韓国語は日本語と同じく「助詞」を使う言語ですが、日本語と使い方が少し違います。
そのため「-이/가」と「-을/를」は、日本人が間違えやすい助詞ですが、こうした助詞の使い分けと深い関連のある文法「-아/아하다」はご存じでしょうか?
-아/아하다がわかると、助詞の使い分けで迷わなくなります。
-아/어하다の意味は?
形容詞と組み合わせ「~がる」を表す
形容詞に-아/어하다がつくことで、「~がる」という意味になります。

子供がプレゼントをもらって喜んでます
(嬉しがる)

おばあさんは一人暮らしで寂しそうです
(寂しがる)
嬉しいや寂しいが「嬉しがる、寂しがる」に変化していますね。
また-아/어하다につく形容詞は様々です。

蚊に刺されて、痒そうだよ
(痒がる)
「嬉しい」や「寂しい」のような感情を表す言葉と使うこともあれば、춥다や가렵다のように状態を表す形容詞と組み合わさることもあります。
-아/어하다が使えない形容詞もある
一部の形容詞には-아/어하다を組み合わせることができません。

赤い → 赤がる?
빨갛다のような形容詞だと、組み合わせても意味がおかしくなります。
日本語でも「赤がる」とは言わないですね。
-아/어하다が使えるか迷ったら、日本語で考えてもいいでしょう。
主語にも注意しよう
他人(第3者)のことを話す
-아/어하다を使った表現は、第3者について話す時に使います。

ミンスクはいつも友達を羨ましがってます

(その子は)子犬が死んで悲しいようです
つまりこちらから見た「だれかの様子」を表現するのがポイントです。
自分や相手のことを話すなら形容詞はそのまま
自分や話し相手の感情や状態を表現する時は、形容詞をそのまま使いましょう。

ずっと飼ってた猫が死んで悲しいです

カッコいい彼氏がいるセリがうらやましいです

一体何がそんなに悲しいんだ?
自分や相手の話なら:うらやましい、うれしい、悲しい
第3者についてなら:うらやましがる、うれしがる、悲しがる
相手の目線や立場で話すのであれば、-아/어하다は使わないということですね。
-고 싶다「~したい」も同じ
-고 싶다も-아/어하다と一緒に使う機会の多い表現です。

(俺が)野球を見に行きたいんだ

友達が野球を見に行きたがってるんだ
「~したがる」という文章も、主語が誰なのかが使い分けのポイントです。
自分や話し相手なら「欲しい」、他人なら「欲しがる」と覚えましょう。
-아/어 하다と助詞の使い分け
形容詞そのままの時は「-이/가」を使う
形容詞をそのまま用いる時は、助詞に「-이/가」を使います。

故郷が恋しいけど帰れません

雷の鳴る音が怖いよ
「故郷が恋しい」という文ですが、形容詞は主語の状態など表すので、-이/가を使います。
「雷の音が怖い」の場合も同様ですね。
韓国語の動詞と形容詞の違いが難しいという人は、以下の記事も参考にしてください。
動詞や「~がる」の文には「-을/를」を使う
動詞や-아/어 하다の文には、助詞に「-을/를」が使われます。

お爺さんは故郷が恋しくても帰れません

ミンギは歌が下手なのが恥ずかしいみたい
「〇〇を~がる」のように、目的語を必要とする動詞になるからですね。
したがって「故郷を恋しがる、歌が下手なことを恥ずかしがる」のような文になります。
좋아하다と싫어하다は特別
-아/어하다は他人が主語の時に使うのであって、自分が主語の時は使わないのが原則です。
ところが、좋아하다と싫어하다は自分が主語でも使うことができます。

韓国料理の中で私は冷麺が好きです
(~を好みます)

韓国の食べ物の中で僕はポンデギが嫌いです
(~を嫌います)
좋아하다と싫어하다は特別と考えましょう。
ただし좋아하다や싫어하다も、直訳すれば「~を好む、嫌がる」のようになります。
したがって助詞には「-을/를」を使うことが理解できるのではないでしょうか。
좋다と싫다は助詞が「-이/가」になる
最後に좋다と싫다ですが、こちらは形容詞なので、助詞は「-이/가」になります。

私はおばあちゃんが作ったプルコギが好きです

俺は小さい時からトマトが嫌いです
싫다は「~が嫌だ」、싫어하다なら「~を嫌がる」ということですね。
日本語の「~が好きだ、嫌いだ」を直訳すると間違えやすくなるので、注意しましょう。
まとめ
1.形容詞+아/어하다で「~がる」
그리워하다(恋しがる)
기뻐하다(うれしがる)
2.-아/어하다と使えない形容詞もある
色を表すものなど(파랗다、빨갛다)
3.-아/어하다を使うのは「他人」が主語の文
4.-아/어하다は動詞ととらえる
目的語の助詞「을/를」と一緒に使う
5.좋다/좋아하다は自分が主語でもOK
助詞の使い方は他の-아/어하다と同じ
助詞の使い方が違うことをしっかり押さえておけば、「-이/가」と「-을/를」を間違えることはなくなるでしょう。