작은 상자 안에 있어요.
かぎは小さな箱の中に入ってるよ

냉장고 안에 뭐가 있어요?
冷蔵庫の中に何が入ってるの?

집 안에 누가 있어?
家の中に誰がいる?
代表的なものは、肉眼で直接確認できるものです。
自分の目で見えるのだから、これ以上はっきりしたものはないですね。
ある「基準」の範囲内である
たとえ目に見えないものでも、内容が具体的であれば「안」を使います。
例えば「ある基準」に対して、その範囲内であるかといった場合です。

반경 300m 안에 편의점이 8곳이 있어요.
半径300mの中にコンビニが8カ所あります

내 주변 2m 안에 들어오지 마.
私の周囲2mの中に入ってこないで
周囲何mという基準に対し、その内側であるかという話をしていますね。
ちなみにこういうケースであれば、100m이내(100m以内)のような言い方をしても構いません。
時間的な範囲を表すこともある
基準が距離ではなく、時間や期間の場合もあります。

2시간 안에 문제를 다 풀 수 있어?
2時間のうちにこの問題全部解けるか?

하루 3페이지씩 공부하면 2주 안에 끝나요.
一日3ページづつ勉強すれば、2週間のうちに終わります
この場合「中」と訳すには無理がありますが、「~以内」というニュアンスには変わりないですね。
基準を定めている以上、ものごとがはっきりしているので、話が具体的になります。
漠然としたものには「속」
肉眼で見えないもの
안とは逆に、抽象的ではっきりしないものなどには『속』を使うことになります。

그의 머리 속에는 다양한 레시피가 있어요.
彼の頭の中にはいろんなレシピが入ってます

꿈 속에서 노래를 들었어요.
夢の中で歌を聴いたよ
メスで頭を切り開いても「考えや知識、記憶」などは、見えるものではありません。
自分の目で中が見えないものは、はっきりしないもののいい例です。
お腹の中や内臓を指す
人や動物の「お腹の中」にも、속を使います。

뱃속에 있는 아기와 대화하는 꿈을 꿨어요.
お腹の中の赤ちゃんと話す夢を見ました
お腹の中の赤ちゃんは、このパターンになります。
また속は「内臓」を意味する言葉でもあります。

胃腸の調子がよくないからお酒は飲めないよ

腹の中では何考えてるかわからないな
「腹の中」という表現は日本語と似ているので、覚えやすいのではないかと思います。
外科手術なら内臓も肉眼で確認できますが、簡単に見れるものではなので、体の内側は特別と考えましょう。
基準がなくはっきりしないもの
基準がなく、内側の範囲がはっきりしないものにも「속」を使います。

바닷속에 있는 생물들을 그려 보세요.
海の中にいる生き物を描いてみてください

숲 속에서 어떤 노인을 만났습니다.
森の中で、とある老人に会いました
海や森の中という言葉だけでは、細かいことがわからず、内容が漠然としていますね。
特定の範囲内といった話ではない場合も、속と考えましょう。
いくつかあるうちの一つ「중」
「選択肢や候補」を意味する
「중」は、複数あるうちの一つを表します。

이 중에서 하나만 골라 봐요.
この中から1つだけ選んで

둘 중에 하나만 선택하세요.
2つのうちどちらかを選んでください

면과 스프 중 어느 것을 먼저 넣어야 하나?
麺とスープのうちどっちを先に入れるべきか?
代表的なものはいくつかの選択肢があって、その中から一つを選ぶといった話です。
複数あるもののうち「どれ」
どれか1つと言っても、選択肢の話とは限りません。

트와이스 멤버 중에서 누가 제일 노래를 잘 해요?
TWICEのメンバーの中で、誰が一番歌がうまい?

그 중에서 정답을 맞쳐 봐.
その中から正解を当ててみな
条件に合ったものはどれだ?といった内容にも使えます。
しかしいずれも「複数あるもの中から一つ」という話であることには変わりません。
どっちを使ってもいい場合がある
안と속どちらもOK?
안や속どちらを使っても構わないというケースもあります。
안と속どちらもOK①

가방 안에서 지갑을 꺼냈다.
バッグの中から財布を取りだした

가방 속에서 지갑을 꺼냈다.
バッグの中から財布を取りだした
バッグの中は肉眼で確認できるから안、でも離れた位置にいる人からすれば中は見えないので속。
どちらにも解釈できるケースです。
안と속どちらもOK②

강물 안에 들어갔다.
川の水の中に入った

강물 속에 들어갔다.
川の水の中に入った
これも「川の中に飛び込んだ」という事実は同じです。
こういうケースもあるんだということも、知っておくといいでしょう。
안と중どちらもOK?
안や중を使うパターンもあります。

이번 달 안으로 미국으로 떠날 계획이다.
今月のうちにアメリカへ発つつもりだ

이번 달 중으로 미국으로 떠날 계획이다.
今月中にアメリカへ発つつもりだ
この場合の중は複数の中の一つではなく、範囲内を意味する漢字の「中」と考えれば、ニュアンスがしっくりくるのではないかと思います。
まとめ
1.안は「はっきりしたもの」
目に見えるもの
基準の範囲内、~以内
2.속は「はっきりしないもの」
目に見えないもの
基準のないもの
人体の内部
3.중は「選択肢や候補」
どれか一つを意味する
細かいことを言うとキリがなくなりますが、最後は「慣れ」です。