안の文には「안~」と「-지 않다」の2つがありますが、それぞれニュアンスやよく使う場面などに違いがあります。
例えば口語で使うことが多いのはどちらかといったことですね。
今回は二つの否定文の違いなどについて解説していきます。
2種類の否定文
短い否定文「안~」
안を使った短い否定文は、안を動詞や形容詞の前に置くことで「否定の意味」を表現します。

今日は友達とは会わないよ

明後日からは暑くないと思います
使い方もシンプルで、初級で習う文法の一つです。
「안」は複合語には使えない
短い否定文は、合成語や派生語といった複合語には使えないのが原則です。
合成語とは2つ以上の言葉が合わさってできた言葉で、代表的なものは「하다」がつく用言です。

結局は引っ越さなかったよ (x)

海の水が青くないよ (x)

空がきれいじゃない (x)
하다の他にも「-답다」や「새-」のような言葉も、안は使えません。

結局は引っ越さなかったよ (ㅇ)

昨日は勉強しなかったよ (ㅇ)
ただし「-를 하다」と表現することができる動詞であれば、하다の前に안を入れることで、안の使用が可能になります。
「안」が使える複合語は?
ところで안の否定文は、すべての合成語・派生語に使えないというわけではありません。

あなた生もの嫌いなの?

昨日は家に帰らなかったよ

それはまだやってないよ
안の短い否定文が使えるパターンは、少しづつ覚えていきましょう。
長い否定文「-지 않다」
-지 않다でも、否定の意味を表すことができます。
안の短い否定文が使えない単語には、この方法を使います。

海の水が真っ青じゃないです

空がとてもきれいじゃないですか?
-지 않다は合成語や複合語でも表現が可能なので、どんな単語にも対応可能とも言えます。
「안」と「-지 않다」の違いと使い分け
否定の度合いが変わることもある
안と-지 않다は、組み合わせの条件しか違いがないように見えますが、どちらを使うかによっても「否定の強さ」が変わることもあります。

私は牛肉は食べません
먹지 않아요なら「あんまり食べません」というような、柔らかい否定になります。

私は豚肉は食べないよ
しかし안 먹어と言えば「絶対に食べないぞ」という強い意志が込められていたりします。
必ず안が強い否定になるというわけでもないですが、口調や表情などからも判断する必要があります。
口語では短い「안」が好まれる
どんな言語でも、口語では効率よく意志を伝えるために、より短い表現が好まれる傾向があります。

昨日送ってあげて動画は見た?

いや、まだ見てないよ
会話では表現が短くなりがちなので、わざわざ長い「-지 않다」を使わないといったことはよくあります。
안を使ったから無条件に強い否定だと断定はせず、話の流れなどからも判断するようにしましょう。
文語やあらたまった場面での否定文
普段の会話では안を使っていても、改まった場面では「-지 않다」を用いるというのはよくあります。
そのため-지 않다は、フォーマルな場面でより多用されるとも言えます。
また-지 않다は、書く時にも多用されます。
こうした否定文を使う場面や傾向も覚えておくといいでしょう。
「안」の否定文と間接話法
「안」否定文と間接話法の組み合わせ
안の否定文と間接話法を組み合わせた時の、文型や使い方も知っておきましょう。
形容詞
・안 좋다 + -다고 하다
=안 좋다고 해요
=안 좋대요
動詞(パッチムなし)
・안 가다 + -ㄴ다고 하다
=안 간다고 해요
=안 간대요
動詞(パッチムあり)
・안 먹다 + -는다고 하다
=안 먹는다고 해요
=안 먹는대요
動詞・形容詞の前に「안」が来る!

スヨンが具合がよくないないって

ジヨンが明日の公演に行かないって

事態が収束するまで新たな予約は受け付けないそうです
短い否定文との間接話法では、組み合わさる動詞や形容詞に合わせて「-다고」や「-ㄴ다고」などをしっかり区別する必要があります。
形容詞の「-지 않다」と間接話法
形容詞の「-지 않다」と間接話法を使う場合です。
・좋지 않다 + -다고 하다
=좋지 않다고 해요
=좋지 않대요
・춤지 않다 + -다고 하다
=춤지 않다고 해요
=춤지 않대요
-지 않다の後に「-다고 하다」が来る

明日の昼の気温は高くないそうです

来週は寒くないって
形容詞の場合は、-지 않다の後に「-다고 하다」が入ります。
よって-지 않다고 하다となります。
動詞の「-지 않다」と間接話法
動詞の「-지 않다」と間接話法の使い方です。
・먹지 않다 + -다고 하다
=먹지 않는다고 해요
=먹지 않는대요
・마시지 않다 + -다고 하다
=마시지 않는다고 해요
=마시지 않는대요
-지 않다の後に「-는다고 하다」が来る

これからは煙草を吸わないと決めたそうです

像は自分を助けてくれた人の顔を忘れることはないそうです
動詞の否定文の場合は、パッチムのある動詞と同じく「-는다고 하다」を使います。
したがって、-지 않는다고 하다となります。
否定文を間接話法で使う時は、まず形容詞と動詞の間接話法の基本的な使い方を、しっかり押さえておくことが重要になります。
まとめ
1.안は-지 않다よりも強い否定になる場合がある
2.-지 않다は、公の場や文語での使用が多い
3.間接話法と使う時は、動詞・形容詞と使い方を押さえておく
否定文にどの表現を使うかは個人差もありますが、一般的な傾向だけでもつかんでおきましょう。