주라고と달라고の違いについて、解説していきます。
주다は「あげる」という意味ですが、間接話法では「もらう」という意味にもなります。
そのためニュアンスがややこしくなり、間接話法が難しいと感じてしまう原因の一つでもあります。
「~してあげる」なら주라고
「引用」は第3者の立場で表現
間接話法で命令文を表す時は「-라고 하다」を使います。
命令文である以上、誰かに指示を出すわけですが、この時使われる単語が「주다」であることがポイントです。

お姉ちゃんが(ソリョンに)友達にりんごをあげなさいと言いました
お姉ちゃんがソリョンに対して「りんごをあげなさい」と命令していますが、次のような構図になります。
引用としての주라고
お姉ちゃんが「~してあげなさい、~してやれ」という話をしているわけですが、これを第3者の立場から表現しています。
つまり引用として「주라고 하다」を使っていることになります。
「伝聞」は中継役としての発言
お姉ちゃんが誰かに指示を出し、第3者がその様子を表すとは限りません。

お姉ちゃんが、友達にりんごをあげなさいだって
お姉ちゃんの話を、誰かが伝えることだってあります。
伝聞としての주라고
お姉ちゃんの指示は、第3者を通して伝わっています。
この場合は第3者が中継役として指示を伝えているでの、伝聞としての表現になるわけです。
省略形の「주라고」は本人が自分で指示
間接話法には省略形といって、-다고 하다の「하다」がないケースも頻繁に使われます。

友達にりんごあげなさい
この場合は「本人の意思」を表すこともあります。
本人の意思を表す주라고
中継役がいるわけではないので、お姉ちゃんの指示はダイレクトに伝わります。
間接話法の省略と本人の意思表示がわからないという人は、先に「間接話法の応用」を読んでみてください。
仮に中継役がいて、その人が「주라고요」と話しているのであれば、伝聞としての表現になります。
「~してもらう」なら달라고
引用としての「ください」
命令の内容が「依頼」の時、つまり「~してほしい、~してくれ」という話の場合は「달라고 하다」で表現します。

友達が(ソリョンに)りんごちょうだいと言いました
友達がりんごを欲しがっていますが、次のような構図になります。
引用としての달라고
友達が直接相手に「사과를 주세요」とお願いをし、その様子を第3者が表現しています。
つまり引用として「달라고 하다」を使っています。
伝聞としての「ちょうだい」
依頼内容を他の人に伝える「伝聞」だってあります。

お友達がりんごちょうだいって言ってるよ
ここでは友達の依頼内容が、中継役を通して伝わります。
伝聞としての달라고
依頼者:何かしてもらいたい人
中継役:依頼を伝える人
依頼を伝えるので、伝聞としての「달라고 하다」ですね。
「달라고」の省略形は自分で直接依頼
달라고 하다の省略形も、やはり「本人の意思」を表現することがあります。

りんご1個ちょうだい
友達が相手に直接「りんごちょうだい」と言っています。
本人の意思を表す달라고
中継する人はいないので、友達のお願いが相手にそのまま伝わります。
こういう言い方もあるわけです。
달라고はこんな時にも使える
自分の意図や要望を直接伝える
달라고 하다は、何かをしてもらう人の立場に立った表現であることがポイントです。
だからこそ「自分の要望」を相手に直接伝えることも可能になります。

さっきビールくれって頼んだんだけど
これなら「さっき注文したのに…」のような話もできます。
注文した料理がなかなか出てこない時は、店員に聞いてみましょう。
一度言ってダメな時に使おう
この言い方は強調して伝えたい時、あるいは一度言っても効果がなかった時にも有効です。

早く準備してくださいね

黒でなくて他の色のシャツを見せて欲しいんです
もし「~해 주세요」といって、ダメだった時はこんな感じで伝えなおしてみましょう。
달라고を尊敬語で使うと?
달라고 하다の省略形を「尊敬語」で表現すると、どうなるでしょうか。

早くやってくださいよ
もともとは주다なので、尊敬語なら-시がついて주시다となります。
しかし주시다を間接話法にしても달라고のようにはならないので、指示でも依頼でも、そのまま使えばOKです。
주라고と달라고どっち?
주라고と달라고のどちらかを入れてみましょう。

彼氏が、ぜったい電話くれって

(母が)彼氏に料理でも作ってあげなよって

娘さんの誕生日なのにプレゼントでも買ってあげなさいよ

みかん1個くださいよ
※答えはタップして確認できます
주라고と달라고を区別するポイントは、あげる=주라고、もらう=달라고と覚えてしまうことです。
そうすれば、誰が誰に対して言っているのかを意識しやすくなります。
これは間接話法の基本でもあるので、ややこしくなった時は原点に戻りましょう。